海の中で昆布のだしが出ないのはなぜ?
2020.10.232018年12月16日
素朴な疑問
乳牛はずっと牛乳を出し続けているの?
スーパーではついつい安売りしている食品を選びがちなエココンシューマーなワタシですが、牛乳って、安いものから高いものまで、結構値段の幅があるし、種類もいろいろありますよね。搾乳の様子はTVで紹介されているので、乳牛ってたいへんだなあと、女性の立場で見てしまうのですが、なんだかいつもお乳をだしているような感じがしたので、ちょっと調べてみました。
酪農乳業関係者の団体である「Jミルク」によれば、「『牛乳』は、乳牛から絞ったままの生乳100%をそのまま加熱殺菌しています」とのことです。(混ざり物が入っていないということね)生乳を出してくれる日本の乳牛はホルスタイン種がほとんどですが、ジャージー種やブラウンスイス種といった種類もわずかにいるそうです。
牛というと、白と黒の柄を想像しますが、それがホルスタイン種で130万頭以上いるそうです。褐色のジャージー種は1万頭ほど。そして、濃いめの茶褐色が特徴のブラウンスイスは1,000頭くらいだそうです。それぞれに生乳の成分などに特徴があり、風味も違います。また、同じホルスタイン種でも個体差があり、個体ごとの生乳の風味は、それぞれ微妙に異なるのだそうです。
ところで、牛乳は牛のお乳だから、出産しないとお乳は出ません。乳牛って、ずっとお乳を出しているイメージがありますがどうなんでしょうか? もちろん最初はお乳を飲む子牛なわけです。それが、生後1年半くらいたったころに人工授精をして、 280日前後の妊娠期間を経て出産。つまり、初めての出産は生後2年半くらいということになりますね。
そして、300日から330日の間、毎日搾乳をされるんですって。しかも、その量は1日20リットルから30リットルにもなるそう。さらに、母牛は、子牛を産んで40日以降に再び人工授精で妊娠し、乳を出しながら、おなかの中でつぎの子牛を育てるというローテーションを繰り返します。(ちょっと大変じゃないの!)
酪農家は、妊婦の状態である乳牛に対し、餌の与え方や健康管理に昼夜を問わず細心の注意を払っています。日本には約17,000戸の酪農家があり、地域や飼育環境により飼育方法に特徴があります。
たとえば、北海道のように広大な牧草専用地や放牧地がある地域は、牧草などの飼料をほとんど自給しています。また、消費地に近い都市近郊での酪農は消費地に出荷しやすいというメリットがありますが、農地が少なく、牧草の栽培が少ないために濃厚飼料の依存が多くなります。さらに、日本の国土面積の7割を占める中山間地域では、傾斜地や耕作放棄地などで牛を放牧するところもあります。全国各地には「ご当地牛乳」と呼んでもよいようなローカルブランドがあり、それぞれ味や風味が違うように感じるのは、飼育の環境の違いが主な理由なのだそうです。
また、夏と冬では味が違います。一般的に乳牛は暑い夏が苦手なので、夏バテして食欲がなくなったり、水分を多く摂ったりすることがあります。また、エサはフレッシュな牧草を食べることができたりすると、牛乳は乳脂肪分が低くなるため、あっさりした感じになります。一方、冬は寒いなかで脂肪を蓄えようとするために乳脂肪分が高くなり、味わいとしては濃厚に感じられるようです。
牛乳は温めると香りが強くなりますから、冬にクリームスープやミルク雑炊などのお料理にしたり、はちみつを入れたホットミルクなどでミルクのコクを味わうのもいいし、夏はミルクセーキやラッシーなどのドリンクでフレッシュな味を楽しみたいですね。
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イラスト:飛田冬子