介護職への転職
「介護職」に50歳目前で転職をした理由

更新日:2025年04月24日 公開日:2020年02月25日

【50代からの女性の転職】K・Kさんの場合(1)

異業種の「介護職」に50歳目前で転職をした理由

異業種の「介護職」に50歳目前で転職をした理由

働き続けることが当たり前になった時代。50代からの女性は、どんな働き方をすればいいのでしょうか?「50代からの転職シリーズ」では、実際に転職した女性の仕事内容と収入をつまびらかにします。初回は、「介護職」に転職したK・Kさんをご紹介します。

50代はキャリアプランを見つめ直す時期

2019年、金融庁の報告書にあった「老後には2000万円必要」という記載は、これから老後を迎える世代に大きな衝撃と不安を与えました。

「人生100年時代」といわれる今、すべての世代の男女にとって「仕事を持つ」という選択肢が大きな意味を持つようになっています。

ところが、日本の女性の労働力率に目を向けると、今、50代以上の女性が結婚や出産のピーク期を迎えていた1995(平成7)年には30代前半の労働力率は5割まで落ち込んでいますが、2014(平成26)年には45歳~54歳の8割弱が働いています。いわゆる「M字カーブ」の現象です。

女性の年齢階層別労働力率の推移
男女共同参画白書平成25年度版 内閣府 男女共同参画局ホームページより

一度仕事を離れた女性たちの多くは、非正規雇用での働き方を選んできました。しかし、人生100年時代。ずっと働き続けることを考えると、50代は自分のキャリアプランを見つめ直し、転職や働き方について真剣に考える女性が多い時期だといえるのではないでしょうか。

女性の働き方を探る「50代からの転職」シリーズ第1回目でご紹介するのは、50代を目前に介護職に転職したK.Kさん(62歳・静岡県)。まずは介護職に転職した理由と現在について、今の思いを語ります。そして、2回目、3回目では、転職方法と収入についてお伝えします。

介護職13年目K.Kさん(62歳)の仕事内容

 

通所介護(デイサービス)の施設での介護職

今の私の仕事は、通所介護(デイサービス)の施設での介護職です。平日の8時半から17時半までフルタイムの正社員として働いています。

仕事の内容は、要介護、要支援の利用者の送迎、入浴、食事等の介護、リハビリ、レクリエーションの提供などです。
数年前から、介護の仕事をしながら「生活相談員」として利用者や家族の相談業務も担うようになりました。

50代を目前に転職をした理由は……

以前は、製本やDM発送を受託している会社の事業所でパート勤務をしていました。

その仕事を始めたのは、30代半ばでした。3人の子どもがまだ学生だったのに加え、同居する高齢の家族が3人もいたので「家族に何かあってもすぐに対応できるように」という理由で、正社員ではなくパート勤務をしていました。自宅から車で15分の近距離の職場で通勤も便利でした。

ところが、10年以上勤務した49歳の頃、その事業所が閉鎖することになり、パート社員の多くは退職を余儀なくされました。しかし、その頃のお財布事情はつらい状況でした。子ども1人を国立大学、2人を私立大学に進学させた後で、貯蓄額はかなり目減りしていたんです。ようやく子どもたちが手離れして、貯金ができると思っていたのに……。老後のことを考えると、「働かない」という選択肢はありませんでした。

失業保険をもらいながら、役に立てばと何となく「ヘルパー2級」の資格を取得。知人の紹介で、デイサービス施設で働き始めることに。

仕事を変えるときに悩んだこと・考えたこと

 

仕事を変えるときに悩んだこと・考えたこと

私が21歳で嫁いだ家は、農家で本家。子育てに加え、親戚付き合いや近所付き合いが大変で、さらに同居していた義理の祖母の介護、障害のある夫の叔父のケアなど、さまざまなことが続き、「時間にゆとりのある生活」とは無縁な生活でした。

ですので、「新しい勉強をする」というのはとても新鮮な体験でした。と同時に、失業保険もいただいてるし、この際だからのんびりとした時間を楽しんでもいいのかもしれない……とも思っていました。

資格の勉強をしているときには「いずれ資格が役に立つ日がくればいいな」程度に考えていましたが、思いのほか転職先が早く見つかり、働く覚悟を決めるのに勇気がいりました。

