白髪染めから解放された魅力ある髪型の作り方
自宅で1000円以内でできる!グレイヘアへの移行法
自宅で1000円以内でできる!グレイヘアへの移行法
公開日:2019年07月24日
【宮尾節子さん 60代】美髪の秘訣は手を掛けすぎないこと


詩人として活動している宮尾さん。緩やかなウェーブがかかったシャンパンゴールドのこの美しいロングヘアは、“詩人・宮尾節子”のトレードマークでもあります。「ポエトリーリーディング」と呼ばれる詩のライブイベントでは、ときには髪をかき上げながら抒情的に、ときには髪を揺らしながら激しく、観客の心へと言葉を届けます。
「グレイヘアになってから、街で子どもに『ねぇ、なにじん?』なんて聞かれることもあるんですが、『しじん』と答えています(笑)。『なにじん?』と聞かれるような髪色になったので、国境も年齢も超えられるような自由なファッションを楽しんでいます」
この日着ていたブラウスも海外の古着……のように着こなしていますが、実は90歳の義母のおさがりなのだそう。「昔1000円で買った生地で作ったらしいの。このブラウスで写真を撮ってもらえるなんて、きっとママも喜んでくれるだろうな」と笑います。
豊かな美しいロングヘアをキープするために、さぞ入念にお手入れをしているかと思いきや、「ケアは椿オイルを使っているくらいで、ほとんどしていないの。このパーマも7か月前に美容院でかけてもらったきりです。美容院は年1、2回ぐらいかな。美容師さんが達人なので。あとはセルフケア!」と意外な答えが返ってきました。
ウェーブを美しく出すためのスタイリング剤も使っていないとのこと。「寝る前ではなく出掛ける前に髪を洗うようにすれば、トリートメントするぐらいでスタイリング剤に頼らずともきれいにウェーブが出てくるものですよ」。この手を掛けすぎない“ありのまま”が、宮尾さん流の美髪の秘訣のようです。
「白髪もがんばって生きているんだ!」
このヘアスタイルは今も通う美容院「STEP BY STEP 練馬店」でセット(宮尾さん提供)
高校生の頃からいわゆる“若白髪”で、そのことをコンプレックスに感じていたという宮尾さん。「『若いうちから白髪になる人はいずれ黒くなるよ』なんて言う人がいたけれど、そんなの大ウソ!(笑) 私の白髪は順調に育っていきました」
その間は白髪染めで染め続け、黒髪のウェービーヘアをキープし続けていましたが、転機が訪れたのは2000年のこと。当時、白髪が全体の3分の1ほどを占めるようになっていました。
「その頃私は40代後半に差し掛かっていて、白髪もがんばって生きているから、今度は黒髪じゃなくて白髪に合わせてみてもいいんじゃないかなって心境が変わってきたんです。変わりゆく人生にエールを送るつもりで、白髪染めを卒業する決心をしました」と振り返ります。
グレイヘアへの移行アイテムは1000円ほどの「おしゃれ染め」
グレイヘアへの移行方法は、プロの手を借りず、自力で開拓していったという宮尾さん。
まず、一度ブリーチをして金髪にチェンジ。このイメージチェンジも周りから好評ではありましたが、ブリーチは髪へのダメージが激しいため、白髪とうまく付き合っていく他の術を模索します。そんな中、「行きつけの美容院の美容師さんが『なるほど』とうなった」と自負する“画期的”な染め方を発見しました! その方法とは……
「白髪染めではなくて、ドラッグストアなどで売っている普通のおしゃれ染めを使うんです。若い子が茶髪にするのに使うやつですね。これを使うと、白髪は染まらないけれど黒髪が染まる。店頭で『この色いいな~』と思って何気なく手に取ったおしゃれ染めのパッケージ裏の注意書きに『白髪には染まりません』って書いてあったんですよ。『これだぁ~!!!』ってめちゃくちゃテンションが上がりましたね」
このおしゃれ染めカラーで色を試しながら染めるのを繰り返すうちに、今の髪色が完成していったといいます。
自宅でのおしゃれ染めなら、1回にかかる費用はわずか1000円足らず。白髪の量が増えてきた現在、年2回ほど自分でおしゃれ染めをしているという宮尾さん。つまり、このグラデーションをキープするためにかかっている費用は年間3000円! 「宮尾式のグレイヘアテクとしてみなさんにおすすめしたいの!」と笑います。
「白髪染めをしているときって、2週間くらいで生え際に白髪が出てきて『あぁ、白髪出ちゃったか……』とがっくりしていたんですが、今度は出てきて気になるのが黒髪。黒髪は白髪と違って『出ちゃったか……』とならないから不思議ね(笑)。悪い気はしない」。出てきた黒髪も、グラデーションカラーのひとつとして生かし、受け入れています。
ニューヨークで褒められたグレイヘア!
グレイヘアになってから、忘れられない経験があるという宮尾さん。「ニューヨークでグッゲンハイム美術館を訪れた際、受付で『なんてゴージャスな髪なの!』と褒められたんです。白髪を褒められるなんて予想もしてなかったから、すごくうれしくて。長生きしてきたご褒美だわ、なんて思いました」
何気なく続けていたグレイヘアでしたが、以来、「マイナスだと思ってきたものを受け入れて、どう生きるか」を考えるようになったと言います。
「顔も体形も年を重ねるうちに下垂してくるでしょう。こういう変化をついネガティブに捉えがちだけど『あぁ、土が呼んでいるなぁ。いずれ土に帰っていくのだから至極当然なことか』と思えば受け入れられる(笑)。ありのままの自分を受け入れて、その中でどれだけのおしゃれができるのか、どれだけ魅力的でいられるのかを工夫し、実行していけばいい。そういうことをこの髪が教えてくれました。そんなふうに、これから人生の肯定力をもっと鍛錬していきたいですね」
「よかった」と思える人生にするために
“宮尾式”のグレイヘアはこの先も続けていくのでしょうか。
「私は人生の最期のセリフをもう決めているの。それはね『よかった!』なの(笑)。だから人生の後半戦は『よかった』の岸辺を目指して船を漕いでいけばいいんだと。何があっても最終的に『よかった』にたどり着くために正しい判断かどうかだけを考えて物事を選択していく。簡単でしょ?」
そう前置きした上で、「大げさかもしれないけれど、私にとってヘアスタイルもその一つ。これからもロックな詩人でいたいので、このスタイルのままいけるところまでいこうかな。ん~、でも最後はさっぱりとスキンヘッドにするのもいいかも!!」と笑う宮尾さん。
「よかった」の岸辺に向けて――。宮尾さんのヘアスタイルに対する冒険心はまだまだ尽きないようです。
※宮尾さんは今秋、クラウドファンディングによる新詩集『女に聞け』を発行予定です。
取材・文=小林美香(ハルメクWEB編集部)、撮影=中村彰男、ヘアメイク=木村三喜
引き続き、すてきなグレイヘアのスタイルの女性に、移行期の乗り切り方や白髪との付き合い方などを聞くインタビューをハルメクWEBで掲載します。記事の更新についてはハルメクWEBメールマガジンおよび、ハルメクWEB BEAUTYメールマガジンでお伝えします。購読を希望される方は、ページ下部からご登録をお願いします。
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