素朴な疑問新元号で儲かる企業は?

公開日:2019/04/10

令和

4月1日にテレビの改元特集を観終わって、パソコンに向かって「reiwa」と入力すると、既に「令和」が漢字変換の候補にあがっていてびっくりしました。たぶん、インターネットの向こう側で、改元に向けていち早い対応に追われている方がたくさんいたのね。近所の和菓子屋さんでも新元号のお菓子を発売するって言ってたし。今頃、改元ビジネスでみんな大忙しですね。

 

でも、改元で儲かりそうな企業の株式を購入したら、ワタシでも「令和」の恩恵にあずかれるかもしれないわ! 早速、改元によって儲かるのはどんな企業なのか、経済ジャーナリストの山田章子さんに聞いてみました。

 



 新しい元号「令和」にちなんだ株式銘柄はあるんですか?

 

 

 

 

 山田さん:「今回の改元は、以前から決まっていたことなのでこれから投資をしても儲かるかどうかはわかりません。ただ、1番恩恵があるのは印刷会社や自動販売機などの紙幣や硬貨を読み取る識別機を扱う企業だと思います。株式公開している上場企業に印刷会社は27社ありますが、図書印刷(東証1部:7913)という企業は教科書販売を専門とする子会社を持っています。教科書は、天皇や元号が変われば、内容も新しく変更されるはずなので今年は忙しくなるでしょう。お金の識別機なら日本金銭機械(東証1部:6418)、オーイズミ(東証1部:6428)などでしょう。

これまでの元号はすべて中国の古典から選ばれてきたそうですが、今回は日本の『万葉集』からの出典だそうです。万葉集には天皇、貴族から名も残っていない農民まで幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められているといいますから、これから改めて注目されるのではないかしら?」

 

 


 「万葉集」といえば岩波書店ですか?

 

 

 

 

 山田さん:「残念ながら岩波書店は非上場企業なんです。株式投資という観点から考えれば万葉集関連の本を多く出版するカドカワ(東証1部:9468)などに注目しています。学研ホールディングス(東証1部:9470)から出版されているアニメ版の万葉集を手にする方もいるかもしれませんね。そして、万葉集を読んだら、次は古代の人々がどんな景色を見ていたのか万葉の旅に出掛けたくなりますよね? すると、奈良方面へ向かう観光客が増えてJR西日本(東証1部:9021)、近鉄(東証1部:9375)、令和の典拠となった梅の歌にちなんだ福岡の大宰府へ向かう西日本鉄道(東証1部:9031)などにも恩恵がありそうです。今頃、旅行会社でも各社が『万葉の旅』を企画しているのではないでしょうか」

 

 


 元号から万葉集に興味をもって旅に出るなんて素敵ですよね。

 

 

 

 

 山田さん:「また、令和の頭文字が『R』となったことで明治HD(東証1部:2269)のヨーグルトが話題になっていますね。『令和元年だからR-1』だとか……」

 

 

 

 


 確かに! 

 

 

 

 

 山田さん:「CMに予算をかけている商品なので、これを機に注目される可能性も無視できません。あと、元号とは直接関係ありませんが、大手新聞社の元号発表の号外にはすべてヤフー(東証1部:4689)とコカ・コーラ(東証1部:2579)の広告が印字されていました。無料配布の号外にあらかじめ広告スポンサーを見つけておく新聞各紙のたくましさにも敬服しますが、今回のようにおめでたい号外に名前を出せた企業はやはり勝ち組といえるでしょう」

 

 

 


 ありがとうございました!

 

 

 


お話を聞いたのは…
山田章子(やまだ・あきこ)さん 
生活経済ジャーナリストとして新聞、ラジオ、雑誌などで生活にうるおいをもたらす情報を配信している。著書に「素敵な株の見つけ方」などがある。東京と岡山の二地域居住を行い、都会だけでなく、地方の現状を考慮した老後資金のあり方にも言及している。

 

イラスト:飛田冬子

 

 

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