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- 人生相談:空き家の実家の片付け…気力ゼロで放置…
読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は65歳女性の「空き家になっている実家の片付けをする気力がありません…少しずつでも始めるべきでしょうか?」という相談に、消費生活アドバイザーの阿部絢子さんが回答します。
65歳女性の「空き家の実家の片付け」についての相談
私は今65歳で、98歳の親の介護をしながら生活しています。現在、親は介護施設にいるので実家は空き家になっているのですが、実家が片付きません。
長年の介護で私自身の元気もなく、片付ける気力が正直ありません。しかし、土地や私物など、できるうちに片付けておいた方がいいのではないか?という気持ちもあります。
片付けはほっておいてもいいものでしょうか?それとも少しずつでも始めるべきでしょうか?いいアドバイスをいただきたいです。
(65歳女性・KKさん)
阿部さんの回答:自身の体調を最優先にゆっくり進めて
高齢の親の介護は、とても、大変なことです。
私の友人2人は、親と遠い距離に暮らしているので、介護がとても難しい環境です。親は自分の希望を伝えるだけですが、伝えを受け取った子どもとしては、その希望をどう叶えたらいいのか……。
一人では実行に移せませんので、さまざまな介護の道に精通した方々とのつながりが大切になります。しかし精通した方々とは簡単にはつながれませんから、時間も必要となってくるのです。
現代介護のこのような手続きは、昔はありませんでした。今の親世代には必要とされませんでしたから、親は「希望を伝えればそれでいい」と思ってしまうのも仕方がありません。
親世代の介護と言えばほとんどの場合、自宅で家族全員が担っていたからです。家族が協力しなければ、介護は成り立たない時代だったのです。しかし現在は、親と一緒に暮らす子ども家族も少なく、頼りとする子どもたちが一緒に暮らす環境に居ないのが実態です。
最も理想的なのは、親が老いる前「体の自由が効かなくなった」「思うように動けなくなった」といった時に親はどうしたいのか、どう暮らしたいかなどを、ハッキリとさせておくことです。
しかし子どもには親の老いる姿など想像できず、また親としても自分が老いて動けなくなるといった姿は考えたくもない!というのが、多くの人たちの正直な気持ちではないでしょうか。
そうするうちに、気が付いたら、目前に介護が迫っていることに、親子ともに気が付くのです。そうなると、子どもとしては親の介護に専念せざるを得なくなるのです。
友人たちがそうでした。親の介護環境を整えるため、かなりの時間(一人は2~3年でしょうか、もう一人は、数か月といった時間)を働きながら捻出し、整えていったのです。
それは「自宅で暮らしたい」という親の希望を叶えるためでした。そのため、医師、ケアマネジャー、ホームヘルパー、それにリハビリ療法士などとのつながりが必要だったからです。
自宅にこうした訪問を受け入れるためには、家の問題から解決するといった必要な準備の時間でもあったのです。友人たちは「この時間が遠距離介護には難しい」と言うのです。
片付ける「場所ともの」を取捨選択!
KKさんが「長年の介護で私自身の元気もなく、片付ける気力がありません」とおっしゃっている通り、介護は日々のことなので体力、気力、行動力を要します。65歳というご年齢からすると、片付けを放り出したい気持ちもわからないでもありません。
でも実家を整理することは、遠くない未来に必ずやってくること。その時がいつなのか、誰にもわかりませんが、私は放り出していいとは思えないのです。
最近問題になっている空き家が語っているように、実家はある程度片付けておくことは親の最期の片付け処理の一つなのです。それは親から引き継いだ子どもの務めだとも考えるからです。
KKさんの親御さんが施設に入居されているとのことなので、まずはKKさんご自身の体力回復を最優先させましょう。親の介護通いは毎日ではなく、週に数回と決めた方がいいと思います。その上で、体力、気力、行動力の回復と相談しながら、“できる範囲の実家片付け”に取り掛かってはいかがでしょうか。
“片付けに取り掛かる”とはいっても介護通いが優先ですから、どれくらいの頻度で片付けができるのか?あくまでも自分の体調をシッカリと見極めることをおすすめします。体調次第で片付けを週1回にするか2回にするか、気力とも照らし合わせながら少しずつ試していくのがいいのではないでしょうか。
具体的な片付け手順としては
- 片付ける場所とその順番を決めます。
例えば、一番はキッチン、二番はリビング、三番は寝室などと決めます。 - “最初に片付けると決めた場所”で、“ものを入れたり並べたりしている場所”のものの片付け順番を決めます。
例えば、キッチンなら、一番は食器戸棚、二番が吊戸棚、三番はシンク下、といったようにです。 - 途中で片付けができなくなることも考え、片付ける場所に何かあるかを確認し、ざっと「必要」「不要」をハッキリと付箋(ふせん)などで貼り付けておきます。
ここまでにも時間を要しますが、体調との兼ね合いでゆっくりと進めることです。そして体調のいい場合、さらなる具体的な片付けを実行します。
それはものの取捨選択です。付箋を付けた必需品は何処に置くか、また不要としたものは
- 譲る
- リサイクルする
- 販売(無料でも)する
- 廃棄する
などに分別して、さらなる付箋を付けておきます。
しかし体調が思わしくなければ、場所決めとものの要・不要の判断をして終了としても構わないと思います。実際の片付けである不要と判断したものの分別は、プロの片付け業者に依頼してもいいと思います。
要は「ものの要・不要を判断することが、最も片付けには重要なことで、この取捨選択がシッカリと判断ついていれば、あとは最後の片付けとして任せることでも構わない」というわけです。
私は、体調次第に考えて片付けの実行をおすすめします。
回答者プロフィール:阿部絢子さん
あべ・あやこ 1945年、新潟県生まれ。生活研究家(消費生活アドバイザー)・薬剤師。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。
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