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- どうして同じ花の蜜だけ集めたはちみつが取れるの?
はちみつは、アカシアやレンゲなど1種類の花蜜から作られる「単花蜜」の種類が豊富です。でも、いろいろな花が咲いている中で、ミツバチはなぜ1つの花の蜜を集められるのでしょうか?知られざるミツバチの秘密を養蜂家の藤善博人さんに伺います。
知られざるミツバチの習性とは?
ミツバチが元気に飛びまわる季節は、多種多様な花が咲いている時期です。
でも、はちみつには「アカシアはちみつ」「レンゲはちみつ」「オレンジはちみつ」など、1つの花の蜜から作られる単花蜜の種類が豊富にありますよね? いろいろな花が咲く中で、どうやってミツバチは特定の花の蜜だけを集めているのでしょうか。
ミツバチが特定の花の蜜だけを集められるのは、あまり知られていないミツバチの習性が関係しています。
それが「訪花の一定性」と呼ばれるもの。賢くて効率的と言われるミツバチの習性について、「みつばちおじさん」こと養蜂家の藤善博人さんに教えてもらいました。
ミツバチは効率主義者!一番甘い蜜をみんなで集める
藤善さんによるとミツバチは効率主義者で、まず巣の近くで同じ花が密集しているところを狙って花蜜を集めるのだそう。そしてその中でも、花蜜の糖度が高い花を優先します。
「さらに、よい蜜源を見つけた働き蜂は、巣板の上で、お尻を振りながら8の字を描く“8の字ダンス”で、他のミツバチたちにその場所を知らせます。それを合図に他の働き蜂たちも蜜集めについていき、単花蜜がたまっていくのです」(藤善さん)
これらの習性のことを「訪花の一定性」と呼びます。
「はちみつは糖度が80%近くありますが、ミツバチが取ってきたばかりの花の蜜は水分量が多いため、そのままでは糖度が低いのです。そこでミツバチたちは巣の中で翅(はね)を使って風を起こし、花蜜の水分を飛ばして糖度を上げています。
糖度の低い花蜜を集めてしまうと、80%まで糖度を上げるのに時間がかかってしまいますから、糖度の高い花蜜を優先的に集めて、効率よくはちみつを作っているのです」(藤善さん)
養蜂家は、この「訪花の一定性」の習性を利用して、狙った蜜源の近くに巣箱を設置しています。個々の花が持つ風味をダイレクトに味わえる単花蜜は、ミツバチの賢さと、その習性をよく知る養蜂家の工夫によって作られているのですね。
藤善さん直伝!単花蜜のおすすめの楽しみ方
単花蜜は、蜜源となる花や植物の風味をそのまま楽しめるのが魅力です。それぞれ個性が違う単花蜜のおすすめの食べ方を藤善さんに教えてもらいました。
- アカシアはちみつ……上品な香りが特徴のアカシアはちみつは、そのまま舐めて香りを楽しむのがおすすめ。トーストやヨーグルトとの相性も抜群です。
- レンゲはちみつ……やさしい風味で、ミルクやチーズなどの乳製品とよく合います。飲み物に混ぜてもおいしくいただけます。
- オレンジはちみつ……柑橘系の香りが楽しめるはちみつです。クワトロフォルマ―ジュなどのピザにたっぷりかけてもおいしい!
- ボダイジュはちみつ……ハーブ系の香りで、紅茶やハーブティーとの相性がぴったり。
- ローズマリーはちみつ……ローズマリーの風味は、肉料理やドレッシングにもよく合います。
とはいえ、はちみつの風味や味わいの好みは人それぞれ。藤善さんも「いろいろな組み合わせを試してみると、思いがけない発見があることも! 自分好みのマッチングを見つけるのも楽しいですよ」と話します。
そのままぺろりと舐めるのはもちろん、料理やドリンクと組み合わせるのも楽しいはちみつ。合理的で賢いミツバチたちが作る個性豊かなはちみつと、料理や飲み物のマリアージュもぜひ試してみてくださいね!
お話しを伺ったのは:藤善博人さん(養蜂家)
養蜂歴40年以上。みつばちについて深い知識を持つ。自宅でも養蜂を行っており、自家製のはちみつを毎日楽しんでいる。採蜜やミツロウキャンドル作りなどが体験できる「みつばち教室」の人気講師。「みつばちおじさん」として親しまれている。
取材協力:山田養蜂場
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