- ハルメク365トップ
- 暮らし
- 生きるヒント
- 愛情深く仕事も家庭も両立させた翻訳家・村岡花子さん
「ハルメク」でエッセイ講座を担当する随筆家・山本ふみこさんが、心に残った先輩女性を紹介する連載企画。今回は、翻訳家・児童文学者の「村岡花子」さん。まるで物語の主人公の方から「私を訳して」と村岡さんの元にやってくるような愛情あふれるひとです。
好きな先輩「村岡花子(むらおか・はなこ)」さん
1893-1968年 翻訳家・児童文学者
甲府生まれ。1913年、東洋英和女学校を卒業。英語教師を経て編集者に。19年に結婚。26年、最愛の長男が病死し、翌年に『王子と乞食』を翻訳出版。以後、外国の家庭文学の翻訳家として活躍した。
翻訳者の村岡花子のつくりあげた世界
子どものころから本が好きでした。父が読み聞かせてくれた本、自ら夢中になって読んだ児童書――ルパン(モーリス・ルブラン)や少年探偵団(江戸川乱歩の明智小五郎シリーズ)も含まれています――どの本も何度も何度も読みました。
中学に上がると、それまで両親の宛行扶持(あてがいぶち)だった本を、月々のこづかいから自分で買うようになります。
中学1年の夏休み、『赤毛のアン』を読んだときのことは忘れられません。
主人公のアン・シャーリーはたしかに魅力的な人物で、物語にすぐと引きこまれてゆきましたが、それだけではなかった……。個性的な文体につよく惹かれていたのです。
そしてこの文体はわたしの細胞に刻みこまれました。文章を書く仕事をするようになってから、自分が『赤毛のアン』の文体に影響を受けていることに気がつきました。
もちろんこの物語にはモンゴメリという原作者が存在するわけですが、文体に関しては翻訳者の村岡花子のつくりあげた世界です。
悲しみのなかでも女性と子どたちのために本を作りつづける
この大切な先輩がわたしのこころをとらえたのは、『可愛いエミリー』(モンゴメリ/このシリーズも大好きです!)を読んだ日のこと。翻訳者のあとがきに「1964年2月6日、東京、大森の夫亡き淋しい家で、村岡花子」という一文があったのです。
はっとしました。悲しみのなかにも仕事をつづけた村岡花子というひとに俄然興味が湧いたのでした。
調べてみると、子どもの時分から使命感にあふれた女性であったことがわかりました。
英語の本との出合い。ミッション・スクールでの日々。孤児院での日曜学校の活動。若き日の花子は気質も愛情深さも、好奇心の有り様(よう)も、アン・シャーリーと似ています。
大人になってからも関東大震災、長男の死、第二次世界大戦を乗り越えながら、花子は女性と子どもたちのための本づくり、翻訳の仕事をつづけました。家庭と仕事の両方を大切にする生き方を貫いたひとでもあります。
村岡花子が数々の名作と出合い、翻訳することになったのは決して偶然ではなかったのだと感じます。
アンもエミリーもパレアナも「わたしを訳して」と花子のもとにやってきたのではなかったでしょうか。
随筆家:山本ふみこ(やまもと・ふみこ)

1958(昭和33)年、北海道生まれ。出版社勤務を経て独立。ハルメク365では、ラジオエッセイのほか、動画「おしゃべりな本棚」、エッセイ講座の講師として活躍。
※この記事は雑誌「ハルメク」2018年8月号を再編集し、掲載しています。
>>「村岡花子」さんのエッセイ作成時の裏話を音声で聞くにはコチラから
「だから、好きな先輩」は、雑誌「ハルメク」で毎月好評連載中! 最新情報もあわせてチェックしてくださいね。
※ハルメク365では、雑誌「ハルメク」の電子版アーカイブを12か月分見ることができます。詳しくは電子版ハルメクのサイトをご確認ください。
-
仕事に関して(今異業種に挑戦中)
仕事に関して 今現在異業種に挑戦中です。 実は悩んでいて、経験のある介護職の夢を見たり、街を歩いていたりすると(交通機関に乗ったりしてる時も)高齢者に視線が行ったり、また、夢を見る内容も、昔の思い出(何年か勤めていた時の)が頭に残っている感があります。これまで、知人にも相談しましたが、介護職は教育とかもいい加減だし、経験あるのは、いいけど、上手くいかないんじゃない?と言われました。(そう言われると、確かにそうかもとか不安になってしまいます …。)でも、やるのは、決めるのは自分自身だと思うので、思い切って進めようと密かに考えてます。今の異業種の会社もそこまで悪い会社ではありませんが、先輩社員達の愚痴ではありませんが、聞いていていい気持ちにはなりません。あと給与に関しても、案外低く(先輩達も凄く愚痴はその事が大半)幸先不安です。ただ上司やリーダーさん達は悪い人ではなく、関係もまずまずかなってとこです。自分としては、自分の人生、やっておけば良かったと後悔、未練は残したくはありません。なので、この度、思い切ってご相談しました。ある意味、人生の分岐点だと思うので、ズバッとどうしたいか決めたいです。アドバイス何卒宜しくお願い申し上げます。 ※OKWAVEより補足:「ハルメク365( 生きるヒント)」についての質問です。
