桜蘂(さくらしべ)降ると言う季語を知る
2022.04.222022年03月11日
私の昔の俳句です(第三弾)
啓蟄という季語をご存じですか?
春の季語、啓蟄(けいちつ)。私は句会で聴いたことがあったくらいで印象の薄い季語でした。そんな啓蟄が印象に残った出来事です。
【穏やかに 啓蟄知らす 温かさ】
この句は、2017(平成29)年三月に詠んだ句です。啓蟄(けいちつ)とは、土中に冬眠していた虫が春暖の頃、穴を出て来ることだそうです。まさに春らしいですね。
春のお彼岸のお墓参りに
親戚の叔父さん(爺)とそのお孫さんと私の三人で、祖先のお墓がある三重県は伊賀上野市まで行きました。道中は車内でお孫さんが合唱祭で歌う「米米CLUB」のアルバムを聴きながら、目的地に向かいます。
現地に着き、まずはお墓参りと、車を降りてお墓の所まで行きます。これがとても大変、山の頂上にあるお墓を目指して、えっちらおっちら三人で軽い山登りです。「しんどいなぁ~」と言いながら歩を進めます。ご先祖様のお宅に挨拶し、お米をたくさん頂き失礼致します。
お孫さんの一言
お米を頂いた帰り道、畑の道をトボトボ進んでいますと、畑の側から何やらモゾモゾ虫が出て来るところをお孫さんが発見し『あっ啓蟄!!』と叫んだのです。
私は「えっ!」と驚いて「啓蟄って知ってるの?」と尋ねますと、お孫さん「爺に教えてもらったよ!」とかわいい笑顔で答えます。親戚の叔父さん(爺)とは本当に仲良しなんだなぁと思いましたし、「啓蟄」の季語がいっぺんに頭の中に焼き付きました。
月日は流れ
親戚の叔父さんも2021年5月に他界し、お孫さんもとても寂しくなさっていますが、大学や車の免許を取りに行ったりと、どうにかがんばっているそうです。
叔父さんが亡くなったことを知らされてからは、お墓参りに行ったときに聴いていました「米米CLUB」の「浪漫飛行」がずーっと頭の中を駆け巡ります。お孫さんが歌ってくれた声、車窓の風景、どんどん思い出が押し寄せて来ます。
ここで一句
叔父さんは、私が嫁いでからもよく「近くまで来た」といってお茶を差し入れてくださった優しい叔父さんです。
~「啓蟄」を 教えた爺は 旅立って~ 合掌
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