- ハルメク365トップ
- 暮らし
- 生きるヒント
- アガサ・クリスティーの作品から感じる魅力的な生き方
「ハルメク」でエッセイ講座を担当する随筆家・山本ふみこさんが、心に残った先輩女性を紹介する連載企画。今回は、作家「アガサ・クリスティー」さんです。数多くの作品には、彼女の魅力的な志、気質、暮らしぶりがそこここに。そんな彼女の生きざまとは…。
好きな先輩「アガサ・クリスティー」さん
1890-1976年 作家
イギリス生まれ。1914年に結婚(28年に離婚)。20年『スタイルズ荘の怪事件』でデビュー。26年、ロンドンの自宅を出て行方不明になり、11日後に保護される。30年、14歳年下の考古学者と再婚。85歳で死去。
ふっとしたときに旅したくなるアガサ・クリスティーの世界
アガサ・クリスティーを、ときどき猛烈に読みたくなります。つい先日も書架の前に立ち、『アクロイド殺し』を探し当てました。しかしのばしかけた手を止め……『ブラック・コーヒー』を引きだしました。
この作品は劇作家としても高く評価されるクリスティーが初めて手がけたオリジナル戯曲(1930年)で、かの名探偵ポワロが活躍します。
これを初めて読もうとしたときの感想は、ポワロとブラック・コーヒー?というものでした。なぜって彼は無類の甘党で、濃厚なホットチョコレートが好みでしたから。
ポワロはその朝、めずらしく2杯目になるチョコレートを飲みながら、ブラック・コーヒーの事件につながる(依頼の)電話を受けるのです。
作品のそこここに散りばめられている彼女の生き方
クリスティーは30歳でデビューし、亡くなる85歳までに200を超える作品を発表した、多作の作家でした。
作品を片っ端から読んでもかまわないのですが、ちょっと整理してから読みはじめるとしましょう。と云(い)っても、このくらいのことですが、どうぞご覧ください。
- 名探偵ポワロシリーズ
元ベルギー警察の捜査員であるイギリスの私立探偵エルキュール・ポワロが難事件に挑む名作がいっぱいです。
- ミス・マープルシリーズ
編み物の好きな老婦人マープルの直感力と観察力はじつに刺激的!因みに彼女はイギリス人らしく紅茶好きです。
- トミー&タペンスシリーズ
幼なじみのふたりが再会、結婚し、素人ながら探偵社をはじめます。作品数は多くはないけれど、ふたりのおしどり探偵ぶりはなんとも素敵。
このほか、馴染みの探偵が登場しない作品(『そして誰もいなくなった』もそのひとつ)、短編集、自伝やエッセイ、先にご紹介した戯曲、メアリ・ウエストマコットの名で書かれた恋愛小説があります。
どの作品を読んでも、アガサ・クリスティーはそこにいます。文字通り「アガサ・クリスティーを読んでいる」という気持ちにさせられるのです。そうしてその志、気質、暮らしぶりに惹かれてゆきます。
皆さんも気にしておられるでしょうか(愛読者は皆そうです)、あのクリスティー若き日の11日間の失踪事件(1926年)についても、その謎を解く鍵は作品のそこここに散りばめてはいますまいか。
随筆家:山本ふみこ(やまもと・ふみこ)
1958(昭和33)年、北海道生まれ。出版社勤務を経て独立。ハルメク365では、ラジオエッセイのほか、動画「おしゃべりな本棚」、エッセイ講座の講師として活躍。
※この記事は雑誌「ハルメク」2018年4月号を再編集し、掲載しています。
>>「アガサ・クリスティー」さんのエッセイ作成時の裏話を音声で聞くにはコチラから
「だから、好きな先輩」は、雑誌「ハルメク」で毎月好評連載中! 最新情報もあわせてチェックしてくださいね。
※ハルメク365では、雑誌「ハルメク」の電子版アーカイブを12か月分見ることができます。詳しくは電子版ハルメクのサイトをご確認ください。
-
尿トラブルの放置は厳禁
一人で悩みがちな尿トラブル。尿モレまで行かないレベルだからと放置していませんか?軽い症状のうちに対応しないと悪化の危険も! -
ひざケアにドリンク習慣?
歩くたびに不安なひざの違和感。サプリメントで挫折したという方へ、「関節ケアドリンク グルコサミン」をぜひお試しください! -
楽しすぎるニコボとの毎日
話題のコミュニケーションロボット「ニコボ」をご存知ですか?一緒にいると思わず笑顔になる、そんな毎日をハルメク世代が体験! -
病院の巻き爪治療がスゴイ
巻き爪でお悩みの方、「治療は痛そう」と思っていませんか?でも病院の治療は思いの他楽で短時間。巻き爪治療のリアルとは? -
視力ケア専用の卵が登場?
毎日食べる「卵」。実は目の健康を守る「ルテイン」が豊富な卵があるんです。最近視力が……と思っている方は要チェック! -
突然の出費はこれで解決!
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。