青春18きっぷで観光列車(前編)
青春18きっぷで観光列車!小海線で長野への旅
青春18きっぷで観光列車!小海線で長野への旅
公開日:2018年12月15日
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、食べて食べて、また食べる鉄道旅の楽しさをご紹介します。今回は青春18きっぷで観光列車に乗り、長野へ。青春18きっぷだからといって無理はせず、絶景、観光地、グルメを満喫します。
誰でも買える、青春18きっぷの使い方
「青春18きっぷ」を知っていますか?
ご存じない方は「青春」という文字と、「18」という数字から、てっきり18歳までしか使えないきっぷだろう、と想像するのではと思います。10年前までの私もそうでした。
実はこのきっぷ、年齢にかかわらず、誰でも利用することができます。日本全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席と、BRTやJR西日本宮島フェリーに乗り降り自由なきっぷです。春・夏・冬にそれぞれ期間限定で発売されます。
5回分あるので、5日間連続の1人旅や、5人で日帰り旅行など、使い方も自由。1日に使う乗車券代が2370円以上であれば元が取れる、というわけです。
ただし、新幹線や特急には乗れません。そうなると、特別な列車には一切乗れないのでは……と思われるかもしれませんが、実は指定券を買えば、18きっぷで利用できる観光列車が意外とあるのです。今回は夏に18きっぷを使って、長野まで観光列車旅をしてみました。
小淵沢駅から観光列車に乗り換え。駅弁の購入を忘れずに
まずは東京・新宿駅からスタート。中央本線で山梨県の小淵沢駅まで行き、そこからまず1つ目の観光列車、小海線を走る2両編成の「HIGH RAIL1375」(ハイレール1375)に乗車します。
その前に、駅弁を買うのを忘れずに。夏の間は小淵沢駅の小海線ホームでも売っていますが、駅改札口を出た1階に駅弁売り場があります。18きっぷなら、改札を何度出入りしてもOKです。
列車は小淵沢駅を出発すると、右へ大きくカーブします。ここの景色を見逃さないように、乗車したらしばらくは景色に集中してください。最初の頃、私はすぐお弁当を広げて気づいていませんでした......。
左手に、南アルプスの山々が大きく見えます。空気が澄んでいれば右側に富士山が見えることも。小海線は「八ヶ岳高原線」という愛称がつくほど景色が素晴らしいので、ぜひ車窓を楽しみながら駅弁やお酒を味わってください。
私が一番好きなのは「高原野菜とカツの弁当」。なんと生野菜が入った駅弁です。
今回は特別な掛け紙になっていましたが、いつもは青い空と緑の山のパッケージ。まさに八ヶ岳高原線の風景です。最近、カツのみ単独で関東近辺の駅で販売されているので、見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
生野菜が入っている駅弁は、全国でも希少。初めて食べた時は、野菜の新鮮さとおいしさに感動しました。野菜も地元のものが使われています。
車内では特にイベントはありませんが、記念ボードで写真を撮ることができます。他、記念乗車券やスタンプ、車内販売などもあります。
ただし、冬は「HIGH RAIL 1375」の運行本数が少ないので、もしタイミングが合わなければ、普通列車で同様の旅をすることができます。
長野といえば、そば、善光寺、七味唐からし!
