更新日:2022年04月10日 公開日:2021年08月05日
素朴な疑問
味噌の正しい保存方法は?賞味期限が過ぎても大丈夫?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
冷蔵庫の味噌がだんだん濃い色になってきちゃいました。これ、もう食べられないのかしら。保存の仕方がいけなかったのでしょうか。味噌は日持ちがするっていうけど、賞味期限ってないのかしら? 使う頻度が多い食品だけに、きちんと知っておきたいですよね。
そこで、ひかり味噌株式会社の醸造責任者、小市一道さんに聞いてみました!
味噌の正しい保存方法

湿度や温度が高くない場合は、常温保存でも問題ありませんが、味噌の風味を維持するためにも冷蔵保存がおすすめです。味噌の正しい保存方法のポイントは、空気に触れないようにすることと低温に保つこと、水に濡らさないようにすることの3つです。
また、一回で使い切れないため、開封後は、ラップで味噌の表面を覆うなど、できるだけ空気をシャットアウトして、味噌の酸化や乾燥を防ぎましょう。なお、冷凍庫での保存でも可能です(家庭用の冷凍庫の温度では固まらないため)。
味噌の保存で気を付けたいポイント
- 結露防止のため、冷蔵庫の出し入れを減らし、味噌のパックもすばやく開け閉めをする。
- 味噌に水分が付着すると微生物の生育を促すため、味噌をすくう際には、必ず乾燥したヘラなどを使う。また、水分を含んだ食材を味噌に漬ける際は、味噌が薄まり過ぎないように調整する。漬物などの場合は冷蔵保存をする。
味噌は、正しく保存すれば腐敗することは限りなくゼロに近い優秀な保存食ですから、最後までおいしく召し上がっていただきたいです。風味を維持するためにも冷蔵・冷凍保存がいいでしょう。
茶色や白くなった味噌は食べても大丈夫?

- 濃い茶色に変色した場合
味噌が濃い茶色に変色することがありますが、食べても問題ありません。これは、原料の大豆などのアミノ酸と糖が化学反応を起こしたことによる「メイラード反応」です。特に暑い夏の時期に起こりやすい現象です。とはいえ、変色が進行すると、風味が落ちてしまうため、適切な保存を心掛けましょう。
- 表面が白いカビっぽくなった場合
味噌の表面が白くなるその正体は、酵母菌の一種である「産膜酵母(さんまくこうぼ)」です。これは、味噌用の優良酵母菌と同じ種ですが、性質が異なります。開封された味噌が温かい環境によって発生することがあるものの、温度が下がる環境に置くと、産膜酵母菌を抑制することができます。そのため、開封後は、なるべく冷蔵庫や冷凍庫で保管するのがいいでしょう。
また、味噌の表面や内部に見られる白い結晶は、たんぱく質が分解されたことによる「チロシン」というアミノ酸の結晶なので、食べても問題ありません。
さまざまな食事に使える万能な味噌を長期保存するために、特に夏は冷蔵庫か冷凍庫に保存しておくのがいいですね!
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監修
ひかり味噌株式会社 醸造責任者 小市一道さん
イラスト:飛田冬子




