- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- 賢者2人の健康を支える、理想の「呼吸法」とは
88歳の現役医師・帯津良一先生と、禅の高僧・横田南嶺管長。その道の賢者は、実は健康賢者でもありました。お二人の共著『心とからだを磨く生き方』から、心身ともに長く健康でいるために実践している健康法を3回に分けて紹介します。
2人の賢者が考える、理想の「呼吸法」
「心身の元気を保つ秘訣は『呼吸法』である」と、88歳の現役医師・帯津良一先生と、禅の高僧・横田南嶺管長は語ります。
30代の頃から呼吸法を実践してきたという帯津先生。ただし、帯津先生は「呼吸法は一つの手段である」とも言います。
「私が長年実践してきた“調和道丹田呼吸”ですと、三呼一吸法でハー、ハー、ハーと息を吐き、スーと一度吸います。これはあくまで一つの方法であり、身についたら別段それを意識しなくても、ちゃんと呼吸が整っていくのが理想ではないかと思うのです」(帯津先生)
横田管長も同じくいろいろな呼吸法を長年実践してきたそう。その上で「こだわり過ぎも良くない」と話します。
「例えば、人によっては『何分間、息を吐かないといけないのかな』と一生懸命になり過ぎて、苦しくてしようがないと。何も苦しくなるまでやらなくてもいいんじゃないかと思います(笑)」(横田管長)
お二人とも、呼吸法は一つの手段であるため、いろいろなこだわりを捨てて「体が本来持っている呼吸が素晴らしいというところまで行くのが理想」だと話します。
吐く息に気持ちを込めれば、体が整う
帯津先生いわく、気功の一種である呼吸法は「調身・調息・調心」が基本になっているとのこと。
「調身」
「調身」は身を整えること。上半身の力が抜けて下半身に気が張っている「上虚下実」(じょうきょかじつ)の状態を目指すもの。
「調息」
「調息」は吐く息に気持ちを込め、体の中で増えようとしているエントロピー(吐く息、汗、涙、大便小便などの不要なもの)を外に捨てること。
「調心」
「調心」は「不動智」(ふどうち)、すなわちどんな誘惑にも負けない心。一か所に固まっているのではなく、四方八方にゆらゆらと動きながらも、何かあればさっとそこへ行く心のこと。
「調息の『エントロピーを外に出す』というのは、体の中の汚れたものを吐き出し、清らかなものを吸い込むことです。これは江戸時代に健康で長寿を保つ具体的な養生法が紹介されている貝原益軒(かいばらえきけん)の『養生訓』にも書かれています。
吐く息に気持ちを込めるだけで、体の中の秩序が失われずに済む。だから健康維持にも良いんです」(帯津先生)
体の中の汚れたものを吐き出すのが大事
賢者2人は、呼吸法においても「入れるより出す方が大事」と言います。
「人間、出すものを出せないほど苦しいことはありません。大便でも小便でもね。私は幸いそういう病気をしたことはありませんが、経験のある方は必ず言います。『出せないほど苦しいことはない』と。出せることは幸せなのです。呼吸も同じ。出せば、自ずときれいな息が入ってきますから」(横田管長)
「生きていく中で体の中に溜まった不要なものは吐く息や大便、小便、汗、涙などで体外に捨てて行くのだけれど、のべつまくなしに汗をかいたり大小便を出したりすることはできません。でも呼吸なら何回でも繰り返せます。そういう意味でも、呼吸法には大きな意味があると思っているんです」(帯津先生)
次回は、お二人が実践している健康法の一つ、柔らかい体と感性を取り戻す健康体操「真向法(まっこうほう)」のポイントとやり方を紹介していきます。
※本記事は、書籍『心とからだを磨く生き方』(インターブックス刊)より一部引用・抜粋して構成しています。
教えてくれたのは……
■帯津良一(おびつ・りょういち)
医師、帯津三敬病院 名誉院長
1936年埼玉県川越市生まれ。東京大学医学部卒業、医学博士。都立駒込病院外科医長などを経て、82年、埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立。日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長。著書に『帯津三敬病院「がん治療」最前線: からだとこころに優しい治療のすべて』(佼成出版社)など多数。
■横田南嶺(よこた・なんれい)
臨済宗円覚寺派 管長/花園大学 総長
1964年和歌山県生まれ。大学在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。91年より円覚寺僧堂で修行し、99年、円覚寺僧堂師家に就任。2010年、同管長に就任。17年、花園大学総長に就任。著書に『自分を創る禅の教え』『禅が教える人生の大道』(以上、致知出版社)などがある。
書籍『心とからだを磨く生き方』(インターブックス刊)
88歳の現役医師と、禅の高僧が語る、長寿の秘訣。人生100年時代に読みたい珠玉の対談。
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?