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2022年08月22日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
家の近くに、かわいらしい雑貨屋さんができました。そこではオリジナルのハンカチを販売しており、なんと名前やメッセージの刻印も可能!せっかくなので自分のイニシャルでも入れて、世界に一つだけのハンカチにしようかしら♪なーんて思っていると、素朴な疑問が思い浮かびました。
「イニシャルって、名前と名字どちらが先が正しいの?」
気になったのでそっとハンカチを棚に戻し、調べてみることにしました!
学校の授業で習ったローマ字。日本語で名前を書くときは「姓・名」の順番ですが、ローマ字で名前を書くときは「姓・名」と「名・姓」の2通りの順番が混在しています。
調べてみると、文化庁の第22期国語審議会(2000年12月8日)の答弁では、こんな見解が示されていました。
国語審議会としては,人類の持つ言語や文化の多様性を人類全体が意識し,生かしていくべきであるという立場から,そのような際に,一定の書式に従って書かれる名簿や書類などは別として,一般的には各々の人名固有の形式が生きる形で紹介・記述されることが望ましいと考える。
したがって,日本人の姓名については,ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい。
しかし、この答弁の内容はあまり浸透せず……。そこで、2019年に文化庁は「日本人の姓名の表記は、ローマ字表記でも姓・名の順とすることが望ましい」と呼び掛けを行いました。
2020年1月1日からは、公文書(パスポートなど)で日本人の名前をローマ字で書く際は「姓・名」の順にすると政府が決定しています。
どちらが姓・名かわからなくなるのを避けるため、姓をすべて大文字にする(例:YAMADA Haruo)、姓と名の間にコンマを打つ(例:Yamada,Haruo)などの方法も示されました。
ちなみに、「姓・名」の形式が使われているのは日本だけではありません。中国や韓国、ベトナムなどのアジア数か国や、欧米ではハンガリーも「姓・名」の順番なんだそうです!
ハンカチの他にも、イニシャルを入れるものはたくさんあります。例えば、名刺やランドセル、指輪などさまざま。
公文書の場合はローマ字表記を「姓・名」の順番にする必要がありますが、それ以外は「名・姓」の順番でもOKのようです。これまでの慣習である「名・姓」の方がしっくりくる……という人もきっといますよね。
ただし、文化庁が通知を出したり、政府が決定していることを考えると、今後10年後20年後には「名・姓」から「姓・名」に移り変わっていくことになる可能性が高そうです。長く愛用するものは、それを踏まえてイニシャルを刻印した方がよさそうね!
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参照:朝日新聞デジタル
イラスト:飛田冬子