年齢を重ねて得た財産で旅の楽しさがアップ!
2023.01.242019年09月06日
唐津ひとり旅その3
旅の終わりは新しいご縁の始まり
リアルタイムで手塚治虫を読み東映作品を見て育ち、累計鑑賞本数は1500本以上。「漫画・映画・アニメは私にとって酸素のようなもの」と語るK・やすなさんが溢れる漫画愛をつづります。唐津旅最終回。漫画のあるゲストハウスに訪れた意外な目的とは?
ひとり旅ごはん、何食べた?
唐津旅1回目「唐津ゲストハウス少女まんが館Sagaに行ってみた」
唐津旅2回目「お城、焼き物、グルメ、そして漫画…唐津って楽しい!」
腹が減ってはなんとやら…ひとりでもごはんは食べなければ動けません。年齢のせいか性格なのか、ひとりごはんは平気です。とは言え、自分の中でまだまだ敷居の高い場所はありますが。
まず唐津ゲストハウス少女まんが館(以下、女ま館←館長公認正式略称です)からご紹介します。
希望者のみ有料でいただけます。今回は300円也。
地元の食材をオール唐津焼の器で味わえます。久しぶりのたくさん炊かれたご飯が美味しかったです。おかわり自由です。最近、夫婦2人だと、お釜の底にへばりついてるようなご飯しか炊いてないですからね。
その他の食事は以下のイラストでご覧ください。なぜか食事中は写真撮ろうという気にならないので、記憶で描いていますので、あくまでもイメージです(笑)
雨ニモメゲズ! ひたすら歩く
三日間雨の唐津でしたが、よく歩きました。
焼き物コース、城下町コースなどとテーマを決めると、それぞれ半日くらいで回れますよ。
ただし、健脚向きかな。
前述のように、いろいろ食べていたのに、帰宅して体重測定したらやせていたという
嬉しい誤算が!
青木繫などのコレクションがあります。
明治時代の炭鉱王の大邸宅。屋敷内に能舞台がある豪勢な作り。
どこから撮っても、カメラ内に収まらない。
離れの主人用浴室の床下通風口までこの凝りよう! こういうの大好きです。
唐津城は令和初日に登城したので、思いがけず餅まきに遭遇しました。
参加したものの、「取れたかっっ!」と思った瞬間、お餅は私の手からバウンドして地面へ……。すかさず他の人がゲット。まあ私の運なんてこんなものです。
でもちょっと悔しかったので、「悪運が逃げたのだ」と自分をなだめてしまいました。
ゲストハウス「女ま館」で乾杯、令和カウントダウン
今回のもう一つの楽しみは、宿泊日が平成最後の日に当たるので、皆さんと乾杯することでした。
それにふさわしいのは、松本零士の漫画でおなじみ熊本の日本酒「美少年」、しかもハーロックが描かれている「零」バージョン! 無理やりですが、令和の令の字も入ってます。
このお酒を、居酒屋やってる知人のインスタグラムで見つけた時は大興奮!!! ネットで即買いし、夫の目にも触れさせず大事にしておりました(笑)
アニメ版「風の谷のナウシカ」のクシャナ殿下の台詞ではありませんが、「今飲まずして(本当は使わずしてですが…)いつ飲むのじゃ~」ということで、
はるばる唐津まで抱えてきたのです。
4月30日23時30分、リビングルームに集合し、宿泊者4人と館長さんとで
「3 、 2 、1、令和おめでとう!」
何がめでたいのかよくわかりませんが、これからの令和がよき日々であることを願って乾杯をしました。
唐津で読んだ本
時間がたっぷりあるので、今回は活字本も読みました。
時代別・国別に傑作・名作をほぼ網羅しており、よくもこれだけ読み込んだものと驚嘆します。
これを見て読みたくなった作品がたくさんありました。
それで、女ま館の蔵書から読んだのが次の作品です。
近くの温泉旅館でお風呂を使わせていただいた後(有料です)、ベッドに持ち込んで全11巻を一気読みして、至福の時を過ごしました。
このくらいの巻数って、読んだという実感もあるしちょうどいいですね。
1920年代、オリエント急行乗車中に16歳で未亡人になってしまった万里子。アールヌーボー様式が最盛期だった華やかなパリの女性から、インド人青年まで、さまざまな出会いを重ねて生き抜いていきます。
聡明で優しく芯の強い万里子はとても魅力的なヒロインです。よどみのないストーリー展開もさることながら、この時代の背景や調度品や小道具の精緻な描写にはため息がでます。このような部分を手抜きしない作家が大好きです。描く方は、資料探しとか大変なのでしょうが……。
話だけ追っていくと数秒で通り過ぎてしまうコマも、時にはゆっくり眺めてあげてくださいね。
最後はこちらです。やはり活字本です。
「花とゆめ」「LaLa」など白泉社の主要な少女マンガ誌を立ち上げ、編集長を歴任した著者による少女マンガの歩みです。「白泉社好き」におすすめ。懐かしい作品に出会えたり、作家のその後もわかる記載もあります。
旅の本当の目的。漫画好きための終活
楽しんだ唐津の旅でしたが、本当の目的は、自分の蔵書を寄贈させていただくことでした。
意外に思われるかもしれませんが、我が家で漫画好きは私だけなのです。子どもたちは普通に読みますが、特にこだわりはないようです。ですから、私があの世に行った後で処分に困ると思い、処分方法を探していました。
古書店に売ってもいいのですが、読み捨てにされるのも嫌なので、私がしっかりしているうちに、できれば寄贈したいと考えていました。寄贈といっても、大きな施設には私のコレクション程度のものはあるし、受け付けていない所も多いのです。
女ま館の場合は、2000冊以下の規模で受け入れ可能でした。
ホームページのHPリストを見ると、ジャンルが「歴史もの・時代もの」限定されていたので私の嗜好にも合いました。そこで、蔵書可能リストを作って女ま館に持参し「欲しい本差し上げますので、チェックして下さい!」ということに相成りました。
こうして、帰宅後約100冊の漫画が女ま館へ旅立ったのでした。
ここなら皆さんに楽しんでいただけるでしょう。
また読みたくなったらいつでも行けます。
女ま館は定期的にお茶会や飲み会を開催していて、実際に月末のお茶会にお邪魔してしまいました。参加者のおひとりから「私、これ読みたいと思っていたんです」と言われ、本当に嬉しかったです。
ここの他には、日本語学校に外国人の好きそうな「機動警察パトレイバー」「ヒカルの碁」など40冊ほど寄贈しました。
その後、漫画関連の展覧会や漫画資料館主催の講演会で、研究者やコレクターの方と知り合いになりました。私の残りのコレクションも受け入れていただくことになりました。ついでに、女ま館とハルメクWEBの宣伝も(笑)。
一本の新聞記事から始まった私の旅でしたが、漫画つながりの旅は、まだまだこれからです。実は、バケツリストの中にある「宿の常連さんになる」も叶ったことですしね。
次回予告
まだまだ暑いですね!こんな時に小難しい話は読みたくないですよね。次回はお気楽に、私の好きな(私にとっての)イケメンキャラについて書きます。
こっちのほうが暑苦しいかもしれませんが。「キャプテンハーロック」についてもう少し書きたかったので、こちらでたっぷりと書きますから覚悟してください。