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- 大井川鐵道で行く静岡旅!スリルと絶景、懐かしのSL
大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、気軽に行ける1泊2日の女性ひとり旅を紹介。今回は大井川鐵道の旅後編。新緑、青緑の湖、湖上にある秘境駅の絶景を楽しみながら、SLにも乗ります! もちろん静岡グルメも堪能します。
寸又峡の夢の吊橋でスリリングな体験を
前回の大井川鐵道1日目をを読んでいない方はこちら「動く鉄道博物館・大井川鐵道で行く!絶景旅(前編)」
「ホーホケキョ」という声で目覚める朝。この辺りのうぐいすは鳴き方が上手です。7時からのホテルバイキングで朝食をとり、地図をもらって寸又峡の名所「夢の吊橋」へと散策に出かけます。しっかり日焼け止めを塗らないと、かなり焼けてしまいそうなお天気です。
夢の吊橋までは徒歩30分ほど。とはいえ、上り坂なので思ったより時間がかかります。道すがら、源泉が湧き出しているところを何か所か見かけました。飲泉はできませんが、触れるとやはりトロトロとした泉質で気持ちいいです。
夢の吊橋へ続くハイキングコースの入口手前に、「林鉄 大間駅」と書かれた建物がありました。ここには1968(昭和43)年まで、千頭山国有林から伐採した木材を運搬するために寸又川沿いに森林鉄道が走っていたそうです。
![左/新緑の影が落ちる道 右/この階段を下っていく](https://halmek.co.jp/media/uploads/00fd6c800779c6906da3436fde213b7f1558320549.8172.jpg)
ハイキングコースに入ってからは、まぶしいくらいの緑が目に飛び込んできます。
途中、ここを通っていいのかな? と不安になるトンネルがありますが、まっすぐ通り抜けるとすぐに、吊橋へと降りる階段が出てきます。かなり急な階段です。
ついに夢の吊橋が目の前に現れました。しかし、写真で見た美しい青い湖が下に広がる光景ではありません。実は、2018年10月の台風で土砂が流れ込んでしまい、残念ながら、5月現在も、あの光景は望めなくなっているそう。早く以前の景観が戻ってくるのを祈るばかりです。
とりあえず吊橋を渡ってみます。この吊橋の定員は10名。私が到着した時は誰もいなかったので、自分のペースで進めます。まずは一歩ずつ、そろりそろり……。
……すみません、怖くて渡れませんでした。
かなり揺れるので、3mほど進んで足がすくみました。私は高い場所で動くものが大変苦手です。ジェットコースターはもちろん、外が見えるエレベーターなどは乗れません。高くてもしっかりとした建物であれば大丈夫なのですが。吊橋は、やっぱり無理でした。
![](https://halmek.co.jp/media/uploads/dd858a6915ad7a5f5df5c59256e68f5f1558336678.8964.jpg)
(右)飛龍橋の少し手前からの景色。奥に夢の吊橋が見える
紅葉の時期など、混雑しているときは夢の吊橋は一方通行だそうです。ちなみに渡りきった先にも、急な302段の階段が待っているとか。対岸をグルッと回って、かつて森林鉄道のトロッコが走っていた飛龍橋を渡って戻るルートが通常のコースのようですが、こちら側から歩いて飛龍橋まで行くこともできます。
橋の上にある秘境駅「 奥大井湖上駅」で散策
さて、ホテルに戻ってチェックアウト後、10時過ぎのバスで奥泉駅に向かいます。ちなみに翠紅苑の宿泊客は、宿泊した翌日も温泉の利用が可能。ゆっくりしたい方は、バスを遅らせて、温泉に入ったり、近所のカフェで過ごしたりするのも良さそうです。
奥泉駅から、再び井川線(南アルプスあぷとライン)で井川方面へ向かいます。アプトいちしろ駅でのアプト式機関車の連結作業をまた見つつ、奥大井湖上駅で下車しました。
奥大井湖上駅は、私が大井川鐵道で一番好きな秘境駅。こちらにはお手洗いや休憩所がありますが、自販機はありません。ジュースなど飲料は一つ手前のアプトいちしろ駅で買っておきましょう。以前来た時は、ここで2時間ほどの待ち時間があったので、買って来た駅弁を食べてのんびり過ごしましたが、今日は50分足らず。急ぎます。
![左/レインボーブリッジの上の歩道 右/階段の途中からの眺め](https://halmek.co.jp/media/uploads/9a0b026fa024dc79b471d01aa4bb31671558321771.0112.jpg)
青い湖の上にかかる橋は「レインボーブリッジ」と呼ばれています。実はこの橋、線路の横に歩道があり、歩いて渡ることができます。橋を進み、トンネル手前の急な階段を登って、さらに上へ。ちなみにここは造りがしっかりしているので、私でも怖くないです。
![定番の写真スポットから奥大井湖上駅を撮る](https://halmek.co.jp/media/uploads/13b71c0c11de884c4e9b352aaaffb7921558321889.527.jpg)
さて、上の道路に出ました。ここは、奥大井湖上駅が一望できる、素晴らしいスポットなのです。駅から眺めるよりも、湖が青く、きれいに見えます。ちなみにここまで片道約18分ほど。急な階段と山道を登るので、時間に余裕をもっておいた方がいいです。
外からも、中からもSLを堪能!