回答受付中2023.11.24 -
タナトフォビアについて
10代の頃よりタナトフォビアで悩んでおります。 いくつもの病院に行くも、パニック障害だとしか診断されず、最近ようやく違う病名の統合失調感情障害と診断されましたが統合失調症の症状が全くないためやはりタナトフォビアではないかと思っております。 自分が死んだらどうなるんだろう。 死んだ後の意識はどうなるんだろう 永遠に世界は続くのか 宇宙が壊れたらどうなるとか 考え出すとパニックにはなってしまいます。 同じ症状の方や似た症状をもっている、いた方でどのようにして症状を緩和したのかご教示願います。 よろしくお願い致します。 ※OKWAVEより補足:「ハルメク365( 生きるヒント)」についての質問です。
締切済み2023.09.26 -
近くに友達がいません
20年来の友人がご主人の介護に疲れているので 私との友達付き合いをやめると言われました。 その人以外の人とは近くで親しくしてる人はいません。ご近所さんとは立ち話をする程度のお付き合いはあります。 一緒にランチに行ったり、他愛もない事を話したりする友達がいないのです。 還暦を迎えて胸がもやもやしています。学生時代からの親しくしてる人は辛うじて2人だけいます。 夫とは仲良く暮らしています。 経済的にも余裕があり、好きな事もできてます。 長男家族も同じ市内に住んでます。 これ以上何を望むのかと言われればそうだと思うのですが。 皆さん 友達付き合いどうしてますか ※OKWAVEより補足:「ハルメク365( 生きるヒント)」についての質問です。
締切済み ベストアンサー2023.09.03 -
職場の環境型セクハラについて
娘のバイト先の話ですが、聞いた話によると 職場でセクハラされているパートさんがいて 休憩所で二人きりの時に嫌がるパートの方の胸を鷲掴みにしたり、背後から抱きつき胸を触るのを見たと相談を受けました。娘本人も肩を触られて気持ちが悪いと話してきました。まだ娘は高校生の為、そのオーナーに対しやめてほしいと言えませんでした。 現在はこれが原因で退職しましたが、精神的に 参っており、次の仕事も探せない状況です。 私は保護者として近々このオーナーと話し合いに 行き、正式な慰謝料請求を考えております。 こちらの証拠としてこのパートさんに対する最初に述べましたセクハラ行為の監視カメラの映像があります。ただ娘を触った証拠がありません。 この場合でも慰謝料請求は可能でしょうか。 ご回答よろしくお願い致します、、 ※OKWAVEより補足:「ハルメク365( 生きるヒント)」についての質問です。
締切済み2023.06.18
-
ハルトモの腸活のお供は?
人生100年時代をアクティブに楽しむハルメク世代の3人。気になる腸内環境の改善に選んだ「心強い味方」とは? -
50代からの車選びはコレ
運転席や助手席のシートが回転し乗り降りしやすい車をご紹介。自宅にいながらオンライン見学ができ忙しいハルメク世代にお勧め! -
送るだけのシンプル供養
樹木葬や海洋葬など多彩な供養の中で、今注目なのが「送骨」。檀家じゃなくてもお墓がなくてもできる、新しい供養の形とは? -
50代の「帯状疱疹」体験
50歳以上で発症率が上がる「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」。ハルメク世代の体験談を、感染症の専門家がわかりやすく解説! -
贈り物に!ステキな祝い酒
人類最古のお酒をご存知ですか?記念日のお祝いにオススメな「縁起のいいお酒」とは… -
老け見え原因…セルフ診断
50代以降増える「まぶたのたるみ」…こんな症状があれば危険信号!眼瞼下垂の悪化を防ぐ正しいセルフケアは?