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- 30種以上も!「 死後の手続き」は生前の準備が大事
自分が亡くなった後の事務手続きについて考えたことはありますか? 実は死後の手続きは膨大な量に及ぶのです。何も準備をしないまま亡くなると、のこされた人を困らせることに。終活を始める前に、どんな死後の手続きがあるのか見ていきましょう。
死後の手続きはこんなにある! カテゴリ別に整理
死後の手続きというと、葬儀やお墓のこと?と思うかもしれませんが、それだけではありません。行政への手続きや社会保障給付に関する届け出、家財道具の処分やデジタルデータの消去など、膨大な量の手続きが待ち構えています。
そのため、生前に何の準備もせずに亡くなると、遺族や親しかった人の手をおおいに煩わせることに。終活では、自分が亡くなった後の手続きがスムーズにいくように備えることも大切です。
死後の手続きは、ざっと洗い出すとこんなにあります。
これらは、
1.死亡直後の手続き
2.お金まわりの手続き
3.デジタル関連の手続き
4.暮らし関連の手続き
の大きく4つに分類できます。
1.死亡直後の手続き
遺体の引き取り(葬儀社への連絡)/友人・知人への訃報連絡/死亡届の提出/葬儀および火葬の手配/埋葬(お墓)や納骨の手配
2.お金まわりの手続き
年金・介護保険など社会保障給付に関する届け出/クレジットカードの清算と解約/サブスクリプション(月額利用サービス)の解約/生命保険会社への連絡/税金の清算/故人の資産リストの作成/財産相続手続き/遺言執行
3.デジタル関連の手続き
デジタルデータの消去/本人のSNSで死亡告知/各種SNSアカウントの削除/プロバイダや携帯電話キャリアの解約/パソコンやスマホ本体の処分
4.暮らし関連の手続き
健康保険証や介護保険証の返却/電気・ガス・水道・電話など公共サービスの解約/ペットの保護と託し先への輸送/勤め先での諸手続き/入院先の清算と荷物の引き取り/介護施設の解約と荷物の引き取り/形見分け/家財道具の処分/運転免許証やパスポートの返納/NHK受信契約の解約/スポーツジムや習い事などの退会/住居の解約や売却
【死亡直後の手続き】死亡から7日以内に済ませる手続きがたくさん
亡くなった直後に発生し、遺族が急いで取り掛からないといけないのが、遺体の引き取り、葬儀・埋葬(お墓)関連の「死亡直後の手続き」です。
医師から死亡診断書を受け取り(事故死・突然死の場合は死体検案書)、葬儀社を手配して遺体を安置所に搬送してもらった上で、通夜や本葬の日時・内容について打ち合わせを行います。
また、住民票がある市区町村の役所へ死亡届を提出し、火葬許可証の申請・受け取りが必要となりますが、これは葬儀社が代行するケースが主流です。
日時と場所が決まったら、参列してもらいたい親族や友人・知人に連絡し、必要に応じて宿の手配も行います。
葬儀と火葬を終えたら、遺骨とともに埋葬許可書を受け取ります。
これらはいずれも「死亡から7日以内」に済ませることが義務づけられている手続きです。
その後、お墓が決まっている場合は忌明け法要(四十九日)の後、遺族や参列者が集まって納骨を行うのが一般的です。お墓が決まっていない場合は、故人の意向を踏まえて遺族が埋葬先を探すことになります。
生前に自分でできること:希望を伝えておく
これらの手続きを進める際、のこされた人たちが最も困るのは、故人の希望がわからないことです。どの葬儀社に依頼したいのか、どんな葬儀にして、誰に参列してもらいたいのか、遺影はどの写真を使うのかなど、
生前に具体的な希望をエンディングノートに記しておきまましょう。また、葬儀にかかる費用を生前に確保しておくことも大切です。
同様に、お墓についても希望を伝えておきましょう。埋葬される本人が生前に契約を結んで購入まで済ませておくことも可能です。
詳しくは>>自分が死んだ後の流れを、手続き一覧で確認しよう
【お金まわりの手続き】資産リスト作成と解約手続きが大変
お金まわり関連の手続きは、相続が関わるものと、そうでないものの二つに分かれます。
預貯金や有価証券などの金融商品、不動産、自動車、貴金属、骨董品、美術品、高級時計、呉服、そして借金(負の遺産)は相続財産とみなされ、法的に有効な遺言書が存在しなければ、すべての相続人が参加して遺産分割協議を進める必要が生じます。
そのため、相続に関わる事務手続きとしては、まず故人の資産リストを作成するところから始めることになります。
