新しくなった特急踊り子号で、伊豆の温泉巡りへ!
2020.04.152019年06月20日
千葉と神奈川の名産をペロリ。東京湾ぐるり旅(後編)
東京湾を一周。鋸山と日本一の磨崖大仏、船で神奈川へ
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、気軽に行ける1泊2日の女性ひとり旅をご紹介。東京湾を一周する旅後編。木更津に宿泊して迎えた2日目の朝食からスタートです。鋸山の寺と絶品アジフライを楽しみながら海を渡ります。
バーべキュー弁当を食べて鋸山に出発!
前回の、東京湾ぐるり旅1日目をを読んでいない方はこちら「千葉と神奈川の名産をペロリ。東京湾ぐるり旅(前編)」
内房線・JR浜金谷駅の、鋸山(のこぎりやま)ロープウェーの営業は9時から。それに合わせて朝8時頃に木更津駅を出発します。今日一番の目的地は「鋸山 日本寺(にほんじ)」、そして無事にお昼ご飯が食べられるかどうかが今日一番の難関です。
朝食には「バーベキュー弁当」、略してバー弁をいただきました。香ばしいタレと黒胡椒が朝から食欲をそそります。このお弁当は冷めてから食べた方がより美味しいです。
この日は平日だったので、内房線には学生が大勢乗っていました。朝からテンション高い男子学生達。沿線にいくつか学校があるようで、徐々に人数が減っていきました。
日本一の磨崖大仏と地獄のぞきでスリルを楽しむ
約40分後に浜金谷駅に到着。10分ほど歩いて鋸山ロープウェー乗り場に向かいます。ロープウェーの乗車時間は4分程度。海側に広がるこの風景を見るのがちょっと怖かったです。
山頂の展望台では浦賀水道から東京湾へと抜ける景色が一望できます。雲のせいか、空が低く感じられました。さて、ここからが体力勝負です。
階段を降りていくと「日本一の磨崖(まがい)大仏 地獄のぞき」という看板が出てきます。ちょっと恐ろしげですね。こちらで拝観料を納めて境内に入ります。パンフレットをもらうのを忘れないでください。
こちらが鋸山の案内図。日本寺は、この鋸山の南側斜面が境内となっています。敷地面積は33万平米、約1300年前に開山したそうです。そして鋸山は、江戸時代から金谷石の採石場として栄え、ギザギザした稜線が鋸のように見えるため、その名が付いたとか。見所は百尺観音、地獄のぞき、大仏広場の大仏。もちろん途中途中のたくさんの観音像も見応えがあります。
急な階段を上り下りするので、歩きやすい靴を履いてこないと大変後悔します。
しばらく上っていくと、二股に別れる道があるので、左に入ってください。切り通しを抜けた先に、突然、百尺観音が現れます。これは感動。初めて見た時は思わず声が出ました。
百尺観音は石切場跡に6年かけて掘られ、昭和41年に完成した陸・海・空の交通安全を守る御本尊。先ほどの二股の道をまっすぐ進む方に地獄のぞきがあります。ラピュタの壁、と呼ばれる場所は、ここから少し外れるので、今回は時間の都合で割愛します。
さて、道をまっすぐと言いましたが、これがずっと上り階段。一気に登るのは難しいかもしれません。私も休み休み、ようやく上まで登り切りました。
地獄のぞきの先端は狭いので、一人ずつ交代で行くことになります。この日は空いていましたが、休日や大型連休になると行列ができます。ロープウェーの山頂駅には「ここから地獄のぞきまで往復約40分」とありますが、余裕を見て行きましょう。
体力に自信がある人におすすめのコース
体力に自信がない人は、もしかしたら地獄のぞきで折り返したほうがいいかもしれません。
私は先に進んで、山を下りながら羅漢エリア、中腹エリアへと進みます。森の中で自然も美しいので、景色を楽しみながらハイキングをする方が多いのも納得です。
下って行くと、山側にたくさんの観音像。自然の岩肌に並ぶ観音像の姿は「壮観」としか言いようがありません。ここは日本? と疑うような、なんとも不思議な空間です。ぜひ一度行って、実際に見てほしいです。
