【56歳サトミの場合】待ちわびたLINEが来た!
【4】50代から恋に落ちて!初デートで学生気分に
【4】50代から恋に落ちて!初デートで学生気分に
更新日:2025年06月26日
公開日:2022年07月03日
前回までのあらすじ
サトミ(56歳)の恋愛談を紹介しよう。バブル時代に社会人になり、結婚後専業主婦になり28年すでに成人した二人の子がいる。ふと参加した高校の同窓会で当時好きだった「ツチダくん」と再会を果たし、二軒目のバーに行き意気投合。LINEを交換し彼からのメッセージを待つ日々に……。
待ちわびた彼からのLINE

家族とパート仲間しかいなかったサトミさんのLINEに、同級生グループとツチダくんが加わった。それからはひたすらスマートフォンをチェックする日々が続いた。
「長女が大学生の頃、ボーイフレンドができたみたいで、家にいるときもずっとスマホを肌身離さず持っていたんですよ。いいかげんにしなさいと怒ったことがあるけど、あのときの娘の気持ちがわかるような気がしました。彼からの連絡って、どうしても待ってしまうものなんだなと」
だから彼から連絡が来て〈今度はゆっくり食事しない?いつなら空いてる?〉というメッセージを見たときは、音が聞こえるほど心臓が高鳴った。だが当時、サトミさんはこれが恋だとも、自分が彼に恋愛感情を抱いているとも認識していなかった。
「不思議ですよね。明らかに心臓がバクバクしているのに、どうしてなのかわかっていなかったなんて。それだけ異性関係というものから、ずっと離れていたんだと思います」
1週間後、二人は食事をする約束をした。彼はサトミさんがどんなものが好きか、場所はどこがいいか、どんな雰囲気の店が好きかと細かく聞いてきた。自分が大事に扱われている。サトミさんは「自分の中のオンナを意識した」と言う。
閉経の喪失感。彼と出会って更年期障害がなくなる

「ちょうどその頃、閉経したんです。 女性でなくなるとは思わなかったけど、産む性が終わったことに対して、少し寂しい気もしていました。しかもホットフラッシュや頭痛、倦怠感など更年期障害もけっこうあって。だけど彼と再会してから、体の不調が気にならなくなったんです。それより気持ちがフワフワして。日々の生活が色づいたように感じました」
食事の約束をしてからも、彼は毎日のように連絡をくれた。今日はこんなことがあった、天気が悪いけど元気かな、と。気にかけてくれる人がいる。たったそれだけのことではあるが、サトミさんの大きな支えになった。
松田聖子の曲で高校時代にタイムスリップ

それでもまだ、サトミさんは「ツチダくんに恋している」とは思っていなかった。ただ、二人きりの初めての食事のあと、ほろ酔い加減で歩いていると、彼が突然、松田聖子の『天国のキッス』を口ずさみはじめた。
「高校時代、文化祭で男の子たちがこの曲をみんなドレス着て歌ったんです。それを思い出して大笑い。『私はあの頃、中森明菜が好きだったんだよ』と言ったら、カラオケ行こうかということになって……。カラオケでは当時の曲で盛り上がりましたね。
彼が『40歳で再婚したから、一人娘がまだ小学生なんだよ』と言い出したんです。初婚の時の子どもとはまったく会ってないらしい。そんなちょっとしんみりした話もしながら、カラオケでは盛り上がった。その時やっと、私、この人が好きだと自覚しました」
酔いも手伝い……一線を越える!?

酔った勢いも手伝い、彼にしなだれかかってみた。彼はぐっとサトミさんの肩を抱き寄せた。「天国のキッス」が手に入った。二人とも結婚している。それでもこの思いを止められない。
「カラオケボックスを出て、二人とも黙って歩きました。しばらく歩いたところで、彼が不意に『いいの?』と。顔を上げるとホテルの灯りが見えた。『わからない』と答えました。
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