磯野貴理子・人生後半戦になってわかった、良いことも嫌なことも面白がれる生き方

磯野貴理子・人生後半戦になってわかった、良いことも嫌なことも面白がれる生き方

更新日:2025年07月28日

公開日:2025年07月25日

磯野貴理子・人生後半戦になってわかった、良いことも嫌なことも面白がれる生き方

バラエティ番組を中心に活躍し、長くお茶の間に浸透している磯野貴理子さん。気付けば60代というから驚きます。常に新しい“好き”を見つけて、人生を夢中で楽しんでいる磯野さんに、50代からの自分との付き合い方について伺いました。

「好き」は探しに行くのではなく、出合えるもの

 

「好き」は探しに行くのではなく、出合えるもの

――新しいことに億劫になる50代。BTSの推し活やスワローズ愛、バードウォッチングなど日々アクティブな貴理子さんは、いつもアンテナをどう張っているんですか?

磯野貴理子さん(以下、磯野貴理子)
“見つけよう”と思って探しているわけじゃないの。野鳥を好きになったきっかけも、日常の一コマからなんですよ。

ある朝、部屋の窓を開けたら「ツツピー」って美しいさえずりが聞こえてきて。何という鳥だろうと思って調べたらシジュウカラだとわかりました。それからどんどん鳥が好きになっていって。

野鳥の会は敷居を高く感じていたから、鳥のことを全然知らない私が入るのは不安でした。でも、もっと鳥のことを知りたいという“好き”の気持ちの方が勝った。そうしたら、自分でも予期しなかった楽しさがあったんです。

かわいい鳥をたくさん知ったらちゃんとしたカメラで撮りたくなって、簡単なカメラ講座へも行きました。どんどん写真熱が高まったら、今度はみなさんに「こんなにかわいい鳥がいるんです!」って知ってもらいたくなって。遅ればせながら(笑)、2024年の7月にInstagramを始めました。

最近では、東京都の水道局が主催する多摩川水源森林ボランティアにも参加しています。水道水がどこから来ているのか気になって調べていたら、このボランティア活動を知り、「やってみたいな」と思ったのがきっかけ。間伐(かんばつ)や枝打ち、植生などをしています。

「やりたい」が動き出すタイミングは人それぞれ

「やりたい」が動き出すタイミングは人それぞれ

―― “好き”が“好き”を連れてきて、世界が広がっていくなんて素敵ですね。

磯野貴理子
そうなの! 鳥好きな人って、登山が好きな人も多くてね。今度は自然と山にも興味が出てきて……。今では、月に2回は登っています。かつてはあんなにつらい思いしてなんで山に登るんだろう、ってずっと思っていたけれど、こんな楽しいものはないですね(笑)

頂上に着いたときだけじゃなくて、道中も全部楽しいんですよ。特に山で食べるご飯が最高で、おにぎりのおいしさったらないの! 

日本百名山はまだ5つしか登っていないから、これから先も楽しみがたくさんあります。鳥もカメラも登山も、年齢を重ねても楽しめる趣味ばかりだから、このタイミングで出合えて本当によかったなと思っています。

――始めるのに遅すぎることなんてない、そう思わせてくれる貴理子さん。新しいことに踏み出すタイミングやきっかけはどう見つけていますか?

磯野貴理子
きっかけなんて、本当にどんなことでもいいと思うんです。 「ちょっと気になるな」「やってみようかな」と思ったら、まず一歩、動いてみる。私はいつも、そんな感じで始めてきました。

でもね、動けなくても大丈夫。それはきっと、まだ“その時”じゃないだけ。

例えば私の場合は、ピラティスがそう。もう何年も続けているけれど、40代で最初にやったときは全然ハマらなくて、「なんか違うかも」って離れていたんです。

でも、病気をしたのをきっかけにまた始めたら、前とは違っていて。最初は難しかったけど、少しずつコツがつかめるようになって、「あ、面白いかも」と思えるようになりました。今では週に1回、無理なく続けています。

結局、何かを始めるタイミングって、自分の中から自然に湧いてくるんですよね。焦らなくても大丈夫。誰にでも、自然と「やってみたい」という気持ちが動き出す日がきっと来ると思います。

落ち込んだときは、じっとしない&自然に頼る

落ち込んだときは、じっとしない&自然に頼る

――いつも明るく行動的な貴理子さんも、落ち込んだりすることはあるのでしょうか? 

