のこされた人たちの手続きは想像以上に大変!

自分が死んだ後の流れを、手続き一覧で確認しよう

公開日:2021/09/13

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あなたの死後、のこされた人は想像以上にたくさんの手続きをしなくてはなりません。しかも期限が決められているものもあります。のこされた人が困らないよう、死後手続き一覧で流れを把握し、終活として事前に準備しておきましょう。

自分が死んだ後の流れを、手続き一覧で確認しよう

自分が死んだ後、のこされた人はどんな手続きを行うの?

自分が死んだ後、のこされた人はどんな手続きを行うの?

死後に行う手続きには、大きく分けると財産に関する「相続手続き」と、役所の手続きや遺品整理など「死後の事務に関する手続き」があります。その手続きを行うのは、当然のことながら家族や友人など、のこされた人。どんなに「迷惑をかけたくない」と思っても、あなた自身がすることはできません。

しかし、元気なうちに死んだ後の手続き一覧を作って全体の流れを把握し、必要な書類や情報をまとめておけば、のこされた人の手間を省くことができ、手続きをスムーズに進められるでしょう。

のこされた人が、あなたが死んだ後に行う手続きは、どのような流れなのでしょうか。

【図表1:死亡直後から行うこと】概ね14日以内に行う手続きを時系列で一覧にしたものです
【図表1:死亡直後から行うこと】概ね14日以内に行う手続きを時系列で一覧にしたものです

まずあなたが亡くなると、のこされた人は(1)医師が作成した死亡診断書を受け取ります。事故死や突然死など医師が診療していない場合には死体検案書が発行されます。そして、(2)葬儀社に連絡して、遺体の搬送をしてもらったのち、葬儀内容の打ち合わせをします。

(3)死亡後7日以内には、役所へ死亡届の提出と火葬許可証の申請・受け取りをしますが、これらは葬儀社が代行してくれる場合が大半です。葬儀を行い、火葬が終了したら火葬執行済の印が押された埋葬許可書を受け取ります(納骨箱に収められています)。埋葬方法・お墓が決まっている場合は納骨を行います。

その後、(4)14日以内に役所で健康保険証や介護保険証の返却年金、事務所や年金相談センターで未支給年金の手続きをします。あえて世帯主を指定したい場合は、(5)世帯主変更届の提出を行います。夫婦二人暮らし世帯でどちらかが亡くなられた場合や、一人暮らし世帯の方が亡くなられた場合は不要です。

わずか2週間の間だけでも、のこされた人は、これほど多くのことをしなければなりません。

のこされた人の手続きを楽にするためにできることは?

のこされた人の手続きを楽にするためにできることは?

例えば、生前にどんな葬儀にしたいか、訃報を誰に連絡するか、遺影の写真はどれを使ってほしいかなど希望を残しておけば、のこされた人の負担は軽くなるでしょう。

また、健康保険証や年金証書など社会保険関係の書類がどこにしまってあるかを伝えておけば、手続きもスムーズです。

なお、おひとりさまなど頼る親族がいない場合や、のこされた人の負担を減らしたい場合には、信頼できる人や専門家などと「死後事務委任契約」を結んでおけば、これらの手続きを行ってもらえます。

相続を“争続”にしないためには生前の準備が大切

相続を“争続”にしないためには生前の準備が大切

次に、「相続手続き」についてです。

あなたが亡くなると、あなたの財産や権利、義務が相続人に引き継がれます。相続が発生したときに、のこされた人がやらなければならない手続きや届け出は数多くあるのです。

しかも、相続税がかかる場合は、相続開始を知った日(通常はあなたが亡くなった日)の翌日から10か月以内に、相続税の申告、納付までを済ませなければなりません。

相続トラブルはお金持ちの家だけの話、というわけではありません。財産の額にかかわらず生前に遺産の分割方法を伝えていなかったり遺言書の作成をしていなかったりしたために、あなたの死後にのこされた家族が遺産を巡って争う“争族”が起きるかもしれません。

誰もが亡くなる直前まで元気でいられるとは限りません。病気などで自由に動けなくなったり、認知症を発症するなどの理由で、自分では意思決定や手続きができなくなる可能性もあるでしょう。後々のトラブルを避けるため、元気なうちにしっかり対策をしておきたいものです。

図表2は、相続で行う手続きを時系列で一覧にしたものです。

【図表2:相続の手続き】
【図表2:相続の手続き】

のこされた人は、あなたが亡くなり相続が発生すると、遺言書の有無の確認や相続人の確定、相続財産のリストアップなどの作業に追われます。

そして、遺言書がない場合は相続人全員で遺産の分け方を決め、遺産分割協議書を作成したのち、金融機関などで手続きを行います。納税がある場合は、納税資金を準備した上で、10か月以内に相続税の申告と納付を行います。なお、特例を利用することで相続税がかからない場合も申告が必要です。
 

のこされた人の手続きを楽にするためにできることは?

のこされた人の手続きを楽にするためにできることは?

限られた期間内に多くの手続きが必要な相続手続きは、のこされた人の負担が大きい、大変な作業です。

あなたが生前にやっておける一番大切なことは、取引のある金融機関や固定資産税納税通知書・住民税納付書など役所からの通知、保険証券、契約書など必要書類をまとめておくことです。また、相続手続きがスムーズに進まないと予測できる場合には、遺言書の作成をしておくことも必要です。

あなたの死後、もらえたり戻ってくるお金がある

あなたの死後、もらえたり戻ってくるお金がある

死後に行う大まかな手続きは以上の二つですが、もう一つ覚えておきたいことがあります。それは、あなたが死んだ後で、のこされた人が申請すると、もらえるお金や戻ってくるお金があるということです。その主なものは、図表3の通りです。

【図表3:手続きするともらえるお金・戻ってくるお金】
【図表3:手続きするともらえるお金・戻ってくるお金】

国民健康保険に加入している人が亡くなった場合、葬儀を行った喪主が申請すると「葬祭費」を受け取れます。また、「高額療養費」や「高額介護サービス費」が発生していた場合には、役所から届くこれらの申請書を世帯主が返信することでその費用を受け取ることができます。

また年金受給者が亡くなった場合は、亡くなった月末までの年金を「未支給年金」として請求できます。また、その人によって生計を維持されていた配偶者や子どもなどは、「遺族年金」を受け取ることができます。

亡くなった人が生命保険の被保険者だった場合は、保険金受取人が保険会社に連絡することで「死亡保険金」を受け取れます。医療保険などに加入していた場合には、相続人が「入院給付金」や「通院給付金」を受け取れます。

ここで覚えておきたいのが、保険金や給付金は、申請や連絡をしないと基本的にもらえないということです。

のこされた人の手続きを楽にするためにできることは?

のこされた人がスムーズに手続きできるよう、あなた自身が元気なうちに、誰がどんなお金を受け取れるのか、受け取るにはどのような手続きや書類が必要なのかを調べて準備し、伝えておくようにしましょう。


記事監修:明石久美さん
あかし・ひさみ 明石シニアコンサルティング代表、明石行政書士事務所代表、相続・終活コンサルタント、セミナー講師、行政書士、CFP。身内が葬祭業で自身が相続を行った経験から、葬儀やお墓を含めた生前対策や死後の手続きに詳しい。著書に『死ぬ前にやっておきたい手続きのすべて』『はじめての相続+遺品整理』(水王舎刊)など。

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■記事協力:三井住友信託銀行

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