とにもかくにもやってみた!四国八十八ヶ所お遍路旅
2024.05.042018年07月27日
フリー切符との組み合わせもあり
〔高速バス活用術〕宿+食事のお得なセットも
お仕着せの旅はしたくないけど、移動は公共交通機関で。そんな方におすすめしたいのが、高速バス+宿+現地発のツアーをセットにした旅。鉄道会社が発行しているお得なフリー切符の高速バス版が登場して、人気上昇中です。
高速バスと現地の路線バスがセットに
「高速バスも、ただ出発地と目的地を一往復するだけではなく、利用者の目的地での観光を想定した、われわれの用語で『企画乗車券』というものが最近増えてきました。JRなどの鉄道会社が発行しているお得なフリーきっぷに近いようなイメージです」と高速バスマーケティング研究所所長の成定竜一さんは、最近の高速バス旅のトレンドを紹介してくれました。
人気の企画乗車券の例として「駒ヶ岳千畳敷カールきっぷ」というものがあります。駒ヶ根への公共交通手段はバスしかないこともあり、往復の高速バスと、高速バスを下りたところからロープウェイまでの路線バス、さらにロープウェイの往復券がセットになっています。
ここは「こくまさの湯」という温泉が近いこともあって、人気になっているそうです。東京の新宿、立川発ほか、長野方面、関西方面、名古屋方面など各地から出ていています。
他にも、上高地、白川郷、立山黒部を回るコースや、別府・由布院などにも便利な企画乗車券が発行されています。
「こういった高速バスで現地についてからの観光を想定した現地の路線バスのフリー券が付いたものは、自分のペースで観光したいという人にはぴったりではないでしょうか」(成定さん)
熊本の『ロバの旅』はバス+宿+ランチでおすすめ
「初めて方には少しハードルが高いかもしれませんが、高速バスで目的地に着いてから、“着地型ツアー”とよばれる現地で主催されている観光ツアーと組み合わせる旅もおすすめです。着地型ツアーというのは、東京でいうと、いわゆる『はとバス』のようなツアーと説明するとわかりやすいかもしれません」と成定さん。
この着地型ツアーを実施しているのは、熊本、十勝、福島、岩手など、まだまだ一部の地域だそうです。
なかでも、成定さんが「今、一番充実しているエリア」というのは熊本です。
「九州産交というバス会社が、『ロバの旅』(路線バスの略だそうです)というブランド名で、熊本空港発着または熊本駅発着で、そこから観光地までの高速バスや観光地をめぐる路線バス+宿+ランチを組み込んだツアーを催行しています。自分で、バスの乗り換えはしなくてはいけませんが、時刻も全部組んであり、時刻表を参考にしながら旅行をすれば、ある程度は自分の裁量でおすすめコースが回れるというわけです」
例えば熊本空港に着いてから、世界遺産の天草半島などへは、なかなか個人で行くのは大変です。かといって、東京から天草のパッケージツアーが毎日あるかといえば、そうではありません。成定さんはこんな方法はいかがかといいます。
「熊本までの飛行機は自分で手配し、現地はこのバスを使った着地型ツアーというのもおすすめです。特に着地型ツアーは地元の詳しいガイドさんがついてくれたりする場合もあります」
また、現地での観光は、観光タクシーがセットになった商品も最近増えてきました。「香川のうどんタクシーは、観光案内が上手な運転手さんが、個性あふれる面白い案内をしてくれるので有名です。
高速バス+無料送迎バスで格安の旅プランを
現地に着いてから各地を周遊したい旅の場合は、着地型ツアーを利用するのが便利ですが、高速バスを使って、着いた場所を拠点にしてさらに旅を組み立てることもできます。
「首都圏の各地から高速バスの目的地となっている御殿場のアウトレットは、じつは結構拠点性がある場所。御殿場周辺の観光地ともバスで結ばれているので、御殿場のアウトレットをまず出発地からの目的地にし、さらにそこから箱根や富士五湖を一往復して、また御殿場に戻るという旅もおすすめです」(成定さん)
御殿場にある温泉や宿泊施設つきのアミューズメント施設「時之栖」は、御殿場のアウトレットや、御殿場インターから無料送迎バスがある日帰りでも楽しめる観光スポット。御殿場アウトレットや御殿場インターまでは、新宿駅や東京駅から30分に1本の割合で高速バスが運行しているので、高速バスと無料送迎バスを利用すると、日帰りで御殿場エリアのお得な旅行が簡単にできます。
まとめ
現地の路線バスを使って、富士五湖方面や箱根方面に移動すれば、手軽な1泊旅行の足に便利ですし、鉄道の便があまりよくない観光地に、高速バスが直行しているケースも少なくありません。単に出発地と目的地を往復するだけではなく、現地観光の移動の足として地元のバスを組み合わせることで、よりいっそう中身の濃い旅ができます。
・木曽駒ヶ岳の千畳敷カールのロープウェイ
https://www.chuo-alps.com/access/
・駒ヶ岳千畳敷カールきっぷ
https://www.highwaybus.com/gp/info/campaignInfo?otokuFlg=1#coupon02
・こくまさの湯
http://www.komakusanoyu.com/access.htm
・ロバの旅
https://www.kyusanko.co.jp/ryoko/
・十勝は「日帰り路線バスパック」
http://www.tokachibus.jp/buspack2018/
・福島「福島バス物語」
https://busmonogatari.com/
・岩手「路線バスの旅」
http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/special2013/
・香川県のうどんタクシー
https://www.udon-taxi.com/
・時之栖
http://www.tokinosumika.com/
監修:成定 竜一
「高速バスマーティング研究所」代表。国交省「バス事業のあり方検討会」委員などを歴任。新聞、テレビなどでコメント多数。バス業界の規制緩和に尽力。TV出演、講演多数。