![左/到着した下りのSL 右/SLの運転席に入って写真が撮れる](https://halmek.co.jp/media/uploads/a30a5c156d0d2e5483e8a806522292d11558321966.2108.jpg)
急いで駅まで戻り、今度は千頭方面の列車に乗車、終点の千頭(せんず)駅で降ります。千頭駅には、新金谷駅から来たSLが到着していました。みなさんが記念撮影している中、私も記念撮影。下りのSLでは、このように運転席に入って写真を撮ることもできます。
このSLの上り列車に乗車して新金谷駅に向かう予定ですが、出発までまだ1時間半ほどあります。SLが停車している目の前、千頭駅売店横の立ち食いそばで、ササッとお昼ご飯。土日祝日限定10食の「鹿肉そば」をいただきました。濃いつゆにしっかりとした食感の鹿肉で食べ応えがあります。ジビエが800円で食べられると思うとお得です。
食後は井川線のホーム一番奥の転車台(ターンテーブル)へ向かいます。転車台とは、蒸気機関車の向きを変えるために作られた鉄道施設。線路上で向きを変えるのは不可能なので、ここに一度機関車を乗せて、180度向きを変えるのです。
![転車台に乗った蒸気機関車を回して方向転換](https://halmek.co.jp/media/uploads/9614c228a8a37a8286c2e5543de0f3781558322260.3317.jpg)
新金谷駅の転車台は電動ですが、こちらは手動でしか動かせません。SLが転車台に乗り、周りのレバーを車掌さんほか、何人かで押して回します。すごく重そうで見物客の子ども達から「がんばれー」と声がかかります。
その後は千頭駅正面横にある、「SL資料館」へ。こちらは100円で入館できます。千頭のSLに関わる資料や今までに使ったヘッドマークなど、さまざまなものが展示されています。
![大井川鐵道ビール SLおばさん(愛称)のハモニカ演奏](https://halmek.co.jp/media/uploads/07f3efed1495e53bc3d41f7bbaf354891558322332.9136.jpg)
出発時間になりました。あまりの暑さに売店で大井川鐵道ビールを買い、SLに乗り込みます。車内販売されるのはお土産のみなので、飲み物・食べ物は買っておきましょう。車内では「SLおばさん」と呼ばれる方の案内やハモニカ演奏を楽しみました。
静岡グルメと言ったら、黒はんぺん
新金谷駅でSLから普通車両に乗り換え、金谷駅へ。そしてJR金谷駅から1つめの島田駅で下車します。目的は、島田駅から歩いて5分ほどにある大井神社の境内にある売店です。
以前から、こちらの神社の売店に、静岡おでんがあると聞いていました。境内には公園もあり、子ども達が遊んでいます。売店では主に駄菓子を売っていて、こちらの静岡おでんは子ども達のおやつとしても売られています。『ちびまる子ちゃん』の漫画を思い出しながら、私もダシ粉と甘味噌をかけて、おやつにいただきました。
静岡駅に到着。帰りの新幹線までまだ時間があります。この日、静岡では鉄道イベントが行われていました。すると親しくしている大井川鐵道の広報、山本豊福さんから、イベントが終わり、ちょうど静岡駅にいるとの連絡が。合流して、山本さんオススメのお店で旅の報告と打ち上げをしました。
最後の〆は食べなかったので、新幹線に乗る前に、駅の東海軒コンコース売店で「黒はんぺんフライサンド」を購入。シャキシャキとした食感の、刻みワサビの入ったタルタルソースと黒はんぺんフライが、ビールにとてもよく合います。
大井川鐵道はお土産の種類が以前より増えていました。今回は乗れなかったズームカーのマフラータオルと、SL黒カレー、井川線アプト式赤カレー、寸又峡茶羊羹を買いました。新茶は今年、遅れているそう。しかし、そのおかげで美しい茶畑の景色が望めました。
新緑をはじめ、ブルーグリーンの湖や茶畑、わさびに緑茶と、緑にあふれた旅でした。
2日めのルートはこちら
![イラスト地図・2日めのルートはこちら!](https://halmek.co.jp/media/uploads/f10f3d82770e58cd57bbff4a418080281558353519.246.jpg)
寸又峡温泉の路線バスは平日と土日では運行本数が違うので注意してください。歩く場所も多いので、体力と相談して計画しましょう。
次回は夏に向けて、海沿いのあの場所に行ってきます!
☆本記事に記載されている写真や本文の無断使用・ 無断転載を禁じます。また掲載情報は取材時点のものであり、最新の情報は施設等へお問い合わせください。
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