磯野貴理子
もちろんありますよ! ネガティブになってきたと感じたら、私はまず“動く”。

じーっとしてると、モヤモヤがどんどん膨らんじゃう。まず、私は掃除します。掃除ってすごくいいんですよ。体も動かすし、スッキリするしね。

あと、外をちょっと歩いてみるのもすごくいい。ほんの少しでも外の空気を吸うと、気持ちが変わってくる気がします。特におすすめなのが大自然の中に行くこと。自然の力って、本当にすごいんです。負の感情をね、スーッともらってくれるというか。

ちょっと鳥を見て帰ってくるだけでも、全然違う。ああ、私、元気になってるなって感じますね。もっと自然に頼っていいと思うんです。人間、自然に生かされているんだから。

死を意識することで、毎日や負の感情さえも味わい深くなる

――それでも悩みが解決しないとき、どう向き合っていますか?

磯野貴理子
本当に悩んだり落ち込んだりしたときに思うんですよ。「私もどうせ死ぬしな」って(笑)。だって、みんな死ぬんだもん。あの人も、この人も、私も、全員。そう考えるとね、すごく悩んでたことが、ふっとちっぽけに思えてくるんですよ。

還暦を迎えた私くらいの年齢になると、やっぱり“死”を意識します。病気したからじゃなくて、もう年齢的なものですね。だからこそ、「あー、将来不安だなぁ」と思ったときも「でも結局死ぬし」って考えると「じゃあ今のうちに楽しんじゃおうか!」と切り替えられるんです。

だって、つらいことも、落ち込むことも、生きている間しか味わえないんだから。せっかくなら楽しんじゃえばいい。負の感情だって「今しか感じられないかも」って思えば、ちょっと味わってみようかなって思えてきませんか。

ネガティブになっちゃうこともあるけど「だったら来い!」って。もし本当にそのときが来たら、自分はどうするかな、乗り越えられるかなと考えると、たぶん大丈夫なんですよ。きっと、誰かが助けてくれる。今だってたくさんの人の支えがあって生きていますから、人はちゃんと支え合えるものだから。私はそのことを信じているし、人を信頼しています。

死を意識することで、毎日や負の感情さえも味わい深くなる

――すぐ隣にある死を考えることで、逆に前向きに人生を過ごされているんですね。

磯野貴理子
はい。それから、私が年齢を重ねる上で大切にしてるのは「今日を夢中で生きる」こと。

せっかちって意味ではなく「人生って本当に短いな」と思うから。あっという間にこの年齢まで来ちゃったし、だから一日一日を大事に生きたいんです。

やりたいことはやる。思いついたことはすぐやる。誰かに「ありがとう」と思ったら、ちゃんと早く伝える。後回しにしない。そういうふうに生きていきたい。

夢中なんですよ、毎日を生きることに。もちろん「今日、何もできなかったな」って日もある。そういう日もあっていい。そんな日もあるさって、思う。

それでも、気持ちはいつも「今を大切に」。それが、私の“生き方”なんです。

磯野貴理子さんプロフィール

磯野貴理子さんプロフィール

いその・きりこ 1964年生まれ、三重県出身。85年にグループ「チャイルズ」を結成し、フジテレビ系「森田一義アワー 笑っていいとも!」で5代目いいとも青年隊として注目を集める。以後、軽快なトークと親しみやすいキャラクターで、バラエティ番組を中心に幅広く活躍。女優としてドラマにも出演している。現在は、フジテレビTWO「はやく起きた朝は…」(新作エピソード毎月第2日曜日 6:30~7:00放送)が放映中。