素朴な疑問「今年の漢字」はどうやって決めるの?

公開日:2018/12/26

「今年の漢字」はどうやって決めるの?

 

こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。

 

毎年、世相を表す漢字1文字を表す「今年の漢字」。特大和紙に向かって、京都・清水寺の貫主(かんす)が筆をふるって書くシーンがテレビで報道されると、「ああ、そういえば、今年はこんな年だったなあ」と、年の瀬を感じます。平成最後の2018年の今年の漢字は「災」。

 

西日本豪雨などの自然災害や、北海道の長期の停電、周防大橋のフェリー事故による長期の断水など、災害が多い1年であったことが改めて思い返されます。

 

ところで、「今年の漢字」って誰が決めているのかしら。調べてみたら、これは「公益財団法人日本漢字能力検定協会」が、1995年から毎年実施しているキャンペーンなんですって。毎年、日本国内だけではなく、中国や台湾からも応募を受け付けており、24回目の今年は11月1日から応募受付けが始まり、12月5日に締め切られました。応募総数は193,214通。1位の「災」の文字の投票数は7,104通だったそうです。

 

応募数1位の「今年の漢字」は12月12日の「漢字の日」前後に発表となります。なぜこの日かというと、12月12日は「いいじいちじ」と読んで、毎年少なくとも1文字は漢字を覚えてほしいということで制定された記念日だから。この日前後に、京都市東区の清水寺「奥の院」の森清範貫主の揮毫(きごう=毛筆で文字や絵をかくこと)によって発表されるとともに、1年のできごとを清め、新年が明るい年になるように、奉納の儀式を行っているということです。

 

使われる筆は広島県熊野産の牛耳兼毫筆(ぎゅうじけんごうふで)。ハタキみたいに大きくて白い筆は「白天尾(しろあまお)」といい、長さ11.5㎝、直径4.5㎝、軸…長さ26㎝(一番太いところの直径は約5.5㎝)なのだそうです。和紙は、縦150cm×横130cmの越前和紙。こちらは福井県産。墨は奈良県産とのことです。

 

これまで最も多く選ばれた漢字は「金」で、2016年、2012年、2000年に選ばれています。2016年はリオ・オリンピックで金メダルラッシュ、2012年は金環日食、2000年は金大中氏と金正日氏の“金・金”首脳会談と、同じ「金」でも社会現象はさまざまですね。

 

また、今回と同じ「災」は2004年にも選ばれており、この年は新潟県中越地震や自然災害が多い年でもありました。しかし、東日本大震災のあった2011年の「今年の漢字」には「絆」が選ばれ、震災の悲しみや苦しみ、困難を乗り越えていく支援や励まし、支え合う人々の気持ちが反映された一文字となりました。

 

今年惜しくも 2位になった文字は「平」。平成最後、平昌オリンピック、米朝首脳会談による平和の兆しなど、ポジティブな内容が多かったそうですが、2019年に向けて「災い転じて福来る」となることを期待したいですね。

 

 

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参照:日本漢字能力検定協会 

 

ワタシの一字は「凡」だったかな
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イラスト:飛田冬子

 


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