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- 年末のキッチン掃除前に知っておきたい!汚れの5段階
片付け名人こと、家事支援サービス「カジタク」スタッフが片付けのコツを紹介する連載企画。今回のテーマは「年末のキッチン掃除の前に知っておきたい、汚れの5段階」です。自分でできる範囲を把握しておけば、悩む前に選択肢も広がりますよ。
汚れには5つの段階がある
みなさんは、「汚れの段階」というものを意識したことがありますか? サッと拭くだけで簡単に落ちる汚れと、なかなか落ちないガンコな汚れ、その両方があるということは実感として持っていると思います。
私たちの会社では、プロとしてお掃除の仕事を始めるにあたり、最初の研修で汚れの段階を学びます。
この汚れの段階について日頃から意識しておくと、掃除のタイミングがわかり、長期的にきれいな状態を維持できるようになります。
汚れには次の5つの段階があります。さっそく順番に見ていきましょう。
第1段階:乾いた布や掃除機で取り除くことができる状態
モノの表面に汚れがのっている状態です。ホコリやゴミなどがモノの表面にのっているだけですので、乾いた布で拭き取ったり、掃除機で吸い取ったりすることで除去できます。
第2段階:濡れたクロスや中性洗剤が必要な状態
第1段階を放置し、汚れが空気中の水分や油分を含んでしまった状態です。濡れたクロスや中性洗剤が必要です。特にキッチンの場合は、初めから水や油を扱いますので、この第2段階がスタートであるといっても過言ではありません。
第3段階:専用の洗剤を使用しなければならない状態
汚れを放置し、建材に付着してしまった状態です。キッチンやレンジフードのベタベタした油汚れがこれに該当します。汚れに対して効果的な洗剤を選ぶ必要があります。
第4段階:物理的な力が必要な状態
第3段階をさらに放置し、汚れが目に見える厚さになった状態です。洗剤の力だけでなく、硬いスポンジやヘラを使い物理的な力が必要になります。
素材や建材にダメージがあるので場所や状況によっては、ハウスクリーニングでも落としきれない場合もあります。
第5段階:交換しなければいけない状態
あまりにも長く汚れを放置し、汚れが化学反応を起こし建材と一体化した状態です。どうやっても汚れが取れない場合は、交換という形でしか対応できなくなります。
上記の5段階のうち、どこまでが自分で簡単にお掃除できそうですか?実は、第2段階までが普段の掃除と考えられています。
私たちの会社でも、第2段階までの汚れに対応するのが「家事代行」の仕事、第3段階以上の汚れに対応するのは「ハウスクリーニング」の仕事、というように区別しているのです。
「家事代行」は、普段の掃除を代行するものです。ですから、普段お客さまがお使いの洗剤やスポンジなどを用いて、日々の掃除を代行します。
一方「ハウスクリーニング」は、長期間放置してしまったガンコな汚れが対象なので、専門のスタッフが専用の洗剤や道具を持ち込み、時間をかけて徹底洗浄します。
汚れの段階について知っておくと、自分で掃除するべきか、プロに頼むべきかを判断しやすくなります。また、できるだけ早い段階で掃除することの重要性も感じるのではないでしょうか。
あっという間に進行する、キッチンの汚れの5段階
では、キッチンの汚れの5段階を見ていきましょう。
キッチンはそもそも水と油を扱う場所のため、単なるホコリっぽい汚れも、あっという間に第2段階に発展してしまいます。そこでキッチンの掃除には、濡れ布巾や中性洗剤が大活躍するわけです。
調理によって、水分や油分は遠くまで跳ねるので、広範囲で拭き掃除をしておくのがベター。特にコンロ周りの壁には、長期間放置された油跳ねが冷え固まっている状態をよく見ます。調理後すぐに拭き取っていればよかったのですが、何日もたつと油分はしっかりと密着してしまい、第3・第4段階へと進みます。
また、シンクなどの水回りは、水の中のミネラル成分に加え、食品と混ざり合った水分が栄養源となり、雑菌やカビを繁殖させます。発生して間もない雑菌臭やカビなら比較的簡単に中性洗剤などで対処できます。でも時間とともに増殖した汚れは、素材の上で化学変化を起こして手強い相手となっていきます。
キッチン汚れを進行させない!普段からできる6つのこととは?
