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2019年07月10日
素朴な疑問
京都出張に行ったお父さんがお土産に京扇子を買ってきてくれました。花びら模様の透かしが入ったなんとも上品な夏用の一品で、泊まっていたホテルの近くにあった扇子専門店で見つけたのだとか。
今まで、100円ショップの扇子しか使ったことがなかったワタシ。職人さんが80以上もの工程を経て作ったという扇子の完成度の高さにほれぼれしてしまい、扇子について調べてみたくなりました!
扇子の始まりは、短冊状の薄い桧(ひのき)の板を20~30枚ほど重ね、片方を糸で綴(と)じてもう一方を可動できるようにゆるく糸で連ねた桧扇(ひおうぎ)だといわれています。
奈良県の平城京遺跡などでこの桧扇が出土していることから、奈良時代にはすでに扇子があったとされていますが、最初は扇子としての用途ではなくメモ帳として使われていたようです。
当時は、まだ紙が一般的ではなかったため、木簡(もっかん)と呼ばれる短冊状の薄い木の板が文書の記録に用いられていました。その木簡を持ち歩きしやすいように糸で綴じ、扇子のように広げて記録内容を見やすく工夫したのがこの桧扇だそうです。
糸で綴じられているので携帯にも便利だし、木を使っているとはいえ、まさにメモ帳そのものですよね!
この桧扇は、当初は高貴な位の男性が使うものでしたが、彩色されたり絵が描かれたりしたものが登場するようになり、女性の装飾品としても使われるようになっていきました。
やがて、木や竹を骨組みに使用して紙を貼った蝙蝠扇(かわほりせん)と呼ばれる扇子が登場します。鎌倉時代には中国にも伝わり、中国で両面に紙を貼った扇子が誕生しました。
室町時代になると、中国から日本に両面貼りの扇子が持ち込まれ徐々に庶民にも広まっていきます。江戸時代になると、庶民の日常生活に欠かせない道具の一つとして活躍しました。
現代でも、夏になると扇子を持ち歩く人は多いですよね。扇子はあおいで涼をとるためだけではなく、能や狂言、茶道などの伝統的な分野でも使われています。
エアコンがあたり前になった今でも夏になると使いたくなる扇子。扇子を広げた形は、末広がりにも通じるといわれ、縁起物のプレゼントとしても人気があるそうですよ。
ワタシも、お父さんからサプライズでもらった扇子を、大事に使っていきたいな~と思います!
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参照:かなや末広
イラスト:飛田冬子