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素朴な疑問直木賞って誰が由来なの?
「芥川賞 直木賞決まる」
この見出しをニュースや新聞で見かけると「あれ、芥川賞と直木賞ってこのあいだ発表されていたような……まさかボケちゃった??」と一瞬ヒヤッとしますよね(私だけ?)
安心してください。芥川賞と直木賞は年に2回発表されているのでした!
まったく、この日本一有名な文学賞が発表されるたびに、時の流れの速さを実感せざるをえない今日このごろですが、改めて考えると芥川賞と直木賞の名前ってどこから来ているのでしょう? 「文学、芥川」とくれば、芥川賞が文豪・芥川龍之介からきていることは容易に想像できるのですが。
直木って……だれ? というあなた(実はワタシ)のために、調べてみました。
直木賞の正式名称は「直木三十五賞」です。ハイ、正解があっさり見つかりましたね。直木三十五(なおきさんじゅうご、と読みます)は明治中期から昭和初期に活躍した作家で、多くの時代小説や脚本や映画監督を務めた人物です。
この直木三十五というちょっとへんてこりんな名前(すみません)は、本人がつけたペンネーム。本名は植村宗一さんといい、31歳のときに雑誌で評論を連載することになった際、「直木三十一」という名前をつけたのだそうです。
直木という苗字は、本名の「植」という文字を「木」と「直」に分解し、ひっくり返したもの。そして「三十一」は当時の年齢を表しています。自分のデビュー年齢をペンネームにするだけでも斬新なのに、年を重ねるごとに「直木三十二」「直木三十三」と毎年改名したというのですから、よほどの変わり者…失礼、ユニークな感性の持ち主だったのでしょう。
さて、その直木さんは早稲田大学を学費未払いで中退後、雑誌編集者として活動しながら時代小説や評論などの執筆活動を始めました。やがて「日本映画の父」と呼ばれたマキノ省三と懇意になり、映画の世界へ。けれどマキノに出資してもらって製作した映画はことごとくヒットせず、おまけに火事で全焼したマキノ家に見舞いに行ってこづかいをせびったという逸話も……。
なにはともあれ昭和4年、38歳のときに週刊誌に連載した時代小説『由比根元大殺記(ゆいこんげんだいさつき)』がヒット。2年後に発表した『南国太平記』で、流行作家としての地位を不動のものにしました。大衆文芸作品を数多く手がけ、直木作品を原作とした映画も50本近く上映されるほど大人気だったそうです。
そんな直木三十五は43歳という若さで病死。当時、文藝春秋社の社長だった菊池寛は「大衆文学の歴史を変える貢献」をした人物として彼を讃え、直木三十五を超える作家を発掘する目的で昭和10年に直木賞を創設しました。当初は無名の新人作家が対象でしたが、現在は中堅作家による大衆小説が選ばれています。
ところで、お気づきでしょうか。「直木三十一」から始まったペンネームルール、本来なら「直木四十三」まで進んだはず。じつは三十二、三十三まで進んだものの、編集者がうっかりして34歳になっても三十三のままになったのだとか。33は「散々」と読めたりして縁起の悪いことや、菊池寛から「いいかげんにしろ」と忠告された、などの理由から、その後は「直木三十五」に落ち着いたんだそうです。
今や多くの作家の人生を左右するほどの存在となった直木三十五賞ですが、本人は三十五だろうが三十六だろうが、細かいことは気にしていなかったのかもしれませんね。
じゃあ、私がいろんなこと忘れても別にいっか!(ダメです)
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