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2022年01月25日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
冬、公園や近所の庭木の枝にぶら下がっているミノムシ。小さい頃は、葉っぱと間違えていました。最近、めっきり見かけることがなくなったのですが、どうしたのかしら? 気になるので調べてみます!
ミノムシは、「ミノガ」と呼ばれる蛾の幼虫です。日本には約40種類のミノガが生息していますが、ミノムシとして多く見かけるのは、「オオミノガ」と「チャミノガ」です。わらで作った雨具の「蓑(ミノ)」に似ているため「ミノムシ」と呼ばれるようになりました。
幼虫は、口から細かい糸を出し、枯葉や枝をからめてミノを作ります。幾重にも糸を絡めた丈夫なミノを枝にしっかりくくりつけ、寒さや雨雪、天敵から身を守る頑丈なシェルターとなっています。ちなみに、枝にぶら下がって目立つミノムシはオオミノガで、4~5cmほどの大きさがあります。
ミノムシの寿命は約1年。初夏にメスのミノの中で生まれた幼虫は、風に乗って飛んでいき、木の枝や葉の上で最初のミノをつくります。ミノから上半身を出して移動しながら葉っぱを食べて大きくなり、成長にあわせてミノを大きくしていきます。
10月頃には、えさを食べるのをやめ、ミノを補強して越冬準備。冬は枝にぶら下がってミノで冬眠します。初夏には成虫となり、オスは蛾として飛び立ちますが、なんとメスはミノに入ったまま。交尾をしたメスはミノの中で卵を生みます。
蛾の成虫は、口が退化してエサを食べることができないため、幼虫のときにとった栄養で一生を終えます。
知れば知るほど不思議な生態のミノムシですが、最近は見かけなることが少なくなっています。
それは、1990年代に中国大陸から入ってきたオオミノガの天敵の寄生ハエ(ヤドリバエ)が原因です。ヤドリバエは卵を葉に産み落とします。その葉を食べたミノムシの体内でオオミノガを栄養にして成長し、成虫になってミノから出てきます。
ミノムシは、このハエから身を守ることができないため、数が減り続けています。数県では、ミノムシは絶滅危惧種に指定されています。
ミノムシは、清少納言や松尾芭蕉、正岡子規などにも愛でられ、作品に登場しています。当たり前のように目にしていた冬の風物詩のミノムシが見られなくなっているのは寂しいですね。
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参照:富山市科学博物館
イラスト:飛田冬子