公開日:2019年03月19日
素朴な疑問
なぜ芽が出たジャガイモを食べてはいけないの?

「うちの畑で作ったの! よかったら食べて〜」とお友だちが袋いっぱいのジャガイモを持ってきました。最近、趣味で家庭菜園を楽しむ人が増えているようですが、子育てや介護が一段落した友人たちも、続々と家庭菜園デビュー中。
ジャガイモは保存がきくし、和洋中どんな料理にも使えるので、いくらあっても困らないわ〜♩ なんて思っていましたが、しばらく放っておいたら大半のジャガイモに芽が出てしまいました!
せっかくお友だちが大切に作ったものだから、きちんと使い切りたいところ。「ジャガイモの芽は危険」とよく聞くけど、芽の部分を取ってしまえばたくさん食べても大丈夫? 加熱してしまえば平気かしら……?
気になるので調べてみました。農林水産省のホームページによると、ジャガイモの芽と芽の根元、緑色になった皮には「ソラニン」や「チャコニン」といった天然毒素が多く含まれているんだとか。
天然毒素は、フグやきのこなどの動植物がもともと持っている毒素のこと。ジャガイモは青梅やトリカブトと並ぶ植物性毒素の代表格で、吐き気や嘔吐、腹痛、頭痛、めまいなど激しい中毒症状が出るそうです。じつは、日本で一番食中毒患者を生み出しているのがジャガイモなんですって!(怖っ!)
ソラニンやチャコニンはジャガイモが成長するときに、外敵から身を守るために芽や皮部分で集中的に作られるんだそう。特に光が当たって皮が緑色になったものや傷がついたもの、小さくて未熟なものは、ダメージを修復しようとせっせとソラニンやチャコニンを増やしているので危険! 家庭菜園で作ったジャガイモは未熟なものも多く、注意が必要なんだそうです。
しかもソラニンやチャコニンは加熱しても減らないというから、ジャガイモって本当に生命力が強いのね! そうなると、芽が出てしまったジャガイモは捨てるしかないのかしら……。
再び農林水産省のホームページを見たところ、「芽は周りの部分も含めて取り除く」「皮はできるだけむく。特に緑色の皮は厚めにしっかりむく」「未熟なイモや小さなイモはたくさん食べないようにする」「苦味やエグ味を感じたら食べないようにする」など、ポイントをおさえれば食べられるようです。(ホッ)
毒素と聞くと怖いけど、ソラニンはジャガイモが懸命に生きようとしている証だと思うと、なんだか愛おしい気持ちになってしまいます。ジャガイモは芽が少ないものを選んで、しっかり皮と芽を取り除いて今夜のおかずに使おうっと!
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参照:農林水産省HP 「知識があればこわくない!天然毒素 ジャガイモ」
イラスト:飛田冬子