働くかどうかを決める前に、紹介されたデイサービス施設で仕事を体験してみたのですが、これまでの仕事内容とは違って、体と心をフル活用する仕事。「これを毎日続けるのは大変かもしれない」と自信がなくなり、断るつもりでいました。

ところが、当時の施設長がとても優しい方で、不安に寄り添って話を聞いてくれたので「少しだけ続けてみようかな」という気持ちになりました。

そうして続けていくうちに、徐々に介護の仕事にやりがいを覚えるようになっていきました。

13年働いてみて大変な時期もありましたが、「こんなに奥の深い仕事はない」と、今は誇りを持っています。 

入浴介助の当番の日には、腰やひざが痛む日もありますが、今のところはおおむね健康。もし、フルタイム勤務がきつくなったら働き方を変えながら70歳くらいまで働いて、利用者さんに寄り添っていきたいと思っています。

健康でなければ働き続けられないので、毎日忙しいですが、疲れていても簡単な料理をして兼業農家の夫が育てた野菜をたっぷり食べるように心がけています。

次回は、具体的にK・Kさんが、資格勉強を始めたきっかけと転職で苦労したことをお伝えします。

※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。

取材・文=北川和子

 

■もっと知りたい■

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。

ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

驚きの軽さ&使いやすさ!

1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール
1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール

【PR】税公金を簡単にお得に支払うには?

税公金をスマホで払うと…

税公金の支払いはスマホからが圧倒的にラク&お得!「ゆうちょ銀行」では抽選で毎月1万名様に1,000円が当たるキャンペーン実施中!

2025.04.21
【PR】災害のために今備えたいのはポータブル電源!

便利すぎ!大容量ポータブル電源

地震・台風などの災害時に心強い「大容量ポータブル電源」は、普段使いで電気代の節約にも大きく貢献します!知らなきゃ損!

2025.04.16
【PR】部分入れ歯のウソホント!?正しいケアって?

部分入れ歯のウソ・ホント!?

部分入れ歯が不安定・外れそうで怖い…そんなお悩みは「ケアの仕方」に原因が!?間違えている人が意外に多い、部分入れ歯の「正しい使い方」を専門家が紹介します!

2025.03.12
【PR】50代の尿トラブル大調査! なんと8割の方が……

50代で8割以上!?尿モレの悩み

ヒトに話しにくい尿トラブルの話…「私だけ?」とお悩みの方も多いのでは?50代ハルトモさん達にアンケートを実施し、実態を調査しました!

2025.04.10
認知症のご本人の財産や権利をどう守るか?

お金に困りたくない!

認知症になると、不動産の手続きや預貯金の引き出しが自由にできなくなります!事前に知らないと苦労する「法律」とは…

2025.04.08
ご家族の認知症介護の進め方、向き合い方

もし親が認知症になったら…

家族が認知症になった時、介護や通院など一体何を準備すればいいのでしょうか?「もしも」の場合のスムーズな対応を解説!

2025.04.04
【PR】飽き症でも、ゼロから英語が話せるようになったワケ

ゼロから英語が話せる!

飽き症さんでもOK!たった60日で英語が苦手な人でも英会話ができるようになると話題の「インド式英会話」をご存知ですか?無料体験セミナー実施中です!

2025.02.05
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
「ひょっとして認知症かも」と心配になったらどうすればいい?(後編)

認知症の分かれ道!41%が…

認知症1歩手前「MCI(軽度認知障害)」と診断された場合、最大41%の方が健常な状態に戻ることが分かっています!認知症を「発症させない」ためにすべき事とは…?

2025.04.14
物価高の今こそ考えたい!インフレ時代に「資産運用」ってどうして必要なの?

本当に必要な「お金の準備」

物価が急激に上昇している今こそ、将来に向けて「お金の準備」が必要です!年金や退職金に頼らない、資産形成を進めるには?

2025.04.18
【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金のこと、なんでも無料相談

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
おひとりさま女性のソロライフに備えよう!「おひとりさま老後」の資産運用

老後資金、こんなに要るの?

未婚に限らず、離婚・死別などで誰しも「おひとり様」になる可能性が。一人で生きていくための「お金の準備」は出来ていますか?

2025.03.18

ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

「奇跡の60代!木村友泉 大人のリンパケアLesson」横隔膜をゆるめる動き