
50代から「英語の学び直し」♪
「英会話ができるようになりたい」と、50代から英語を学び直す方が増えています!スキマ時間で簡単に英語学習ができるおすすめの方法は?
更新日:2025年03月18日 公開日:2025年03月11日
010:大西直実さん(63歳)
50代から新しい一歩を踏み出して、第二の人生を歩み始めた人たちを追う「わたしリスタート」。専業主婦から東日本大震災を機に、メイクセラピストの道へ。メイクの力で、女性が自信を持って羽ばたくことを応援し続ける大西直実さんにお話を伺いました。
専業主婦として2男1女を育てる中で、夫婦関係や育児に悩み、自分を責めることが多かったという大西直実さん。
40代のとき、母でも妻でもなく、一人の女性としてのやりがいを見出すため、トラベルジュエリーの卸業・個人販売を始め、バッグやストールなど幅を広げていった。
2011年、東日本大震災でのボランティアをきっかけに、メイクには女性を元気にする力があることを実感。
2016年、「メイクセラピストジャパン」認定メイクセラピーアドバイザーを取得。その後、「レドアメイクアップスクール」でもメイクを学ぶ。
「女性が自信を持ち、羽ばたくことを応援したい」と、“るん大西”の名称でメイク講座を開催。親しみやすい人柄と、「マイナス6歳若見えメイク」などが評判となり、インスタグラムやYouTubeでは、同世代の女性たちに支持されている。
――メイクを学び始めたきっかけは?
もともとメイクは好きでしたが、メイクの力を感じたのは東日本大震災のとき。
有志の女性たちとボランティアで近所のシニア向けに弁当づくりをしていて、休み時間に「こんなふうに眉毛を描いたらもっとかわいくなるよ」などと遊びの延長でメイクをしてあげたんです。すると、おばあちゃんたちがパッと笑顔になって。
日本がこんなに大変なときでも、メイクには女性を笑顔にする力があるんだ!と感動しました。
それで54歳のときに心理学も含めて学べるメイクセラピストのスクールに通い始めました。1年ほど通いましたが、同世代の女性たちと切磋琢磨する中で、自分自身の気持ちの持ち方も大きく変わったように思います。
――メイクを学んでいちばん変わったことは?
内面から自信を取り戻せたこと。
結婚してからはずっと専業主婦として3人の育児に追われ、夫は起業で忙しく、家の中で孤独感を感じていました。若い頃は、友達に励まされたり、飲みに行ったり、買い物したりすれば気が晴れたけれど、40代になった頃から何をしても自信が回復しなくなったんです。
何とかしたいともがき続ける日々でしたが、メイクで人が喜んでくれたときに、自分の内面から満たされていくような感覚がありました。
メイクも、年を重ねるほど、キレイ見えの決め手の8割がベースメイク。人間もメイクも、下地がしっかりしていないと輝けないですね。
――ただ学ぶのではなく、仕事にしようと思った理由は?
スクールでインストラクター養成講座を学ぶうちに、第二の人生「メイクで人の役に立つ仕事をしたい」という目標が見えてきました。
お金をいただくからにはより深くメイクのテクニックを学ぶ必要があると思い、55歳からは中目黒のメイクアップスクールにも1年通いました。10代、20代の若い子たちもたくさんいる学校で、業界の最先端を行く講師が教えるようなところに飛び込んだんです(笑)
もちろん学校で教えるのは、芸能界や雑誌のキラキラした世界で生きるテクニックが主。プロの技など学びも多かったですが、私がやりたいことは、中高年の女性たちの「今」を輝かせるメイクで喜ぶ顔を見ること、という目的がはっきりしてきました。
――年代の違う人たちと一緒に学んで得たことは?
