持ち家か賃貸かを選ぶ分かれ目
住まいのダウンサイジング【後編】広い持ち家を手放して見えた暮らしの変化
住まいのダウンサイジング【後編】広い持ち家を手放して見えた暮らしの変化
公開日:2026年03月29日
「人生最大の断捨離」に直面した引っ越し

人生最大の買い物だったマンションを売却するにあたり、てこずったのは人生最大の断捨離です。脊柱管狭窄症を患った独身の高齢女性には、段ボール箱を持ち上げることさえ無理。
費用はかさみますが、家財道具の廃棄を丸投げできる業者を探し、お皿1枚に至るまで梱包を頼める大手運送業者のおまかせパックを契約しました。

お客様用に揃えていた食器たちはそのまま放置。ウォークインクローゼットの衣類は片端からゴミ袋に詰め込んで、膨大にあった書籍は本当に必要な数冊だけを残し、これからはネットで読むことにシフト。
価値を考えていたら決断がにぶるので、手を止める暇はありませんでした。

引っ越し前日の午前中からスタッフ3名が梱包作業に来てくれましたが、終わったのは夜8時過ぎで、段ボール箱が山のように積み上がっています。
翌朝はさらに多くのスタッフがメゾネットの階段で四苦八苦しながら家具を下ろし、大型トラックに何とか積み込んで出発。後に残った私は忘れ物がないか確認し、これで二度と来ることのない終の棲家の鍵を閉めました。
荷物が入りきらない!やっぱり起きたアクシデント
そして悪い予感は当たった……。転居先である小田原のマンションには荷物が入りきらず、段ボール箱を天井まで積み上げて引っ越しが終了。
かろうじてベッドで寝ることはできましたが、翌日から一つ一つ箱を開けて、中身をゴミ袋に詰めていく作業が始まったのです。

「これは取っておこう」と思ったブランド服もメルカリで売る気力さえなく、とにかく生活スペースを作ることを優先に、1か月かけて断捨離を続けました。
足場もないほど積み上がった不用品は、逗子でお願いした廃棄業者が無償で引き取りにきてくれたことだけが不幸中の幸いでしょうか。何も置かれていない廊下が現れたときの喜びは今も忘れません。
賃貸に2年間暮らして得たメリットは?

季節は二巡し、マンションはもうすぐ契約更新の時期。不思議なことに断捨離したものに後悔はなく、ことわざの「起きて半畳寝て一畳」がどんなに快適か、身をもって知りました。

ウォーキングがてら2km先の100円ショップまで出かけても、何も買わずに帰ってくることがほとんどで、「家にある〇〇で代用できる」とアイデアが浮かんでくるのです。100円がもったいないのでなく、暮らしを工夫するライフハックに価値がある。
引っ越してきたとき、無印良品やニトリで見つけた狭小スペースを生かせるツールが役に立って、ダウンサイジングした住まいのほうが昔よりも機能的です。

桜が咲き、富士山が見える河川敷が散歩コースの賃貸マンション。何歳まで住めるかはわかりませんが、いつか高齢者施設に入居する日まで、浮いたお金で財テクに励むプランも新しい生き方に加わりました。




