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- 女優・松雪泰子50歳!朗読で演じる楽しさと私生活
近年、話題を呼んでいるオーディオブック。“耳で聞く本”の人気が高まる中、湊かなえさんの著書『境遇』の朗読を担当した女優の松雪泰子さんに、収録についてや、50代に入ってからの仕事との向き合い方などをお聞きしました。
湊かなえ作「境遇」!ドラマ主演の松雪泰子さんがオーディオブックも担当
『告白』や『夜行観覧車』など、湊(みなと)かなえさんの小説は映像化作品が多いですが、2011年に発表された『境遇』も同年にドラマ化されました。そのドラマに主演した松雪泰子さんが、今回のAmazonオーディオブック・オーディブルでも朗読を担当されています。
――『境遇』のオーディオブックを聞かせていただきましたが、松雪さんの声がすごく素敵で、聞いていて耳に心地良いです! 松雪さんは2011年に主人公の陽子役でドラマ版に出演されましたが、今回、朗読を依頼されたとき、どのようなお気持ちでしたか?
松雪泰子さん(以下、松雪泰子)
とてもうれしかったです! 今回は湊かなえ先生からのご指名だったそうで、同時に、ドラマ主演の頃を思い出して、懐かしい気持ちにもなりました。
――陽子を演じたとき、特に印象的だったことはありますか?
松雪泰子
今から12年前で、当時、私は30代後半でした。割とサスペンス要素が強い映像作品だったので、陽子は運命に大きく翻弄される女性という印象でしたが、今回、このオーディブルで朗読を担当させていただいて、大きく印象が変わったんです。かなりイメージが違いました。
――それはぜひ、オーディブルを聞いて確かめてみたいですね。小説を朗読される際は、ドラマで演じた陽子の他にも、いろいろなキャラクターのパートも読まれるわけですが、何か工夫された点はありますか?
松雪泰子
監督がとても丁寧にディレクションをしてくださったので、アドバイスを参考に朗読しました。登場人物がすごく多く、男性キャラクターもいますし、女性もさまざまな年齢層の人を演じ分けていくのは初めての体験でしたね。
でも、あまり声色を意識しすぎず、自然な範疇の中で声を出していきました。それぞれのキャラクターが、どんな性格を持っている人物なのかを常に考えながら、それを声や音に乗せて表現したいと思いながら朗読していました。
――松雪さんもオーディオブックを聞くことはありますか?
松雪泰子
はい! 家事や移動の合間にも聞けるので、時間を有効に使えますし、また本を目で読むのとは違う発見があって面白いですね。
「自分のペースを保ちながら自然体」なのが松雪泰子流!
――松雪さんは、ご自身のペースを保ちながら、映画やドラマ、舞台などで活躍されていらっしゃいますが、仕事と生活の両立で最も大切にされてるのは、どんなことですか?
松雪泰子
息子も成人して子育てはもう終わっているので、仕事と私生活にそれほど境界線もなく、自然体でやっている感じです。最近、やらせていただいてる作品一つ一つが、とても夢中になれるものばかりで。どんな局面においても、楽しむようにしてます。あと、生活は丁寧に、というのを心掛けているかな。
――「生活は丁寧に」というのは、食生活とか健康管理についてでしょうか?
松雪泰子
そうですね。でも、かたくなに何かをやっているということではなくて、今まで積み重ねてきたものの中で、一番心地良いと思うものをチョイスして、無理なくやっている感じです。なんといっても「できる範囲で無理しない」がモットーです(笑)。
50代に入ったら…がんばり過ぎずしっかり休む
――50代に入って、気持ちや体に変化を感じることはありますか?
松雪泰子
やっぱり体は変化しますよね。無理がきかなくなってきているので、休むときはきちんと休むというふうに休息をや睡眠を重視しています。更年期の不調も気になるお年頃ですしね!
――無理がきかないとわかっていても、ついがんばり過ぎちゃう人もいると思うのですが、自然体でやっていくには、どんなことを心掛けたらいいでしょうか?
松雪泰子
私は、変にスイッチを入れないようにしています。どんな人と会うときも、あまり境界線を設けない、という感じでしょうか。例えば、私は一人旅が好きなんですが、そこで出会った地元の人と気楽にお話しするのも楽しくて好きなんです。
こうやって取材していただいている時間も、芝居をする直前も、全部同じで、その方が楽しいというか。仕事だからといって変に気負ったり、あまり気合いを入れ過ぎたりしないことを心掛けています。
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松雪泰子(まつゆき・やすこ)
1972年11月28日、佐賀県生まれ。91年に女優デビュー以降、数々のテレビドラマ、映画、舞台などで幅広く活動。近作は、舞台「カモメよ、そこから銀座は見えるか?」 (2023年)、テレビドラマ「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」 (23年)など。
作品情報
Amazon オーディブル、湊かなえ著『境遇』
デビュー作の絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は……。
取材・文=清水久美子 写真=泉三郎 編集=鳥居史(ハルメク365)
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