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2019年10月28日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
日本は年々台風の被害が深刻化していますね。電柱や送電線が、いとも簡単に倒されている映像を見て、その威力のすさまじさに改めて恐怖を感じます。
9月頃に日本に来ることが多いイメージのある台風ですが、発生数のピークは8月だそうで、10月に来ることも増えています。
ところでニュースで台風情報を見ていると「1号」「2号」などという数字の他に、台風ごとに名前が付けられていることに気付きます。ちなみに2019年10月に発生した超大型台風19号は「ハギビス」という名前だったとか。
台風の名前って誰がどうやって決めているのでしょう? なぜ数字以外にも呼び名があるの? 気になったので調べてみました。
気象庁では、毎年1月1日から、その年に発生した台風を「第1号」として順に番号を付けています。一つの台風が発生した後に、勢力が衰えていったん「熱帯低気圧」になり、その後再び発達して台風になった場合は、同じ名前が付けられます。
従来、台風の名前はアメリカの米軍合同台風警報センターが命名していました。「ハリケーン・カトリーナ」や「ハリケーン・サンディ」などは大きな被害をもたらした台風として私たちにもなじみがある名前です。ハリケーンの名前は、当初は女性の名前のみでしたが、40年ほど前から男性の名前も使用されるようになったそうです。
ちなみに台風とハリケーンやサイクロンなど呼び名の違いですが、「台風」は、東経180度より西の北西太平洋および南シナ海に存在する熱帯低気圧、「ハリケーン」は、北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、西経180度より東の北太平洋に存在する熱帯低気圧、「サイクロン」は、ベンガル湾やアラビア海などの北インド洋に存在する熱帯低気圧と、場所によって呼び名が変わります。「タイフーン」は北太平洋西部に位置する熱帯低気圧なので、台風と同様のものとみなされがちですが、厳密には少し違っています。日本での分類である台風は域内の最大風速が17m/s以上のものですが、タイフーンは最大風速が33m/s以上のものと、より強い熱帯低気圧を指しています。最大風速が33m/s以上だと日本では「強い台風」、44m/s以上は「非常に強い台風」、54m/s以上は「猛烈な台風」と細かく分類されています。
2000年頃から、東アジア地域の太平洋で発生した台風に関しては、直接影響を受ける東アジアの14か国が加盟する台風委員会が名前を付けることとなりました。これには、アジアの人々になじみのある呼び名を付けることで、人々の防災意識を高めることが目的の一つとしてあるそうです。
中国をはじめ、タイやベトナム、カンボジアなどのアジアの加盟国がそれぞれ10個ずつ、あらかじめ台風の名前を決定しています。つまり、台風の名前はすでに140個決まっていて、それが順番に名付けられていることになります。
一つめの台風名を決めた国はカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」と名付けられました。そこから台風が発生するたびに、140個の名前を順番に付けていき、140番目までいったら再び1番目の名前に戻る仕組みになっているそうです。1年間に発生する台風の数は平均で25.6個といわれているので、約5年間で140個の台風の名前が一巡する計算になります。
ちなみに、2019年の第1号の台風はいつだったかというと、なんと前年の2018年12月30日に発生した熱帯低気圧が、年をまたいだ2019年1月1日に台風に変わったのだとか! この台風の命名国はラオスで、ラオスの淡水魚の名前「パブーク」と名付けられました。
日本も、アジアの台風委員会に加盟しているため、日本語の名前を10個、登録しています。こいぬ=koinu、やぎ=Yagi、うさぎ=Usagi、くじら=Kujira、かじき=kajiki、こぐま=kogumaなどがあります。これらの名前は「星座」に由来していて、台風とイメージ上の関連がある天空にあって人々に親しまれていること、「中立的な」名称で「自然」の事物なので比較的利害関係が生じにくいこと、文字数が多過ぎないこと、などの理由なんだそう。
他の国々で付けられた名前を見てみると、イーウィニャ(=嵐の神/ミクロネシア)、フンシェン(=風神/中国)、ノウル(=夕焼け/北朝鮮)、などという空に関係のある名前を付ける国や、チャンパー(=赤いジャスミン/ラオス)、ノグリー(=たぬき/韓国)、バビンカ(=プリン/マカオ)など空と関係のない名前もあるのですね。
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イラスト:飛田冬子