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2020年05月18日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
昨日も友人と電話でおしゃべりしたのですが、「ご近所さんが熟年離婚しちゃったのよ。仲のいいご夫婦として近所では有名だったから、ビックリしちゃって」と興奮気味に話していました。
「熟年離婚」。ニュースで耳にしたことはあるけれど、現実に起こっていることなのね……。もしかして今、熟年離婚する人って結構いるのかしら? 早速調べてみることにしました。
そもそも熟年離婚の明確な定義はなく、一般的に結婚して20年以上たっている、50歳以上の離婚を熟年離婚と呼ぶようです。2005年に放送されたドラマ「熟年離婚」をきっかけに、広く使われるようになりました。
厚生労働省の統計によると、2018(平成30)年の離婚数は20万8333件で、平成14(2002)年の28万9836組をピークに減り続けています。しかし、20年以上同居している、いわゆる熟年離婚に当たる数は昭和60(1985)年には2万434件だったものが、平成17(2005)年には4万395件と20年間で倍増し、それ以降、毎年3万8000件前後で横ばい状態が続いています。
2018(平成30)年の統計によると、熟年離婚は離婚全体の約18.5%を占めており、その割合が少なくないことがわかります。
離婚の理由としては、以下のようなものがあります。
・性格の不一致
・価値観の相違
・モラハラ・DV
・相手が家庭を顧みない
・相手の浪費や借金
・相手の介護をしたくない
・相手の家族と合わない
・相手の家族の介護をしたくない
夫婦間の問題がありながらも、経済的な理由や子どものことを考えて、長年我慢して生活を共にし、子どもの独立をきっかけに離婚に踏み切るといったケースが多いようです。また、専業主婦の場合は、長年をかけてコツコツと貯蓄したり、仕事を始め経済力をつけたりして、離婚後の生活に不安がない状態になってから離婚に踏み切るといったパターンが多いようです。
さらに2007(平成19)年に年金制度が改正され、夫の年金を夫婦で分配できるようになったことも大きいようです。確かに「老後のお金が心配」という女性にとっては、離婚を後押しする制度改正ですが、注意点もあります。女性はお金について離婚前にしっかり調べて準備しておく必要がありますので、主な注意点ご紹介します。
1つ目は財産分与 。財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。対象になるのは現金、不動産、保険、退職金、住宅ローンなど。
対象となる財産は、原則として、別居時を基準に確定されます。別居後に取得された財産は、婚姻関係が続いていても財産分与の対象にはなりません。
離婚して2年経過すると財産分与を請求できなくなりますので、注意が必要です。
2つ目は年金。結婚期間中に夫が支払った厚生年金の50%を妻が受け取れる年金分割制度がありますが、対象になるのは厚生年金のみで、国民年金や企業年金は対象になりません。また、 分割した年金は、受給できる年齢になって初めて受け取ることができます。
最後は慰謝料。結婚生活によって心身の苦痛を被った場合、慰謝料を請求することができますが、離婚後3年が経過すると請求できません。また2020(令和2)年4月に民法が改正され、不倫など不貞行為による慰謝料も請求できるようになりました。3年以内に慰謝料を請求しないと、こちらも時効になってしまいます。
長年連れ添ったからこそ許せないことってありますが、離婚は人生を変える大きな決断。後悔しないようにしっかり検討した方がいいですね。
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イラスト:飛田冬子