足を止めるのは写真を撮る時だけで、休みなくずっと歩き続けます。ようやく大仏前参道まで下りてきました。参道は紫陽花が咲き始めていました。
参道の突き当たりに売店と大仏があります。大仏は高さ31.5m、鎌倉の大仏の約2倍の大きさです。こちらは「薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)」で、世界平和を祈願しているそうです。
山頂駅に「大仏まで往復約90分」と書いてありましたが、ここまで来るのにすでに90分たっていました。時間はかなり多めに見た方がいいですね。
売店ではお守りやおみくじも売っています。「お願い地蔵尊」は、背中に願いを叶えたい人の名前を書き、お願い地蔵尊に願い事をしながら奉納すると、願いが叶うというもの。
もちろん私も自分の名前を書いて、願い事をしました。どうか叶いますように。
さて、ここからまたロープウェー乗り場に戻ります。それが思った以上に大変でした。以前来た時は、そのまま下山してJR線の隣駅、保田駅に抜けました。しかし今回はランチのために、浜金谷に戻らないとなりません。つまり再度、山頂まで階段で上らないとならないのです。体力のない方は、本当に無理かもしれません。
はまべのアジフライは2時間待つ価値あり!
山を下りて、急ぎ足で国道沿いにある食堂「はまべ」へ。11時半でしたがすでに行列ができています。慌てて並ぶと、なんと私で打ち切り! 12時の開店を前に、もう売り切れてしまいました。上り階段が苦しかったですが、急いでよかった。しかしお店に入るまでに2時間近くかかりました。ちなみに同じく有名な「さすけ食堂」もすぐ近くにありますが、こちらは以前3時間待ちました。アジフライに対する情熱が試されます。
待ち焦がれたアジフライ定食。アジがとても大きいせいで、ご飯茶碗が小さく見えます。持ち上げるとずっしり重く、箸が折れてしまいました。ふっくらと揚げられているので、どんどん食べ進みます。いつも味噌汁はあら汁だそうですが、この日は「かじめ汁」。「かじめ」とは、この辺りで獲れる海藻。付け合わせも金谷ひじき、という大きなひじきでした。ずっとアジフライが食べたかったので、ようやく満足できました。
金谷港からフェリーで浦賀水道を渡り、三浦半島の久里浜港へと向かいます。金谷港は浜金谷の駅から8分と近くて便利。きっぷは電車に乗車する時と同じように、乗る直前に買って、乗船すればよいのです。フェリーからは内房線のJR佐貫町駅の海側にそびえ立つ真っ白な「東京湾大観音」がちらりと見えました。こちらも私が好きな巨大観音です。
神奈川県の温泉とお寿司を楽しんで帰路へ
京急線の赤色を見ると、なぜかホッとします。乗り慣れた路線だからでしょうか。
三浦海岸駅からは、日帰り入浴をやっている「ホテル・マホロバマインズ」へ。17時までなら送迎バスがあります。こちらの温泉も、東京湾近くなのに黒湯ではなく透明のお湯。地下1500mから湧き出した天然温泉はナトリウム-塩化物強塩冷鉱泉。露天風呂が広かったです。
温泉の後は歩いて駅近くの「廻転寿司 海鮮」へ向かいます。こちらは回転寿司と言いつつ回っているものはなく、オーダー制。三崎といえばまぐろです。まぐろのいろいろな部位を食べ比べできるセットを注文してみました。個人的には中とろが好きです。
店を出て、三崎海岸駅に向かう途中、見ると幸せになれるという黄色い京急「イエローハッピートレイン」を見かけました。大満足の旅でしたが、さらに幸せな気分で帰りました。
実は今回の旅、1日めも2日めも、朝はご当地のお肉の駅弁、昼は地元魚のフライの定食、透明の温泉に入って、夜はオーダー式の回転寿司..…とパターンを同じにしてみました(笑)。
次回は「三陸鉄道リアス線開通記念の旅」の予定です!
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