働きながら、離れて暮らす親を支える
親が心配でも仕事は辞められない…50代女性に増える「ビジネスケアラー」
親が心配でも仕事は辞められない…50代女性に増える「ビジネスケアラー」
公開日:2026年03月13日
気付けば始まっている、介護とは呼びきれない関わり
老親と久しぶりに会ったときの違和感。電話口で感じる、ちょっとした変化。はっきり「介護」と言える段階ではないけれど、「このままで大丈夫だろうか」と思う瞬間が増えてくる。そんな状態から始まる関わりは、決して珍しいものではありません。
仕事を続けながら、離れて暮らす親のことを気にかけ、必要な支えを考える人を「ビジネスケアラー」と呼びます。
これまでは「遠距離介護」という言葉で語られることが多かったですが、近年は、働きながら担う現実に焦点を当てた呼び方として、この言葉が使われるようになってきました。特別な知識や覚悟を持った人だけでなく、今の50代女性が自然に立たされやすい立場です。
遠距離介護、片道1時間以上が約4割
離れて暮らす親のもとへ通うには、時間もお金もかかります。ライフエレメンツ株式会社の調査(※)では、別居で親を支えた経験のある人のうち、約4割(38.1%)が片道1時間以上の距離に住んでいることがわかっています。
それでも、月に一度以上の頻度で顔を見に行っている人が多いのが実情です。遠距離介護はお金も時間もかかり負担は大きいですが、働く立場で見ると、仕事とのはざまで「行けない自分を責めてしまう」といった日々の判断や気持ちの消耗も含んでいます。
仕事や家庭を抱えながら、行きたくても簡単には動けない。その板挟みの状態が、長く続いていきます。
遠距離介護の不安、約8割が感じている内訳は?
遠距離で親を支える人の多くが、不安や悩みを抱えています。調査では、遠距離介護をしている人の77%が「不安がある」「やや不安がある」と回答しました。
特に多いのが、介護にかかるお金や今後の費用への心配です。
それに加えて、
- 日々の様子が見えないこと
- 何かあったときにすぐ動けないこと
- 通院や手続きに付き添えないこと
こうした「できないこと」が、気持ちを重くします。
悩みを抱え込まないために、選べる支え方がある
遠距離で親を支えた経験が、仕事や家族に影響したと感じる人は少なくありません。調査では、遠距離介護をしている人の67%が、仕事や家族への影響を感じたと回答しています。心身の疲労が大きな原因です。
また、約1割(9.2%)が「相談先がない」と回答していました。誰にも相談できない不安とストレスは、想像にかたくありません。
最近は、見守りサービスなどを含め、人の手・仕組み・家族での共有といった選択肢に目を向ける人も増えています。
支え方に、正解はありません。離れていても関われる方法があり、無理を前提にしない形を選んでもいい。
できることを、できる範囲で続ける。それが、働きながら親を支える50代女性にとって、
長く向き合うための現実的なスタンスなのかもしれません。




