いつか王子様が…の夢に年齢制限はある?

60を過ぎてからの恋愛【前編】シンデレラ症候群から抜け出せない私

60を過ぎてからの恋愛【前編】シンデレラ症候群から抜け出せない私

公開日:2026年04月26日

60を過ぎてからの恋愛【前編】シンデレラ症候群から抜け出せない私

子どものころからシンデレラ症候群に陥ったまま、高齢者の域に入っても運命の出会いは待っているのでしょうか。ちょい悪オヤジへの憧れが夢破れて、居酒屋のカウンターで出会った地味な男性は果たして……

「あなたが興味ありそうな映画」で見抜かれたこと

「あなたが興味ありそうな映画」で見抜かれたこと

今夜は家で映画を見ようと決めたとき、タブレットでAmazonプライム・ビデオを開くと、いつも同じ現象が起こります。「あなたが興味ありそうな映画」として上位に並ぶのは恋愛・ロマンス映画ばかり。それも王道のシンデレラストーリーが大好きなのを見抜かれているんです。

シンデレラ

ウォルト・ディズニーの初代「シンデレラ」はもちろん、大のお気に入りは「マイフェアレディ」や「プリティウーマン」。ヒロインが困難を乗り越えて幸せをつかむラストシーンは、何度もリプレイして堪能したあと、いい歳して周りに人がいなくて良かったとホッとします。

たちの悪いシンデレラ症候群

たちの悪いシンデレラ症候群

一人娘の私は幼い頃から鍵っ子で、男性を間近で見るのは週末に帰ってくる父親だけ。少女漫画を愛読書として、恋に恋して育った結果、“いつか王子様が……”のシンデレラ症候群に陥りました。たちが悪いのは自分をヒロインに仕立てて酔っていること。

ときめいて追いかけて、相手が振り向いてくれたとたんに醒めてしまうオチが付いているのですから、勝手すぎますよね。これまでの恋の数はカウントしていませんが、今では中学生の孫もいて、戸籍にはバツ2の記録が刻まれております。

ちょい悪オヤジ

そんなシンデレラ症候群は歳を取るにつれて、好みのタイプが変わります。白馬の騎士よりは、酸いも甘いも噛み分けた“ちょい悪オヤジ”がいいかな。

都内の隠れ家ホテルのバーで葉巻をくゆらしてる横顔を見ながら、大人の沈黙を楽しむ……なんて不良中年同士の恋愛に憧れるのです。向こうは「なんだこのオバサン」と迷惑がっているんでしょうけどね。

が、しかし、まっすぐな目で私を大切にしてくれた人は、一回り年上の超堅物人間。奥様を亡くされて、居酒屋のカウンターでひとり影を薄くしているところを知り合いました。週1でいつも隣に座る友達になり、今週は一つ、来週はまた一つと、ゆっくり時間をかけて思い出話をしていく静かな関係です。

大人の恋愛は近い未来さえ霧の中

大人の恋愛は未来が不透明

ちょうどその頃、私は逗子から小田原へ引っ越そうと物件探しをしていたのですが、「僕は毎日が日曜日だから」と同行してくれて、不動産屋さんにも付き添ってくれました。

駅から徒歩圏内で、築浅で、エレベーターのあるマンションで、家賃は10万円以内に収まる好物件を見つけたときは、すっかりパートナーの気分。毎週末に小田原に来てもいいかと聞かれてOKしました。

平日は別々で、私は仕事、彼は逗子で猫の世話。入籍はせず、事実婚のパートナーとして週末を一緒に過ごす間柄です。同じ昭和世代とは言え、古希ちょうどの私に対し、彼は傘寿を超えているのですから、健康なままこの暮らしがいつまで続くかはわかりません。

手と手

遠くない未来に哀しい「そのとき」が来ることを覚悟しつつ、やっとシンデレラ症候群から抜け出た私には、大人の恋愛には程遠く、未熟な自分を思い知る反省が待ち受けていました。未来は霧の中のまま後半に続きます。

織田ゆり子
織田ゆり子

作詞家、WEB制作プランナー、パーソナルスタイリスト。着せ替え人形で服をデザインしていた子ども時代からおしゃれが一番の趣味。アパレル・美容関係の交流が広く、同世代の女性が10歳若見えするファッションコーデを提案しています。ブログ「歳を隠すのをやめました」を毎日更新中。