公開日:2020/07/27
「ハルメク」の連載でおなじみ、看護師で僧侶の玉置妙憂さん。命の現場に立ち会う玉置さんだからこそ感じる、心穏やかに暮らすヒントは何でしょうか? 今回は「他力本願」の意味と、心穏やかに暮らすための知恵を動画で教わります。最後に1分間瞑想も。
6週にわたり、玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さんに仏教由来の四字熟語を毎週1語ずつ教わり、その後1分間の瞑想を行います。今日はその2回目。ぜひ動画でご覧ください。
今日の言葉は「他力本願」。この言葉の印象を、人任せにして、祈ってさえいれば、何か良いことが落ちてくるんじゃないか。棚からぼたもち的な、少しやる気がない言葉に感じている方も多いかもしれません。
「でも、実は違うんです。基となっているのは、以我功徳力・如来加持力・及以法界力・普供養而住(いがくどくりき・にょらいかじりき・ぎゅういほうかいりき・ふくようにじゅう)という言葉」と玉置さん。
「これは仏様、主には阿弥陀如来様のことなんですが、阿弥陀如来様のお力がいつも私たち、みなさま方に降り注いでいますよ、ということなんです。そして、物事を成し遂げる時には、以我功徳力(いがくどくりき)、自分自身ががんばる力。それから如来加持力(にょらいかじりき)、阿弥陀如来様がサポートしてくださる力。そして及以法界力(ぎゅういほうかいりき)、世の中の環境がくれる力。この三つがそろって初めて事は成す、という意味です」
私たちは常々、自分はがんばるぞ、よしやるぞということは思うかもしれない。けれども、仏様や周りの人たちから助けられているということは、忘れてしまいがちです。
「自分ももちろんがんばります。でも、支えられている、いつも守られている阿弥陀如来様の力もしっかりと感じる。そして、落ち着いて周りを見て、環境からもらう力、それはお天気だったり、ご友人の言葉だったり、いろいろでしょう。そういうところからもらう力も全て合わせて、事を成していきましょう。そうすれば、今よりはもっと楽に、いろんなことが叶うかもしれませんね」と玉置さん。
自分一人でできることは限られています。常に、仏さまや周囲の人たちに守られている、支えられている、応援されているということに気付かねばなりません。
いすに座っている方は、しっかりと足の裏が地面に着くようにしてください。椅子の背に寄りかからず浅く腰掛け、体を前後左右に振って、ご自分の真ん中の線を探します。骨盤の上に背骨が真っすぐ上に積み上がって、頭を一番上にポンと乗せるイメージ。手の先は上向きでも下向きでもOKです。静かに目を閉じ、呼吸は大きく、鼻から吸って、口から吐きます。吸うよりも吐く方が3倍は長くなるように、細く長く吐いていきます。
玉置さんが描いた曼荼羅(まんだら)をご紹介。
今週は「結縁」(けちえん)です。結縁とは、仏様とご縁を結ぶという意味。この曼荼羅の真ん中にありますのが、大日如来を表す梵字です。大日如来とご縁を結ぶ、という願いを込めて描かれたそうです。
東京都生まれ。看護師であり、僧侶。非営利一般社団法人「大慈学苑」創設者で代表を務める。夫の看取りをきっかけに、その死に様があまりに美しかったことから、開眼。高野山真言宗にて修行を積み、僧侶になる。現在、スピリチュアルケア活動を行う。著書に『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社刊)。
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