素朴な疑問海水にはどのくらいの塩が入っているの?

公開日:2019/06/10

海水にはどのくらいの塩が入っているの?

 

この間、ポカポカと暖かい日に海浜公園にお弁当を持って出かけました。海を眺めながら、「海水にはいったいどのくらいの塩が入ってるんだろうね?」と、お父さんがつぶやいたのです。

 

ええ~、なんで突然そんなことを? と聞いてみたら、「川の水はしょっぱくないのに、川とつながっている海の水があんなにしょっぱいって不思議だよな」と、ずっと思っていたのだそうです。たしかに! 川の淡水に比べると海水ってしょっぱいし、海水からは塩が作れるぐらいだから、塩の含有率も高いということですよね。

 

そこで、海水にはどのくらいの塩が入っているのか調べてみることにしました。

 

海水がしょっぱくなったのは、地球の成り立ちに由来があるのだそうです。地球ができたといわれているのは約46億年前。(昔すぎて想像ができない)当時の地球は表面がマグマで覆われ、空には塩素ガスや水蒸気などが充満していました。

 

地球の温度の低下にともない、その水蒸気が塩素を含んだ水(雨)となって地上に降り注ぎ窪地に溜まっていったものが海の始まりです。窪地に溜まった塩素を含んだ水に、地殻の岩石などに含まれるナトリウムが反応し溶けていくことで、しょっぱい塩化ナトリウムの水(塩水)ができていったと考えられています。

 

海水にはどのくらいの塩が入っているのかというと、主成分の水に対しておよそ3.5%ほどの塩分が入っているといわれています。塩分には、塩素とナトリウムのほかに、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウムなどの無機質イオン(塩類)成分が溶けこんでいるのだとか。

 

この3.5%の数値は、さまざまな海の平均値を出したもので、オホーツク海など2.95%と濃度が薄いエリアもあるのだそうです。塩分濃度は、海水の蒸発量と降水量の差によってエリアごとに異なってきます。基本的には緯度が高くなるほど日射量が減少するので蒸発量が減少し、塩分濃度は低くなります。ちなみに、人が静止したままプカプカ浮く塩湖として有名な「死海」の塩分濃度は、30%もあるのだとか。湖とはいえ、通常の海水の10倍近い濃さがあるなんてびっくりですよね~!

 

日本海事広報協会のホームページによると、海水から塩だけ取り出して地球全体を覆うと88mもの厚さになるとのこと。驚きです。また、海水の塩分濃度は水500mlに食塩大さじ1+小さじ1/2(17.5g)を溶かしたものと同じだそうです。これだけの分量の塩が入ると、けっこうしょっぱそうです。じつはこの濃度の水は、あさりやハマグリなど貝の砂抜きに最適な塩分濃度なのです! メモしておいて、貝のお味噌汁を作るときに使ってみたいと思いま~す。

 

 

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参照:海洋政策研究所

   日本海事広報協会

いつか死海に浮かびながら本を読んでみたいわ~!
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イラスト:飛田冬子

 


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