終点の小諸駅に到着しました。ここから長野まで列車1本で行けますが、途中の篠ノ井駅まではJRではなく、しなの鉄道。別料金がかかりますので、ご注意ください。
小諸駅から1時間ちょいで長野駅に到着。新しくなった長野駅は初めてで、その迫力にしばし見とれました。
予約した駅前のホテルに荷物を預け、善光寺へ。
善光寺まではほぼ1本道。30分ほどで歩いても行けますが、バスの本数も多いので、迷わずバスを選びます。
善光寺の少し手前でバスを降り、通り沿いに数あるおそばやさんの中からこちら、大善に来ました。注文した十割そばは少し平たい麺。もっちりとした食感で、これが十割?と驚きました。暑い日だったので、ツルツルと冷たい喉越しに助けられます。おそばやさんは15時くらいで閉店してしまうところも多いので、前もって調べておいた方が無難です。
仲見世通りを進み、仁王門、立派な山門(三門)をくぐると真正面に善光寺本堂が見えてきます。本堂内陣、経蔵、山門は拝観料がかかりますが、共通券を買うとお得です。
本堂内陣は写真撮影禁止。そして「お戒壇めぐり」という真っ暗な回廊を通る場所があります。それが思った以上に暗闇で、すっかり怖くなってしまい、中程にある「触れると極楽浄土に行けるという錠前」を触れずに素通りしました……また改めて行こうと思います。
経蔵内には八角の輪蔵があり、仏教経典を網羅した「一切経」が中に収められています。輪蔵の腕木を押して一周回すと、一切経を全て読んだことと同じ功徳が得られると言われているそうです。もちろん私も回しました。
そして山門楼上へ。文殊菩薩像ほか、仏間の障壁画などもみられます。2階は2017年夏から回廊を一周できるようになったそうで、なかなかの眺めでした。
お守りは昔ながらのタイプのものから、ポップなデザインのものまで様々。ドット柄が好きなので、右側は自分用に、左側は母親に送りました。
ちなみに山門楼上にかかる「善光寺」という文字の中に、5羽の鳩の姿が見えることから「鳩字の額」と呼ばれているそう。この袋に書かれた同じ書体を見ると、確かにそう見えますね。
ひととおり善光寺の境内をめぐり終えて、すっかり喉が渇きました。
善光寺仲見世通りを出てすぐに、七味唐からしでおなじみの、八幡屋礒五郎のお店があります。こちらで販売されているスパイス・ジェラードは麻種、万願寺、紫蘇、などあまり見ない種類がずらり。万願寺は唐辛子なのですが、辛くない!麻種には山椒が合うとのことで、かけて食べてみると、ナッツのような香ばしさに山椒がピリリ。不思議なバランスが後を引きました。
ノーマルな缶入り七味唐からしは赤が基調の善光寺の絵柄ですが、こちらでは毎年イヤーモデル缶の七味唐からしも出しています。2018年は新型特急あずさ缶でした!お土産にもぴったりです。ちなみに2012年と2015年も鉄道絵柄でした。もちろん全部コレクションしています。
2本目の観光列車に。スイッチバックと夜景は見ものです
長野駅まで戻り、今度は「快速ナイトビュー姨捨(おばすて)」に乗車します。こちらも指定券を取れば18きっぷで乗れる観光列車です。スイッチバックをしながら向かうのは、日本三大車窓の一つと呼ばれる姨捨駅からの景色。先ほど昼間の善光寺平を望みましたが、今度は夜景です。
こちらの景色を見に来るのは4回目だったと思います。昼間も訪れたことがありますが、やはり夜景の方が好きです。写真だとなかなか良さが伝わらないので、ぜひ現地に行ってみてください。
姨捨駅には豪華寝台列車・四季島専用の夜景バーラウンジがあります。ここもコースの一つになっていて、ラウンジでお酒を飲みながらしばし夜景を堪能するそうです。私は無料サービスの温かいお味噌汁をいただきながら、しばし夜景を眺めました。
姨捨駅に1時間ほど滞在した後、再び同じ列車で長野駅に戻ります。冬季(10月~4月)はナイトビュー姨捨は運行していないので、普通列車で向かうことになります。かなり寒いので、暖かくして行きましょう。
実は乗車前に予約した駅弁を長野駅で受け取りましたが、食べるタイミングを逃してしまいました。「善光寺浪漫ビール」という地ビールを買って、ホテルで夕食にします。こちらの信州美彩膳は、見た目も豪華な2段重。開けると華やかな色合いが目に飛び込んできます。5色の串も全て違う味付けで、1つ1つ繊細な作り。これはリピート決定しました。
私自身が東京の中央線沿線住民ということもありますが、東京を縦断しない行程は、混雑を避けることができるので、ストレスがありません。そして18きっぷをうまく活用すれば、かなり遠くまでお得に旅ができます。自分の家から18きっぷでどれくらいの距離を行けるのか、ぜひ地図で1度確認してみてください。
次回は「18きっぷで観光列車(後編)おいこっととアートの旅」です!

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