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2019年07月15日
素朴な疑問
知人夫婦がゴールデンウィーク中、家族旅行に行ってきたそうなのですが、土産話を聞いてビックリしました。なんと、4世代がそろって出かけたのですって!
知人夫婦、息子夫婦と新生児、車いすが必要な80代のお母さん……。大変だったでしょう? と聞いたら、ホテルの部屋を「ユニバーサルルーム」にしたので、案外快適に過ごせたと言います。ユニバーサルルームって何?
早速調べてみると、ユニバーサルルームとは、高齢者や障がいのある人が快適に宿泊できる部屋だそう。同時に、赤ちゃん、妊婦、けが人、そして健常者も同様に快適に過ごせることが条件とされています。
スロープ(傾斜のある床)や手すりなど、建物の設備を強調した「バリアフリールーム」、利用のしやすさを意味する英語accessibility(アクセシビリティ)から「アクセシブルルーム」と呼ばれることもあるようです。
ユニバーサルルームは、その名の通りユニバーサルデザインに基づいてつくられています。ユニバーサルデザインとは、1985年にアメリカのロナルド・メイス氏(自身もポリオで車いすを使用していた)が提唱した概念で、以下の7原則が柱です。
ユニバーサルデザインの7原則
1.誰にでも公平に利用できること(公平性)
2.使う上で自由度が高いこと(自由性・柔軟性)
3.使い方が簡単ですぐわかること(単純性)
4.必要な情報がすぐに理解できること(わかりやすさ)
5.うっかりミスや危険につながらないデザインであること(安全性)
6.無理な姿勢をとることなく、小さい力でも楽に使用できること(省体力)
7.アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること(スペースの確保)
例えば、音楽で知らせる信号機、振動で知らせる電子体温計、自動販売機やエレベーターの低い位置にあるボタン、力を入れなくても持ちやすいペットボトルのくぼみ、これらはすべてユニバーサルデザインです。私たちの生活に、すっかり定着していますね。
ただ、ユニバーサルルームは製品ではなく宿泊施設。提供する側も利用する側も、実はさまざまな課題を抱えているみたい。提供する側の「必要だろう」という想定と、サービスを受ける側の意識に隔たりがあることが主な理由です。
具体的には、病院のように万全の設備が、健常者を戸惑わせるといったケースがあるようです。特定の人だけが便利なら、ユニバーサルデザインの7原則から外れてしまいますね……。
とはいえ、必要がなければ取り外しが可能な介助、自助設備を備えたユニバーサルルームは増えているそうです。将来は、すべてのホテルの全室が、ユニバーサルルーム仕様になるといいですね。
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参照:会津若松市
イラスト:飛田冬子