公開日:2021/11/10
ファッションデザイナー・横森美奈子さんが50代からのおしゃれのコツをアドバイスする連載企画。今回のテーマは、冬のファッションを明るく元気にするポイントです。冬は重たく元気のないコーデになりがち。明るく刷新する色使いや小ワザを教わります。
■挑戦した人:読者モデル・齋藤美砂さん (60歳)
60代を迎えたのを機に、読者モデルに応募したという齋藤美砂さん。「年のせいなのか、なんだかおしゃれがキマらなくなってきた」と話します。
齋藤さんの冬の定番色は黒。「コートやセーターは、無難で落ち着く黒が基本。ただ黒一色だと暗く見えると思って、明るいピンクやブルーの服を合わせることもあります」
そんな齋藤さんのいつもの着こなし(写真左)を見て、「せっかく明るい色を着ても、元気に見えません」と横森さん。「齋藤さんは“上品きれい”でおとなしい顔立ちなので、強い色をただ着るだけだと、洋服の方が目立ってしまう。結果的に顔の印象が薄くなり、かえって寂しく見えてしまっています」と分析。
そこで軽快なバランスにするために、まずは髪をアップスタイルにし、コーラル系のリップで明るさをプラス。さらにパンツの丈を短くするなど小ワザを効かせた結果、ご覧の通り、上品きれいさを残しつつ、元気な印象に(写真右)!
「一気に垢抜けて感激です。無難に服を着るだけでは、素敵に見えないんですね」と齋藤さん。「その通り! 無難から脱すれば、おしゃれはもっと楽しくなりますよ」と横森さんはアドバイスします。
黒のコートをそのまま着ただけ(写真左)では、真面目すぎます。まるで「法事ですか?」というふうに見られてしまいかねませんね。なんだか寂しく、老けて見えるのももったいない!
ところが、インナーに「ユニクロ」のダウンベストを着て、コートの前を開ければ、温かさを保ちつつ元気な装いに(写真中)。白っぽいパンツも若々しさを演出します。
また、きちんとしたコートにカジュアルなボーダーニットを合わせるテイストミックスにチャレンジすると、今風おしゃれに(写真右)。存在感あるブルーのトートバッグで差し色を。
鮮やかなブルーに惹かれて購入したセットアップ(写真左)。「気に入ってはいるのですが、なんだかうまく着こなせなくて……」と齋藤さん。
同じブルー系でも、優しく淡いトーンのストールで顔と服をつなげると、全体に柔らかな雰囲気に。グラデーションの配色で上品な印象になります(写真中)。
また、同じくグラデーションの配色で、ボトムを「ユニクロ」のシフォンプリーツスカートパンツにチェンジ(写真右)。下半身が明るく軽くなることで、グッと若々しく、背高効果もあります。
トップスを明るいトーンのセーターにチェンジ。あえて2サイズ大きいセーター(LL)を選びました。上半身にゆったり感が出る分、下半身がスッキリ見えます。
【これはNG】
ジャストサイズ(M)のセーターを着てみると、写真のように全身にメリハリがなく、おしゃれ感もありません。
買ったものの、ほとんど着ていないソフトタイプのトレンチコート。トレンチはもともと男ものアイテムなので、ただ着ただけでは素っ気ない雰囲気です(写真左)。
そこで、前を開け、ウエストを絞ってXラインのシルエットにすると、グッとおしゃれに。袖口からセーターを見せ、さらにきれい色の大判ストールで女性らしい華やかさを(写真右)。
齋藤さんが「派手な柄が悪目立ちしそうで、どう着たらいいかわからない」というスカート。とりあえず黒のセーターを合わせて着ているそう(写真左)。柄のスカートがなんだか悪目立ちしていますね。
一方、セーターをアイボリーにしたら、スカートの柄の主張がやわらいで軽やかに(写真右)! パンプスもブーツにチェンジして、今っぽいおしゃれ感が出ました。
無難だと思ってなんでも黒を合わせたり、強めの色や柄なら華やかに見えると思っていましたが、横森さんに「そのままだと服に負けてしまいます」と言われ、ハッとしました。これからは鏡の前で自分がどう見えるかチェックしようと思います。
構成=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=日高奈々子 ヘアメイク=木村三喜
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年12月号に掲載された内容を再編集しています。
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