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2019年02月12日
素朴な疑問
往年の名俳優が亡くなると、追悼番組として、作品が放送されますね。先日、ワタシの大好きな女優さんが亡くなり、追悼番組を何本も観てしまいました。その女優さんは、生前、「樹木葬」を希望していたらしいのですが、「樹木の根本に散骨するだけならエコだしシンプルだなあ」なんて思ったので、果たしてそんなに簡単なのか、調べてみました。
すると、まず「散骨するだけ」というのはワタシの思い込みで、「樹木葬」は埋葬するものだということがわかりました。
日本には「墓地、埋葬等に関する法律」(厚生労働省)という法律があります。この法律によれば「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」と定められていて、遺骨を勝手に散骨したり埋葬したりしてはいけないということがわかります。日本では、遺体は火葬したのち、焼骨を埋蔵するためには、都道府県知事の許可をうけた地域(墓地)でなくてはいけません。つまり「樹木葬」を行うにしても、勝手に自分の家の庭の木の下に遺骨を埋めたり散骨したりできないのです。
「樹木葬」には一般のお墓と同じように、個別にエリアを区切ってあったり、あるいは墓石の代わりに樹木を植える場合と、大きなシンボルとなる樹木の周りに埋葬する合葬型があり、里山のような自然の景観を活かしたところや、霊園のように通年景観が整備されたところがあります。費用は個人か、家族用か、合葬かなど、条件によって違います。最も安いのは合葬で10万円くらいから。個人、家族用ですと100万円を超えることもあるようです。合葬の場合は「永代供養」の費用が含まれるケースが大半です。
樹木葬墓地に植えられる樹木は、ハナミズキ、サルスベリ、ウメモドキ、エゾアジサイ、ムシカリ、ツリバナ、モミジなど、あまり大きくならない低木が多いようですが、合葬では桜などの大きな樹木が選ばれるようです。いずれにせよ、環境に配慮し、なおかつ手入れがしやすいことなどが条件として考えられます。「故人が好きだったから」という理由で遺族が「樹木葬」を選ぶ場合も、これを受け入れている墓地、霊園を探さなくてはなりません。「樹木葬」をしたいというのであれば、元気なうちに自らこのような葬儀をしてほしいと、ある程度の段取りをしておいた方が良さそうです。
昨今「嫁ぎ先の墓に入りたくない」「夫と一緒の墓に入りたくない」という主婦が増えているのだとか。(ワタシは一緒がいいな)また、「子供に墓守りはさせたくない」「遠方の墓参りはしたくない」と考える人も増えているため、だんだん昔ながらの墓地は減っているようです。しかし、「ご先祖様」に手を合わせる習慣がなくなっていくのは、なんだか寂しい気がしなくもありませんね。(お彼岸には家族でお墓参りに行くわよ)
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イラスト:飛田冬子