同じマンション同じ間取りでも被害はここまで変わる!
震度6弱で復旧30秒と60万円の差。災害レスキューナースの家の備え
震度6弱で復旧30秒と60万円の差。災害レスキューナースの家の備え
公開日:2026年03月28日
災害の備え、後回しになっていませんか?同じマンション、同じ間取りの家でも、備えの差で被害は大きく変わります。震度6弱の地震で「復旧30秒」と「復旧費用60万円」に分かれた実例から、災害レスキューナースが本当に役立つ防災のコツを解説します。
教えてくれるのは、辻直美(つじ・なおみ)さん

国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾 代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。その後、赴任先の聖路加国際病院で地下鉄サリン事件の対応に従事し、災害医療の道へ。看護師歴35年以上、災害レスキューナースとしては30年以上活動し、被災地派遣は国内外合わせて30か所以上。現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行うほか、防災教育にも注力している。
※本記事は、書籍『最強版プチプラ防災』辻直美著(扶桑社刊)より一部抜粋、再編集して構成しています。
震度6弱で復旧30秒と60万円の差
2018年の大阪府北部地震。同じマンション、同じ間取りの2つの家で、被害に大きな差が出ました。
片方の家は「復旧30秒」
もう片方の家は「復旧費用60万円」
その差を生んだのは、特別な設備でも高価な防災グッズでもありません。日常の中でできる、ほんの少しの備えでした。
あなたの防災知識は大丈夫?3つのクイズでチェック!
防災の知識は、気付かないうちに「古い情報」のままになっていることがあります。まずは、今の備えが本当に役立つものかどうか、クイズでチェックしてみましょう。
Q1.1日に必要な水の量は?
1日に必要な水の量は、最低でも飲用・炊事用に2L、体や食器を洗うなどの生活用水に1L とされています。1人につき1日3L、家族全員分を備蓄しておきましょう。断水してから給水車が来るまで10日程度かかることが多いので、最低でも10日分の備蓄をおすすめします。
災害用の長期保存水ではなく、ミネラルウォ ーターのローリングストックでOK!
正解:3L
Q2.被災後により役立つのは?
口の中を清潔に保つことは、インフルエンザなどの感染症の発症・重症化の予防につながります。しっかり歯みがきできる環境にない場合は、歯みがきガムがおすすめです。水がいらないうえに、「かむ」ことで被災時のストレスが緩和されます。
マウスウォッシュは吐き出したものを流す水が必要になるので、水が十分にない環境ではやや使いづらいかもしれません。
正解:歯みがきガム
Q3.寝る前に枕元に置いておくのは?
生命維持にマストな水。一方、スマートフォン(以下スマホ)は被災時の大切な情報収集&連絡手段。モバイルバッテリーも必須アイテムです。どの部屋で被災するかわからないし、閉じ込められる可能性もあるので、できれば両方を枕元に常備したいですね。ちなみに私は寝室、リビング、トイレに水とモバイルバッテリーを置いています。
正解:両方
震度6弱で「復旧30秒」と「60万円」のキッチン防災の差

キッチンの写真は、震度6弱を記録した2018年の大阪府北部地震で被災した直後のものです。左の写真が私の家、右の写真は同じマンションの別の階の家です。
まったく同じ間取り・強度の家でも、備えの有無でこれだけ被害は変わります。
我が家は調味料のボトルが4本倒れただけでしたから、片付けはボトルを起こして終了。30秒もかかっていません。
一方、別の階では食器棚から割れ物が降ってきたため破片が散乱し、お気に入りの食器も全滅。キッチン以外もメチャクチャになったそうです。
さらに割れた食器と各種調味料がこぼれ混ざり合い、悪臭とコバエと戦いながら片付けることに。結局、床の張り替えが必要になったとか。
危険なだけでなく衛生面でも大惨事となり、復旧費用は60万円。
私がしたことは100円ショップのグッズを使った備えがメインで、大きな手間もお金もかけていませんが、やるとやらないではこれだけの差が出るのです。
この差を見ると、「いつか」ではなく「今」備えることが、命と生活を守る一番の近道なのだと思い知らされます。
完璧を目指す必要はありません。できることから一つずつ始めて、「昨日より少し安全な家」を重ねていきましょう。
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次回は、辻さんが実践している100円グッズでできるキッチンの地震対策をご紹介します。
もっと詳しく知りたい人は
TV、ラジオ、雑誌などメディアに多数出演の国際災害レスキューナース・辻 直美さんが国内外30か所以上のレスキュー経験で得た最新の知見をまとめた一冊。




