炊飯、スープ、蒸しパン…温かい食事が食べられる

災害時に!ポリ袋調理法「パッククッキング」のレシピ

公開日:2021/10/14

更新日:2021/10/15

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災害時の備えをしていますか? 非常食というと乾物やお菓子、カップ麺と簡素なものになりがちですが、カセットコンロとポリ袋を使うことで、非常時でも温かい手作りの食事ができるんです。それをかなえる正しい備蓄方法、調理方法とレシピをお伝えします。

ポリ袋を使った防災レシピ

大災害時での食生活事情

大災害時での食生活事情

首都直下地震などの大規模災害が起きた場合、ライフライン機能を95%回復させるのにかかる日数の目安は、「電力は6日、通信は14日、ガスは60日、上下水道は 30 日」と想定されています。

道路等ががれきでふさがれ、数日程度は流通もストップすることに。こうした環境下で、東京都の場合は約8割程度の1000万人は自宅が倒壊・焼失せず自宅に留まって生活することになります(東京都防災ホームページより)。

ポリ袋調理法の「パッククッキング」を普及する活動に取り組んでいる、管理栄養士の木村浩子さんは「非常時こそ、食がすべて」と語ります。

「避難できても、2~3日でお腹がすいて何もできない状態になったり、栄養バランスが偏ると免疫力・体力ともに低下します。

東日本大震災のとき、ある避難所での配給は最初、乾パンと氷砂糖が2個ずつだったようです。また物資の供給が途絶え、買い出しに行っても長蛇の列。5時間並んで買えたのは菓子パンとカップ麺数個だった、という体験談も聞きました」

いざという時のために日頃から備蓄を心掛けると同時に、災害時にも、心と体に健康的なごはんが調理できるように「パッククッキング」のやり方を覚えておきましょう。

ポリ袋調理法「パッククッキング」とは?

ポリ袋調理法のパッククッキングでは一つの鍋に、複数の食材入りポリ袋を入れて一度に調理することもできる

ポリ袋調理法とも呼ばれる「パッククッキング」。耐熱性のポリ袋にカットした材料を入れ、調味料や水を入れて袋ごとボイルする調理方法です。

ポリ袋で密封した状態で加熱すると真空に近い状態になるため、少ない調味料でも素早く食材に味が染み込む上に、うま味を逃さないため栄養素の流出が防げるというメリットがあります。

また災害時では水道を使えない状態になりますが、パッククッキングなら洗い物が出ないため、貴重な水を節約することができます。袋のままだと食べづらいという場合は、ポリ袋に入れたままお皿に載せるといいでしょう。

一つの鍋に、複数の食材入りポリ袋を入れて一度に調理することもできるので、時短にもつながります。また非常時でなくても、炊飯器でご飯を炊くついでに、食材入りポリ袋を炊飯器に入れて一緒に加熱すれば、時短かつほったからかし調理で料理が完成します♪

今回は、「ご飯」「お粥」「オニオンスープ」「かぼちゃのポタージュスープ」「蒸しパン」「手羽元の甘辛煮」のレシピをご紹介します。

パッククッキングで用意するもの!湯煎できるポリ袋は?

  •  鍋とカセットコンロ ※電気が復旧したら電気ポットで代替可能

    ポリ袋調理法:パッククッキングで用意するもの

  • ポリ袋 ※木村さんのおすすめは「アイラップ」耐熱120℃以上、もしくは湯せん対応可能と記載された、高密度ポリエチレン製。厚さ0.01mm、無地でマチのないもの推奨。熱に溶けるビニール袋・タッパー・ジップロック等は絶対に使用しないでください
    湯煎できるポリ袋としておすすめのポリ袋
    木村さんおすすめのポリ袋は「アイラップ」
  • 水(鍋の3分の1程度、電気ポットの場合も容量の3分の1程度)
  • 各料理の材料

パッククッキングで上手に料理を作るためのコツ

パッククッキングでおいしく加熱調理するためにはいくつかコツがあります。

  • コツ1:空気をしっかり抜く

    ポリ袋調理法のコツ1

    食材を入れた袋からしっかりと空気を抜きます。材料を入れた袋を水に沈め、水圧を使って空気を抜く方法がおすすめです。
     
  • コツ2:袋に食材を入れすぎない
    1袋に入れる量は1~2人分が目安。袋がふくらむので、材料を入れ過ぎないように!
     
  • コツ3:袋の上の方で結ぶ
    空気を抜いたら、袋の入り口を結びます。後からふくらむので上の方で結ぶのがポイント。
    空気を抜いたポリ袋を、くるくるとねじって袋の上部を結びます
    空気を抜いたポリ袋を、くるくるとねじって袋の上部を結びます
    コツ4:食材を入れた袋の厚さは均一に
    熱が通りやすいよう、袋の厚さが均一になるように広げましょう
     
  • コツ5:鍋の底に皿・ざるを敷く

    コツ5:鍋の底に皿・ざるを敷く

    鍋の底に皿やざるを敷いて、ポリ袋を破れにくくします
     
  • コツ6:沸騰したら弱火の加熱に

    コツ6:沸騰したら弱火の加熱に

    お湯が沸騰した後はコンロの火は弱火でOKです。複数のレシピを同時に調理する場合は、沸騰し続けられるように火加減を調整してください。

パッククッキングレシピ1:ご飯・お粥

パッククッキングレシピ1:ご飯・お粥

 ポリ袋でご飯を炊くことができます。ご飯が食べられるだけで、安心感が格段に上がります。

調理時間:40分

材料 (1人分)