一方、相続以外の部分では、年金や介護保険など社会保障給付に関する届け出や、クレジットカードの清算と解約、サブスクリプション(月額利用サービス)の解約、税金の清算など、定期的な給付や支払いを停止し、さまざまな契約を解約する手続きが発生します。
生前にできること:資産リストの作成とお金の終活を
生前にできるお金まわりの準備でもっとも重要なのは、自分の資産リストを作成しておくことです。口座、保険に関する情報、自宅以外の不動産の情報、そしてローンや負債に関する情報などです。
さらに、元気なうちからお金の終活も始めておきましょう。例えば、複数の銀行口座があったら、本当に必要な口座以外は解約します。クレジットカードも何枚も持っているようなら、1~2枚に絞ることを考えましょう。
詳しくは>>「お金の終活」複数の口座やカードを解約してスッキリ
【デジタル関連の手続き】ネットに置かれた個人情報の削除
あらゆるものがインターネットでつながっている今、デジタル関連の死後事務手続きも急増しています。
所有していたパソコンやスマートフォン、タブレット端末などの中に保存されているデータはもちろん、クラウド上で管理されているデータも、プライバシーの関係上すべて消去する必要があります。
LINEやFacebook、TwitterをはじめとするSNSで本人の死亡告知をしたり、アカウントを削除するなどの手続きも発生します。また、携帯電話キャリアやインターネットのプロバイダの解約を行う必要もあるでしょう。パソコンやスマホ本体の処分も考えなければなりません。
生前にできること:IDとパスワードの情報を伝えておくこと
これらの手続きのほとんどにおいて関わってくるのがそれぞれのIDとパスワードです。それがわかっていれば、死後の手続きがスムーズに進みます。
エンディングノートなどに、自分が利用している端末の情報、SNSやクラウドサービスのリスト、それぞれのID・パスワードを記しておきましょう。また、契約している携帯電話キャリアやプロバイダなどの情報もすべて記載しておくのが賢明です。
詳しくは>>これで安心!デジタル遺品をのこさないための対策
【暮らし関連の手続き】ペットの保護と公共サービスの解約
のこされたペットの保護や公共サービスの解約
暮らし関連では、さらに膨大な死後の手続きがあります。急を要するものとしては、健康保険証や介護保険証の返却が挙げられ、これは死後14日以内に行う必要があります。
また、のこされたペットの保護も迅速に対処しなければなりません。法律上ペットは相続財産として扱われ、所有者が亡くなると相続人が受け継ぐことになります。相続人が誰になるのかが決まらなければ、ペットの健康に害が及ぶ可能性もあるわけです。
その他、電気・ガス・水道・話など公共サービスの解約、NHK受信契約の解約、運転免許証やパスポートの返納など、手続きは山ほどあります。さらに落ち着いてきたタイミングで、家財道具の整理や形見分けといった作業も行わなければなりません。
生前にできること:ペットの託し先を決めておく、生前整理
行く末が心配なペットに関しては、できれば生前から託し先を決めておきましょう。公共サービスの解約は、エンディングノートなどに契約している会社名と契約者番号などを記しておきます。また、運転免許証やパスポートをどこにしまってあるかも記しましょう。
そして、元気なうちに生前整理を進めて、モノを少なくしておくことも大切です。片付けるなかで、これはこの人に、これはあの人に、といったように形見分けについても考えることもできます。
詳しくは>>「自分の死後のペットはどうなる?今すぐできる対策も」
膨大な死後の手続き、安心して託せる相手を選ぼう
このように、死後の手続きは多岐に渡ります。生前に準備することで、のこされた人の負担を減らすことはできますが、やはり心苦しさは感じるでしょう。また、身近に頼れる相手がいない、という人も少なくないかもしれません。
そんな場合は、信頼できる第三者に死後の手続きを委託する、という選択肢もあります。例えば、三井住友信託銀行が提供する「おひとりさま信託」なら、煩雑な死後事務手続きを一括して任せられる一般社団法人を紹介してもらえます。
また、相続や遺言に関することは、同行の「遺言信託」を利用するという方法もあります。信託銀行なら、遺言書の作成から執行まで任せられるので安心感があります。
実際に体験してみないとなかなかイメージできない死後の手続き。しかし、自分が亡くなってからではもう何もできません。元気なうちに、少しずつ備えを進めておきましょう。
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