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- 【持ち家 VS 賃貸】老後の場合の正解は?
人生100年時代を楽しく過ごすには老後の資金計画が欠かせません。そこで考えたいのが、固定費の中でも特に大きい住宅費。持ち家と賃貸ではどちらがお得なのか、不安なく暮らせるのはどんな住居なのか、これからの住まいの選択肢を確認しておきましょう。
持ち家 VS 賃貸は住まい選びの永遠のテーマ
住まい選びの永遠のテーマともいえる、持ち家と賃貸。中でも、子育て世代や働き盛りと呼ばれる30~40代の人に向けては、それぞれにかかるコストなどを踏まえ、どちらが向いているのかさまざまな議論がなされています。
住まい選びは、住宅ローンの金利や家族構成、転勤の有無、住まう地域の利便性などによって判断するのが一般的。
例えば、家族が多くて部屋数が必要であれば、好みの間取りを作りやすい持ち家が向いていると言えますし、転勤の多い仕事であれば、住み替えが簡単な賃貸が便利です。
とはいえ、これらの判断基準の多くは「まだまだ働くぞ!」という30~40代が対象。リタイア後の暮らしを視野に入れた50代以降では、考える視点が少し変わってきます。
「老後」に絞るとまた視点が変わってくる
50代以降になると、定年退職や子どもの巣立ちなど、ライフステージに大きな変化が訪れます。すると必然的に、暮らしやすい住まいも変わってきます。
子どもが独立すると広い持ち家を持て余すこともありますし、限られた老後資金の中で、固定資産税やリフォーム費用が経済的負担になることもあります。
また、持ち家の資産価値によっては、不動産の相続トラブルが起こるケースも…。家がなかなか売却できないことから、高齢者施設にスムーズに入居できないといったこともあります。
住み慣れた我が家で暮らせることは持ち家のメリットですが、自分や子どもたちのこれからの生活を考えると、「家をそのまま持ち続ける」ことだけが正解とは限りません。
シニアならではの事情や状況も踏まえつつ、住居のいろいろな選択肢を早めに検討しておきましょう。
「老後の持ち家 VS 賃貸」メリット・デメリットを整理
では、老後を見据えた場合の「持ち家」と「賃貸」それぞれのメリット・デメリットを確認していきましょう。
「持ち家」
【メリット】
- 住宅ローンを完済した後は経済的負担が減る
- 資産になる(家を担保にして生活費を借り入れることも可能)
- 間取りを自由に変えられる
【デメリット】
- 住宅のメンテナンス費用がかかる
- 固定資産税がかかる
- 相続トラブルが発生する可能性がある
- 高齢者施設などに移る場合は持ち家をどう処分するかの問題が発生
住宅ローンを完済している、または近いうちに完済する見込みがある人は、持ち家に住むことで老後の住宅にかかるお金を軽減できます。また、住み慣れた環境でこれからも長く暮らせる安心感も、お金には代えられないメリットといえるかもしれません。
「賃貸」
【メリット】
- ライフスタイルに合った住まいを探せる
- メンテナンス費用が少なくすむ
- 気軽に住み替えられて高齢者施設などにも移りやすい
【デメリット】
- 家賃の支払いがずっと続く
- 自由にリフォームができない
- 高齢の場合は入居審査が通りにくいことがある
老後も安定した収入が見込めるなど、家賃の支払いが大きな負担にならない人は賃貸も十分選択肢になります。自分の資産にはならないという側面がある一方、何かあったときに「手放しやすい」というメリットも。いずれは高齢者施設などへの入居を考えている人が、その前段階として賃貸を選ぶケースもあるでしょう。
持ち家がある人の場合は「住み替えるかどうか」という視点も
既に持ち家に住んでいて、これから老後を迎える人の場合は、その家に「住み続ける」か「住み替える」かの選択も大事になってきます。
持ち家に住み続ける場合は、長く暮らした場所でずっと生活できる良さがあります。新しい場所でコミュニティに入り、イチから関係を築く必要もありません。そして、何より引っ越しの手間と、それにともなうさまざまな手続きがいらない点が大きなメリットになります。
持ち家から賃貸に住み替えたり、もう少し小さな間取りの家に買い替えたりする場合は、一度持ち家を売却することで手元の資金を増やすことができます。特に賃貸に移る場合は、不動産として持っていた資産を現金化することになるので、老後の資金を手厚くでき、相続の際も財産を分けやすくなります。ただ、持ち家が思うような金額とタイミングで上手く売却できるとは限りません。
こうして見てくると、持ち家に住み続けるメリットには
- 「慣れ親しんだ住まいで長く暮らせる」
- 「大変な引っ越しや、入居審査の心配がいらない」など
持ち家から賃貸に住み替えるメリットには
- 「まとまった資金が手に入る」
- 「いざというとき住まいを処分しやすい」など
があることがわかります。そして、これらは基本的には相反するもので、一般的には両立させるのが難しいというのが悩ましいポイントです。
賃貸なのに同じ家に住み続けられる「リースバック」という選択肢
そこで覚えておきたいのが「リースバック」という選択肢。リースバックとは、家を売ってまとまった資金を受け取った後、賃貸借(リース)契約を結ぶことで、その家にそのまま住み続けられるサービスです。
リースバックでは、リースバック会社に家を買い取ってもらうので、家の買い手を見つける手間がかかりません。月々の家賃を支払う必要はありますが、自宅を売却してまとまった資金を確保できるので、将来のお金の不安は軽減されます。
住宅ローンの残債がある場合は、売却金でローンを完済することも可能。相続対策の手間もなくなります。同じ家で暮らし続けるため、家を売却したことがご近所に知られずに済むのもメリットの一つ。住み慣れた家から離れたくない人にはおすすめの選択肢と言えます。
老後の住まい選びのポイントは、資産状況や家族構成、ライフプランによって変わってきます。だからこそ、さまざまな選択肢を早めに知っておくことが大切。あらゆる選択肢のメリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った住まいを選んでいきたいですね。
取材協力:株式会社セゾンファンデックス
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