素朴な疑問痛風ってどんな症状なの?

公開日:2019/03/17

痛風ってどんな症状なの?

 

先日スーパーのアルコール売り場で気がついたのですが、ここ数年で、「プリン体ゼロ」をアピールした発泡酒や第3のビールがずいぶん増えていますよね。

 

「プリン体は痛風によくない」と聞いたことがあります。痛風の人や痛風予備軍が、世の中にはそれだけ増えているということでしょうか? そもそも痛風って、どんな症状なのでしょう? 気になるので調べてみました。

 

一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会によると、1986年に20万人程度だった痛風の患者数は、2004年に約80万人、2016年に約100万人と、年々増加を続けています。その原因には、食事や生活習慣の欧米化、メタボリックシンドロームが関係しているそうです。

 

ちなみに、痛風患者の多くが男性です。(日本は男性9割、諸外国でも8割以上)これは、女性ホルモンに尿酸の排泄を促すはたらきがあるからなんですって。

 

痛風予備軍は、血液の尿酸値が上昇する「高尿酸血症」の人たちで、そのうち1割が、痛風を発症するとされています。高尿酸血症には、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症といったリスクもあるため、痛風にならないからといって、残り9割が安心というわけではないようです。

 

高尿酸血症になる原因は、生命活動を営むエネルギー「核酸」(DNAやRNA)を、分解、処理、排出しきれず、体内にため込んでしまうからだと考えられています。このエネルギーを、プリン体といいます。(プリン体そのものは、悪者ではないのですね!)

 

分解、処理しきれなかったプリン体の燃えカスが、排出されず尿酸として関節部分に蓄積し、結晶になると痛風発作が起こります。ある日突然、足の親指の付け根が赤く腫れて、ひどい激痛におそわれるのが典型的な痛風発作の症状です。腫れた部分は熱を持ち、痛みのピークは2、3日といわれています。(風があたっただけで痛むらしいですよ~)

 

公益財団法人痛風財団によると、痛風の発作には、炎症を抑える薬が使われます。長くても10日以内で症状はおさまりますが、多くの場合、1年以内にまた同じような発作を繰り返すのが特徴だそうです。

 

もし、発作の繰り返しを放置すると、ヒザや足首の腫れ、痛風結節(コブ)、慢性腎臓病、尿路結石など、症状はどんどん重症化するため、発作を予防する尿酸降下薬を処方される可能性が高いでしょう。尿酸降下薬には、尿酸産生抑制薬と尿酸排泄促進薬の2種類がありますが、どちらにしても、長期間、もしくは一生飲み続けることになるようです。

 

痛風の予防にはプリン体の多い魚肉類の内臓、干物やアルコールを食べ過ぎ・飲み過ぎないことが重要です。ストレスや肥満も良くないそうなので、要は規則正しい生活を心がける必要があるってことですね! お父さんにも伝えておこうっと。「それが一番難しいんだよ!」って言われそうだけど……。

 

 

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参照:一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会

   治療ガイドラインについてPDF

   公益財団法人 痛風財団

   わかもと製薬

   オムロン

 

いったん発症すると、長い戦いになりそう……。
いったん発症すると、長い戦いになりそう……。

 

イラスト:飛田冬子

 


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