マリメッコ日本人デザイナー・石本藤雄さんの個展へ
2019.06.262018年08月15日
コバミカのおいしい編集生活
第1回役得づくし。横山タカ子さんの長寿ごはんを食す
雑誌「ハルメク」は、編集部員が全国各地へ飛び、自分たちの目で、耳で、舌で取材をして原稿を書いています。おいしいもの、面白いこと大好きな私コバミカが、各地の取材で出合った“おいしいはなし”に、どうぞお付き合いください。
“信州の至宝”の連載始まる!
ハルメク編集部に入ったのが、7年前(2011年)のこと。これまでたくさんの人生の先輩方に取材をしてきました。暮らしの知恵から、辛いときの気持ちの持ちよう、人生とは何か……。ありがたいお話を仕事で聞けるなんて、まさに役得。ハルメクの編集は、何と幸せな仕事なのでしょう。
役得というと、「食べることが趣味」な私にとって料理研究家の方の取材もそのひとつ。デスクでは平静を装ってはいますが、心の中では小躍りするほどのうれしいお仕事なのです。そんな私に、この春朗報が! 2018年5月号から長野県在住の料理研究家・横山タカ子さんの連載を担当することになったのです。
連載では毎月、横山さんの季節のしつらいとともに、お茶うけレシピを1品紹介しています。言わずもがな、とっても幸せです。取材を何度か重ねた今も、取材前日から心の中の小躍りが止まりません。
横山さんはご長寿県・長野に伝わる郷土食の研究をされていて、「信州の女性は、横山さんの料理本を持ってお嫁に行く」という逸話が生まれるほど長野県内では知られた存在。ある文筆家のブログには、“信州の至宝”と評されていました。
シンプル・イズ・ベスト
横山さんの魅力のひとつが、「シンプルな調味料と調理法」。もちろん「料理が最高に美味しい」も、もれなくついてきます。
ご自宅に取材にうかがうといつもお昼ごはんを作ってくださるのですが、台所で私の取材に応えながらチャッチャと手際よく料理し、わずか30分程度で4~5品が完成。横山さんのレシピは、塩、しょうゆ、味噌、酢のみの味付けが基本。このシンプルな味付けが、素材の味をいちばん引き立てておいしく仕上がるのだと横山さんは言います。調理法も、煮るか蒸すか、そのままいただくか。とにかく潔いのです。
次々と盛り付けられていく料理を、私がお盆にのせて黙々とテーブルへ運ぶ、というのが毎回の恒例。ある日のメニューがこちらです。
どんとこい!30年後の自分
こんなに幸せなひとときが待っているとなると、カメラマンもお昼ごはんに向けて張り切って撮影。回数を重ねるごとに、私たち撮影チームの息も合ってきて、お昼ごはんもゆっくりいただけるような余裕が出てきました。もちろん、本来の目的である取材も、丁寧にしておりますのでご安心を。
「今食べているものが、10年後のからだを作る」とよく言われますが、横山さんを拝見しているとこの言葉の重みを実感します。今年古希を迎えるというのに、お肌はシミもシワもなくピカピカでなんともお美しい。メイクはアイブロウと口紅のみ。体型もスッキリとスリムで、髪の毛もツヤツヤです。「今からがんばれば、あと30年後にはあの姿に少しは近づけるかもしれない……」と、この連載を担当するようになってから出来合いのお総菜は控え、野菜を多くとるようにして、家で糠漬けを漬けたり、調味料をちょっといいものに変えたりと、まともな食生活を心がけるようになりました。
その甲斐あってか、料理の腕が上がってきたような気がします。よく我が家に夕飯を食べに来る友人にも「料理うまくなった?」とお褒めの言葉をいただきました。さらに、ぽっちゃり系だった夫が、この春から5キロやせました。
「俺の健康のことをいつも考えてくれて、ありがとね」と御礼まで言ってもらって。自分のために始めたのですが、肝心の私の見た目にはまだそんな効果は出てこず……。でもまあ、今のところはよしとしますか。
そんなこんなで、おいしい役得がいっぱいのハルメク編集部です。
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