   ・米……60g(お粥にするときは30g)
   ・水……100cc(お粥にするときは150cc)

作り方

1.    米は研がず、分量の水とともにポリ袋へ入れ、袋の口を結ぶ。
2.    お湯を沸かして、材料を入れたポリ袋を投入。40分間加熱する(電気ポットの場合は、98℃のお湯を沸かしてから、材料を入れたポリ袋をポットに投入して40分加熱)
3.    袋を鍋から取り出し、完成。

パッククッキングレシピ2:オニオンスープ

パッククッキングレシピ2:オニオンスープ

無水調理なので、じっくり加熱するほどスープとコクが出ておいしくなるレシピです。

材料 (1人分)

・玉ネギ……1個(約200g)
・コンソメ……1/2個  

作り方

1.玉ネギは薄皮をむき、ヘタと根を切り落とす。
2.ポリ袋に玉ネギとコンソメを入れて袋の口を結ぶ。
3.沸騰した鍋に入れて60分程度加熱(※98℃の電気ポットでも可)したら完成。

パッククッキングレシピ3:かぼちゃのポタージュスープ

パッククッキングレシピ3:かぼちゃのポタージュスープ

火が通りやすく、袋のまま調理できるパッククッキングだからこそ作りやすいレシピです。

材料 (1人分)

・かぼちゃ……50g
・牛乳または豆乳……100cc
・コンソメ……1/4個
・ドライパセリ(あれば)……少々 

作り方

1.    かぼちゃは種を取り、加熱しやすいように薄めに切る。
2.    ポリ袋にかぼちゃ、牛乳、コンソメを入れて袋の口を結ぶ。
3.    沸騰した鍋に入れて30分間加熱する。
4.    袋ごと取り出したら、ふきんでよくもんでつぶす。
5.    ドライパセリを散らして完成。

パッククッキングレシピ4:蒸しパン

パッククッキングレシピ4:蒸しパン

ホットケーキミックスを使えばお菓子を作ることもできますよ。

材料 (1人分)

・ホットケーキミックス……100g
・バター……8g
・卵……1個
・豆乳(もしくは牛乳)……100cc

作り方

1.    ポリ袋に、バターを入れて溶かす。
2.    卵と豆乳を加えシェイクしてから、ホットケーキミックスを加える。レーズンなどを加えてもいい。
3.    混ざったら、袋の口を結び、沸騰した鍋に入れる。途中20分で上下を返し、さらに20分加熱後に取り出し、熱いうちに切り分けます。 
 

パッククッキングレシピ5:手羽元の甘辛煮

パッククッキングレシピ5:手羽元の甘辛煮

肉にしっかりと味が染み込み、おいしくいただけます。手羽元でなくても、冷蔵庫や冷凍庫にある肉でアレンジして作ってもいいでしょう。

材料 (1~2人分)

・鶏手羽元……2~3本(80g)
・醤油……大さじ1
・みりん……大さじ1
・生姜スライス……1枚

作り方

1.ポリ袋に材料をすべて入れて、袋の口を結ぶ。
2.沸騰した鍋にポリ袋を入れて30分程度加熱する

被災したら、冷蔵庫の食材をうまく使い切ろう

被災したら、冷蔵庫の食材をうまく使い切ろう

レシピを紹介しましたが、被災した際にレシピの材料が冷蔵庫にあるとは限りません。冷蔵庫のストックをうまくアレンジして作りましょう。木村さんは「被災時は、冷蔵庫の食材を100%使い切ることが大事」と語ります。

停電後の冷蔵庫内の食品の消費目安は以下です。

  • 冷蔵庫の食品は、夏場1日、冬場3日
  • 冷凍庫の食品は、夏場2日、冬場5日
     

「停電後は、冷蔵庫に入っている食品の保存期間を確認。保冷を優先すべき食材は、冷蔵庫から冷凍庫へ移すようにしましょう。肉・魚はカセットコンロを使ってボイルや炒める等の処理をしておくと安心です。

いくらお腹がすいても、変色や臭いがおかしいときは食べてはいけません。普段は大丈夫でも、非常時は体が弱っているので体調が悪くなる可能性があります。冷凍庫内に、保冷材をストックしておくことも大切です」(木村さん)

非常時は、食生活だけでも豊かにできれば安心感が格段に上がること間違いなし。災害への備えを見直してみませんか?

教えてくれた人

木村浩子さん きむら・ひろこ 管理栄養士。一般社団法人介護予防いきいきわくわく推進協議会理事。大阪市内で介護予防教室を展開。教室講座内の栄養プログラムを担当。楽しくわかりやすいと、受講者に人気。防災パッククッキングの普及に取り組んでいる。パッククッキングに関する問い合わせは、hiroko.k.wakuwaku@gmail.comまで。

■もっと知りたい■


パッククッキングのやり方を動画で見よう!

ハルメクWEB編集部

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