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素朴な疑問イカ墨との違いは?タコ墨が使われない理由
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
ダンナさんとイタリアンレストランに行ったときのこと。おすすめメニューのイカ墨パスタを注文しました。
イカ墨パスタってとってもおいしくて大好きだけれど、口元が真っ黒になっちゃうのよね。なんて思っているとふと疑問が……。
タコもイカのように墨を吐く生き物なのに、なぜタコ墨パスタは見かけないのかしら? 気になるので調べてみましょう!
イカ墨とタコ墨の違い
イカやタコは外敵から身を守るために墨を吐きますが、墨の性質と使い方は異なります。イカ墨にはドロっとした粘り気があり、海中に吐き出すとイカと同じくらいの塊となってしばらく留まります。
イカ墨が海中で一ヶ所にまとまってゆらゆらと揺れる様をまるで「分身の術」のように使うことで、外敵が墨を獲物と間違えて攻撃している間に逃げます。
一方、タコ墨はさらっとしていて水っぽく、海中で吐くと煙幕のように広がって敵の視界をさえぎります。言うなれば、「煙幕の術」を使う忍者のようです。
また、タコ墨には敵の嗅覚を麻痺させる効果も。タコの天敵であるウツボは嗅覚で獲物を探すため、それに対抗する手段として墨を使い、身を守っています。
タコ墨が料理にあまり使われない理由
イカやタコはお刺身や天ぷら、ソテーやアヒージョなど、和洋問わずさまざまな料理に使われています。しかし、墨を使った料理の多くはイカ墨で、タコ墨はほとんど見かけません。
タコ墨が料理にあまり使われないのには、墨の粘り気の強さがうま味に関係していることに加え、以下のような理由が挙げられます。
- 墨袋が肝臓に埋もれている
- 墨袋を取り出すときに破れやすい
- 市場では内臓が取り除かれて売られている
- 1つの個体から取れる墨の量が少ない
タコの墨袋は、肝臓に埋まっていて取り出しにくいうえ、取り出す際に破れて墨が流れてしまうことがあります。
また、1つの個体から取れる墨の量はイカの10分の1程度しかなく、食べるだけの量を集めるのは骨の折れる作業です。
市場でも墨袋を含む内臓のほとんどが取り除かれた状態で売られているため、そもそも体内に墨が残っていないことも、料理にあまり使われない理由のひとつだといえます。
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参照:食育大事典
イラスト:飛田冬子
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