キッチン汚れが第2段階と第3段階の境界線を超えてしまわないうちに、つまり普通のキッチン用洗剤で対応できるうちに、ちょこちょこ掃除しておくことが、後の自分を助けることになります。そのためにも、普段から以下の6つのことを心掛けておくとよいでしょう。
キッチン汚れを防ぐ6つの心得
- できるだけ強火で調理しない(焦げ付きの原因になるから)
- 吹きこぼさないように注意する(糖分やたんぱく質を含んだ煮汁は単なる水ではないから)
- 使うたびに後始末をする(汚れを蓄積させないため)
- コンロやコンロ周りの壁の拭き掃除を欠かさない(時間がたった汚れは手強いから)
- 油汚れはすぐに拭き取る(水拭きでもすぐなら取れるから)
- 食器はできるだけ早く洗う(食器の中で菌を培養しないため)
これらのことをいくら注意しているつもりでも、いつの間にか汚れは蓄積されていきます。汚れの段階でいうと、第2と第3段階の間、2.5段階あたりの汚れにも悩まされるもの。
そこで登場するのは、中性洗剤よりももう一歩専門性の高い洗剤、クリームクレンザーやカビ取り剤などです。続いて、それらの使い方を紹介します。
キッチン掃除に大活躍!覚えておきたいプロの技4
家庭用洗剤としてもポピュラーなクリームクレンザー、カビ取り剤、メラミンスポンジなどは、少し注意が必要ながら普段使いできる洗剤・道具として定番です。
私たちプロの技とあわせて、それぞれの使い方を見ていきましょう。
プロの技1:クリームクレンザー×ラップ
IHキッチンの場合、鍋やフライパンの底の焦げ付き汚れはガラストップに移りがちです。このような汚れには、クリームクレンザーを直接少し垂らして、くしゃくしゃに丸めたラップでクルクルこすります。あとは濡れたクロスなどで拭き取ればピカピカの面がよみがえります。ガスコンロのガラストップにも使えます。
ガラストップ以外でも、キッチンで中性洗剤では落ちない汚れにこの方法を試してみてください。ただし、クレンザーはクリーム状であってもソフトな研磨剤なので素材を傷めないようご注意ください。
プロの技2:メラミンスポンジは慎重に
メラミンスポンジも、研磨することによってこびりついた汚れを落とすものです。
洗剤に頼らなくても物理的に汚れをかき落としてくれるので、ファンも多いです。
ただ、最初からメラミンスポンジを普通のスポンジ代わりに使用するのは注意が必要です。ピカピカの水道の蛇口を洗い続けて光沢をなくしてしまったり、赤いお湯のマークと青い水のマークを消してしまったり、といった事故を起こしかねません。
メラミンスポンジは、まずは中性洗剤で試してから、部分的に慎重に使用するようにしましょう。
プロの技3:カビ取り剤は時間を味方にする
塩素系であるカビ取り剤は、漂白剤の一種です。独特の鼻をつく臭いが特徴的です。カビ取り剤も、最初から使用するべき洗剤ではありません。最初は中性洗剤などで汚れを落とし、それでも落とせなかった汚れに対してカビ取り剤を使います。
例えば排水口などの掃除は、水を少し流しながら、まずは物理的にヌメリを落としていきます。それから中性洗剤、それでも落ちない汚れにカビ取り剤を使用します。
カビ取り剤や塩素系漂白剤を使用する場合は、時間に手伝ってもらいましょう。時間を置くことで劇的に効果が上がります。除菌なら2~5分、カビ取りなら30分程度、しつこいカビなら繰り返しカビ取り剤を使用するか、もう少し長く30~60分は置いておくとよいでしょう。
なお塩素系漂白剤は脱色作用が強いので、作業の際の服装にも配慮が必要です。十分な換気も忘れないようにしましょう。
プロの技4:ポッコリ汚れに最適!期限切れクレジットカード
汚れを放置して硬く固まってしまった場合、洗剤の力だけでは歯が立たないこともあります。プロのハウスクリーニングを呼ぶ前に、自分でもう少しがんばってみようと思いますよね。
そんなときにおすすめなのが、期限の切れたクレジットカードです。クレジットカードは程よい硬さで、角が丸いので素材を傷つける心配もさほどありません。キッチンカウンターやコンロ周りの、厚みのあるポッコリ汚れを削り取ってみましょう。
もう一つおすすめなのが、爪楊枝です。、普段は気にも留めない細い隙間に入り込んだ汚れは、爪楊枝でかき出します。やり始めると意外と面白いですよ。
これから年末にかけて、キッチン掃除の機会も増えるかと思います。そのときは、全部自分で抱え込まず、汚れの段階にあわせてプロに相談するなど、上手に使い分けながら大掃除シーズンを楽しく乗り切ってみてくださいね。
教えてくれたのは…家事支援サービスのプロ集団「カジタク」
アクティア株式会社が提供する家事支援サービスのプロ集団「カジタク」。家事(掃除・料理)代行・整理収納・片付け・ハウスクリーニング・衣類クリーニングなど、プロならではの視点からお役立ち情報やアドバイスを発信する。
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