授業中に、年配の女性は顔がこけやすいので、頬をふっくら魅せるメイクの仕方を質問したことがあります。メイク業界の基本は「スッキリ小顔に見せること」。だからか常識外れの質問に、厳しい先生が激高し、みんなの前で私を厳しく叱責したんです。
私は自分の子どもより若い子たちの前で叱られたことが恥ずかしくて、泣いて教室を飛び出しそうになりました。でも、大人の女性がそんなことをしてはいけない。そう思い直して、自分がなぜ知りたいと思ったのかをもう一度ハッキリと伝えました。
若い生徒たちはハラハラしてそのやりとりを見守っていましたが、授業が終わった後「かっこよかったです」って声をかけられて。ああ、よかったと思いました。
若い子たちは素直で吸収スピードが速い。でも、母として妻としていろんなことを経験して大人になり、いろんな人と臆することなくコミュニケーションをとれるのはこの年代ならでは。自分にはそういう力もあるんだって気づかされました。
――メイクをどうやって仕事にしていったのですか?
スクールでひと通りの勉強はしましたが、実践はまだまだ。
55歳で未経験。弟子入りなども考えてみたけれど、難しそうで(笑)。ならば自分で修行を積むしかないと、おばあちゃんの原宿・巣鴨で、道行くシニア女性に声をかけて100円でメイクをさせてもらいました。あの頃はただただ一生懸命でしたね。
そうした地道な活動が実を結び、地域でボランティア的に大勢の前でメイクの仕方を伝える講座を持たせてもらったり、大学での就活メイクレッスンを手掛けたりと、実績をつくっていきました。
そして1年後にようやく念願の自宅サロンでのメイクレッスンをするようになりました。
――メイクレッスンをやってよかったなと感じる瞬間は?
レッスン中、鏡を見ながら、みなさん必ず自分に見惚れて、「私、まだイケてるじゃん」と自分に惚れ直すんです。
毎回、その表情を見るたびにやりがいを感じますね。
――「あの過去があるから今がある」と思えることは?
40代前半、自信を取り戻したいと専業主婦から起業したこと。
当時、トラベルジュエリー(旅行のときに持ち歩く大切なジュエリーのレプリカ)が日本でもブームになっていて、知り合いの伝手もあり、仕入れ・卸売りを始めました。
とはいえ、未経験の専業主婦。周囲に迷惑をかけないようにと、3つの誓いを立てました。それは子育てを第一優先にすきま時間でやること。知り合いやママ友に売らないこと。軍資金は50万円と決めて、それ以上は使わないこと。
平日、子どもたちを学校に送り出して帰ってくるまでの間に、タウンページを見てブティックに営業の電話をかけ、アポイントがとれたところに営業に行きました。友達には売りやすいかもしれませんが、自力で販路を切り開かないと意味がないと思ったんです。
時間や軍資金には限りがあるけれど、アイデアや熱意、行動力は自分次第。
自分を変えたい、変わりたいと思ったら、行動さえすれば今の状態からは必ず変われる。そう自分を信じられることが、今の活動の底力になっている気がします。
――インスタグラムでの発信を始めたきっかけは?
60歳でまさかの離婚をしたこと。
60歳目前、夫から離婚を切り出され、目の前がまっ暗になりました。自分はもはや必要とされていない、価値がなくなったと思い、離婚するまでは、毎日泣いてボロボロ。
毎朝、夫が出勤するたび、2階のリビングの窓ガラスにおでこを擦り付けながら走り去る車を見ていて、家を処分するときに、ガラスにその跡がたくさん付いていたんです。
それを見た瞬間に、自分自身に「つらかったね」と寄り添えて、新しい人生を生きて行こう!という切り替えができました。
とはいえ、その後の2年間は、コロナ禍もあって、医療機関でのカウンセリングの仕事以外は家に引きこもり、メイクもおしゃれもせず、ジャージとトレーナーで過ごしていました。さすがに2年経ち、「こんなことしてたら、人生あっという間に終わっちゃう!」と危機感を覚えるようになって(笑)
62歳のときに自分を鼓舞するために、自分のメイク動画をインスタグラムでアップするようになったのがきっかけです。
――SNSを始めて変わったことは?
