霧(きり)と靄(モヤ)の違いは何?
2021.02.102023年04月02日
素朴な疑問
空が霞む春霞(はるかすみ)の原因・理由って?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
暖かくなってきたので、ダンナさんとちょっと遠くまでお散歩をしました。高台に登ったところで、ふと街の景色を見てみると……。晴れているのに景色がぼんやりと霞んでいる気がします。
「なんだかワタシ、目が霞んでいるみたい」と言うと、ダンナさんが「違うよ、これは春霞っていうんだよ」ですって。春霞って何かしら? これは調べてみなくっちゃ!
春霞(はるかすみ)の意味
春霞(はるかすみ)とは、春のぼんやりとした見通しの悪い空気のこと。遠くの景色に薄雲がかかったように見える状態のことをいいます。冬の間は見えていた遠くの山が、春になると見えなくなる現象が、春霞のいい例です。
霞(かすみ)には、気象学的に明確な定義があるわけではありません。霧(きり)や靄(もや)だけでなく、黄砂や煙霧などによって景色がぼんやりと霞んで見える場合も春霞に含まれます。
ちなみに、昼間に起こった場合を霞、夜に起こった場合を朧(おぼろ)と呼びます。
春霞(はるかすみ)が起こる原因・仕組み
季節の変わり目に空気が霞んで見えるのであれば、秋も同じ現象が起こりそうなものですが「秋晴れ」などという言葉があるように、なぜか秋の空気は澄んでおり、ぼんやりと見えるのは春だけです。
では、なぜ春霞が起こるのでしょうか。その原因として考えられるのは以下の4つです。
- 下降気流によってチリやホコリを閉じ込める「空気の蓋」ができるから
- 植物の蒸散が活発になり、大気中の水蒸気量が増えて空気中に漂うから
- スギやヒノキの花粉が舞うから
- 偏西風に乗って黄砂が日本にやってくるから
春になって気温が上がると、地面から上空に向かって上昇気流が発生します。
すると、地上付近のチリやホコリが巻き上げられて空気中に漂いやすくなるのですが、今度は上空から地面に向けて発生した下降気流によって空気の蓋ができることで、チリやホコリが閉じ込められてしまいます。
その結果、太陽の光が散乱してしまい、空気が霞んで見えるようになるのです。
また、暖かくなって植物の蒸散が活発になり、空気中に微細な水滴が漂うことも春霞の原因のひとつです。特に気温差が大きく風が弱い日は、水蒸気によって遠くの景色が霞んで見える可能性が高いでしょう。
スギやヒノキの花粉や黄砂が多く飛散した場合には、さらに春霞が起こりやすくなります。
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参照:weathernews
イラスト:飛田冬子