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- 玉置妙憂さんに聞く いい病院・いい医師とは?
人生100年時代、いい医療にかかりたい。看護師と僧侶の二つの肩書をもつ玉置妙憂(たまおきみょうゆう)さんのもとには、「いい病院」や「いい医師」を求める声が多く寄せられるそうです。自己を指針とする、お釈迦様が残した「自灯明」と「法灯明」とは。
玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)
東京都生まれ。看護師であり、僧侶。「一般社団法人介護デザインラボ」代表。夫の看取りをきっかけに、その死に様があまりに美しかったことから、開眼。高野山真言宗にて修行を積み、僧侶になる。講演会やシンポジウムなど幅広く活動。著書に『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社刊)他。
いい病院?「いい」のものさしは人それぞれ
人生は判断の連続です。「夕飯の献立をどうするか」なんていうささいなものから、「どの家を買うか」なんていう大きなお金が動くものまで。これまでみなさんもさまざまな場面で判断を下してきたことと思います。中でも、命や健康に関わる判断となると、きっと多くの人が悩み、迷うことでしょう。
私が患者さんからよく受けるのが、「いい病院を教えてください」「いいお医者さんを知りませんか?」という相談です。でもこの質問は毎回答えに窮してしまいます。「いい」のものさしは人それぞれで、私の価値観ではお話しできないからです。
週刊誌などで紹介される「いい病院」のランキング企画は人気なのだそうですが、ああいった情報は大抵、手術数の実績を基準にランキングされています。「実績が多い病院=いい病院」と思う人には参考になる情報でしょうが、入院したときにきちんとケアしてくれる看護スタッフがいることを望む人、家から通いやすいことを条件にしたい人には、このランキングはあまり参考にならないと思います。
要は、あなた自身が医療機関や医療者に何を望み、よしとするか。結局「いい」の判断はそれ次第なのです。ですから、「いい医療」と巡り合いたいなら、自分が求めるものが何かを整理することが大事です。
元気なうちに自分の意思と向き合う
治療法の選択については、判断が難しい時代になってきています。医療が進歩し、一つの山に登山ルートがいくつもあるのと同様に、治療法も一つとは限らなくなっているからです。
「インフォームドチョイス」という言葉をご存じですか。医師が、選択可能な治療法とそれらのメリット・デメリットをそれぞれ患者側に説明し、患者自身の責任で選択してもらうという方法です。あくまで医師は説明をするのみで「こっちがおすすめですよ」なんていうところまで口を出しません。医療現場では、このインフォームドチョイスが一般的になってきています。がんの場合なら宣告を受け、約1か月の間に治療法を患者が自ら選択し、決定しなくてはいけないわけですから、これは患者にとって大変厳しい話です。
では、どうしたら命に関わるような大事な判断を、自分らしく下していけるようになるのでしょう。...
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