自分も人の役に立てると実感できたこと。
メイク動画を上げると、たくさんの同世代の女性たちが「私もまたメイクがんばってみます」とか「キレイになりたいと思えた」というコメントが届きます。そのたびに、私はまだ誰かの役に立てるんだと思えるんです。
ちょうど明日(※取材時)、眼瞼下垂の手術を受けるんですが、怖くてとっても悩みました。同じように悩んでいる人がいるんじゃないかと思い、術後の経過もシェアしていこうと思っています。
――自信をなくしたり不安を感じたりしたときの特効薬は?
ちょっとした嫌なことなら、忘れるために気を紛らわす術はいろいろありますが、本当につらいときは、時間を味方に、つらいことからできるだけ離れて過ごすしかありません。
運動中は余計なことを考えられないので、水泳なんかも有効だと思います。私の場合、料理が好きで、夢中で何かをカットしているときも同じです。
学生の頃は友達、大人になれば彼氏や夫、やがて子どもが一番でした。子育ての手も離れた今はやっと自分を一番に置けるようになったので、「今は何がしたいの?」「疲れてるなら休もうか」などと自分に問いかけながら寄り添って、甘やかしています。
――新たなチャレンジをして得た最大の教訓は?
とにかく何事も、なんとかなるということです。物事には陰と陽があるように、成功した人で失敗しなかった人なんていないんですから。
カーネル・サンダースも60代でKFCを創業しましたが、それまでに何度も挫折を経験していますよね。
――座右の銘は?
人間万事塞翁が馬。
そのときダメだ!と思っても、後になって振り返ると良かったと思えるようになるという意味で、これを中学生のときに知って以来、心に響く言葉になっています。
――自分の性格で一番自慢できるところは?
思い切りと行動力。
本来の私は、すごくネガティブで自信がないんです。ネガティブな性格は持って生まれた気質もあるので簡単には変えられませんが、行動は、自分で変えられる。
エイっと思い切ってやってみると、2回目、3回目は簡単にできるようになるものです。
――1日のよいスタートを切るために、朝一番にすることは?
窓を開けて太陽の光を浴びる。
離婚後、一人で暮らす部屋を探したときにこだわったのは、狭くてもいいから、新築で日当たりがいいこと。朝起きたら、窓を開けて太陽の光を浴びる。そうするうちに、落ち込むことがなくなりました。
――あなたにとって幸せで充実した人生とは?
昔はおいしいものを食べたり、欲しいものを買ったりするような具体的な幸せのかたちがありましたが、今はもっと些細なことです。
例えば、メイクレッスンの後、生徒さんがうれしそうに「今日使ったおすすめのコスメを買ってみます」といって満面の笑顔を見せてくれたとき。帰り道に街を歩くと心地よい風が吹いて、木々がそよそよ揺らめくような瞬間に、気持ちが満たされて、幸せをかみしめています。
――人生で経験した最高の成功や誇りは?
自分の人生を放り出さなかったことかしら。
もちろん、他人との付き合いなど、自分が嫌だなと感じたら止めたことは何度もあります。でも、自分の人生だけはとことん寄り添って諦めなかったことですね。
何歳でも、自分が変わりたいと思うときが変わり時。今だ!と思った時に動き出せるよう、とはいえ自分を労わる心の余裕を持てるよう、日常生活の中でも意識しておくといいですよ。
1.リスクヘッジ
50代にもなると人生残り少ない。やりたいことは勇気を持って行動しましょう。とはいえ、失敗することもあり得るので、リスクヘッジは必要。例えば、転職前に生活費100万円を貯金しておく、など費用の算段を先にしておくと安心です。
2.勇気をもって行動する
SNSで顔や名前を出すなんて、最初は少し抵抗がありました。でもやってイヤならやめればいいだけ。実際に始めてみると、これまでメイクレッスンは対面にこだわっていたところからは、グンと視野が広がりました。
3.自分自身にとことん寄り添う
いざやってみたものの、失敗したときに自分を責めてしまうこともあります。反省して次に生かすためにも、責めるのではなく、最後まで自分自身に寄り添いながら振り返るクセをつけておくといいですね。
取材・文:庄司真美 写真:日高奈々子 企画・構成=長倉志乃(HALMEK up編集部)
驚きの軽さ&使いやすさ!
1本で7つの効果ハルメクが厳選した選りすぐりの商品