2018年10月21日

素朴な疑問

どうして老眼になるの?

どうして老眼になるの?

 

前からときどき、近くのものがよく見えないときがあって、まあ目が疲れているのかなと思っていました。でも最近、ますます見えにくくなって、友だちと話していたら「それは老眼よ」と言われてしまいました。(ろーがん! ショック!!)

 

でも、ワタシ若い頃から近視気味で「近視の人は老眼にならない」って聞いていたし、おかしいなと思っていて……。でも、でも旅行パンフレットの旅程表とか、細かい字がぼーっと霞んで全然読めなくなったので、ついに眼科に行ってきました。そこで診察を受けて老眼について先生から話を聞いたら、これまでの老眼についての知識がほとんど間違っていたことがわかってびっくり。

 

まず「近視の人は老眼にならない」というのは間違いだそう。老眼はどんな人も逃れられない老化現象のひとつで40歳前後になれば誰でも、程度の差はあるけれど、老眼の症状が出てくるのだそうです。(えっ、そんな頃からなっちゃうの)

 

人の眼は、中に液体の入った水晶体という柔らかいレンズと、網膜という撮像素子(画像を捉えて電気信号に変える)でできているデジタルカメラのようなもので、光を受けて網膜が出力する電気信号を神経という電線を通じて脳で受け取り、脳で画像の処理をして外の世界を見ているんだって。(すごい!)

 

デジカメではカメラが電気の力でレンズを動かしてピント合わせをしてくれるけれど、人の眼の場合はこのピント合わせを、水晶体という柔らかいレンズを、毛様体という水晶体の回りの筋肉で引っ張って、レンズの厚さを変えることで行っているそうです。

 

でも歳を重ねると、この水晶体というレンズが硬くなってくる。それからレンズを引っ張る筋肉の力も衰えてくる。そこで近くを見るときの「ピント合わせ」が難しくなる。だから近くのものが見えにくくなってしまう。つまり老眼は「眼の調節機能」の衰え。だから、眼が疲れていると症状がハッキリ出てくる。そのときの眼の調子で見えたり見えなかったりするから、症状があってもそのままにしている人が多いのだとか。

 

しかも、近視の人は眼のレンズが普通の人より近くを見やすい状態になっているので、遠視や普通の人より、老眼の症状が自覚しにくいんだって。だから「近視の人は老眼にならない」という俗説が生まれてしまったんですって。逆に遠視気味の人は老眼の症状を自覚しやすいそう。

 

老眼が怖いのは、近くのものが見えにくいだけではなくて、めまいや頭痛などの原因になる場合があること。「近くのものが見えいくい」という症状が出て困ったら、そのままにしないで老眼鏡を掛けた方がいいんですって。

 

でも老眼鏡、どこでどう作ればいいのか、よく分からないわ。だからテレビCMしている「なんとかルーペ」という名前の拡大メガネが売れているみたい。実は老眼で困っているのに、そのままにしてきた人が多いからだと先生はおっしゃっていたわ。

 

老眼鏡は、眼科できちんと視力を測定して、そのデータに基づいて、ちゃんとした技術のあるメガネ屋さんで作るのが理想なんだそうです。ほとんどの人が、老眼と同時に乱視の症状も抱えているそうで、この作り方なら老眼に加えて乱視の症状の改善もできるそうです。

 

それから、老眼鏡には大きく分けて近くを見るときだけに掛ける拡大レンズを使ったタイプと、掛けたままで遠くから近くまで見える累進多焦点レンズを使った遠近両用のタイプがあるのだそう。ただ、遠近両用タイプは便利だけれど、使いこなすには注意と慣れが必要なので、掛け始めていきなりクルマを運転したりするのは危ないそうです。

 

私は最初に近くを見るときだけに掛けるタイプを使ってみましたが、細かい字もハッキリ見えるようになって快適です。もし悩んでいるなら一度眼科に行ってお医者さんに相談してみたらいいと思いますよ。

 

 

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とは言え、なんとかルーペも魅力的
とは言え、なんとかルーペも魅力的

 

イラスト:飛田冬子

 


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