整理収納アドバイザーが回答!

親の遺品、子・夫の物…「家族の物」の片づけQ&A

公開日:2020/02/06

10

自分の物は片づけられても、親の遺品や独立した子どもの物は捨てづらい。かといって収納する場所もない。そんな遺品整理や「家族の物」の片づけのお悩みに、整理収納アドバイザー・佐原美和さんがQ&A形式でお答えします!

「家族の物」の片づけQ&A

遺品整理は供養だと思って取り組もう

遺品

Q.亡くなって1年たつ母の部屋。気持ちの整理がつかず、そのままになっています。

A.供養だと思えば穏やかに向き合えるはずです。

遺品整理は、なかなか取り掛かれないもの。体力、時間のハードルもありますが、何より心の整理がつかないことも大きいでしょう。故人が亡くなってから平均7〜8年かかるといわれるほどですから、時間がかかるのは当たり前なのです。

「思い出を残し、物は捨てる」という姿勢がよいのですが、自分で捨てるのがつらければ、業者に手伝ってもらうのも手です。ただし、高価な物や愛用品は家族・親族に確認を取って形見分けする方が確実でしょう。

故人を忘れることを目的に遺品整理に取り組むと、かえってつらい気持ちになるかもしれません。でも、遺品整理は家族の供養だと思えば、穏やかに向き合えるはずです。

実家にある「独立した子どもの物」の片づけ方は?

独立した息子が置いていった物

Q.独立した息子が置いていった物を片づけたいけれど、勝手に捨てられず困っています。

A.片づけたい動機と目的を明確に伝えましょう。

お子さんが実家に荷物を置きっぱなしにするのは甘えはもちろん、荷物があることで実家とつながっている気になっている場合もあります。また、物理的に離れているので、実家に荷物がある現実が見えず、片づける動機がないのです。

まずは現状(部屋が荷物でいっぱい)とその影響(友達を泊めるスペースがないなど)を話し、自分の感情(手をつけられずストレスを感じるなど)を伝えましょう。

その上でどうしてほしいか(机などの家具を運ぶのを手伝ってほしい、本を整理してほしいなど)を具体的に話すと、お子さんも片づける気持ちが湧いてくるでしょう。

また、いずれ(親がいなくなった後)は自分に返ってくる問題であることを理解してもらうのも効果的です。

思い出の品や写真の片づけは子ども自身に任せる!

巣立った娘の思い出の品

Q.おもちゃやアルバムなど、巣立った娘の思い出の品は、どうしたらいいでしょう?

A.娘さんと相談しながら整理することから始めましょう。

子どもの頃の愛用品や写真など、思い入れがありそうな物は捨てにくいもの。でも意外と持ち主本人には執着がないかもしれません。まずは本人に確かめましょう。

「捨てていいよ」と言っていても、いざ他の人が処分するともめ事の原因になることも多いので、整理は娘さん自身がすべきです。

「ダンボールを用意しておくから、整理だけして」と伝えて、捨てることを強制しないことが大切。娘さんに手放す決心がつかなければ、ダンボールに入れてしばらく保管しておくのも手です。

その際は、箱の外に何が入っているのかと整理した日付を書いておくのを忘れずに。半年、1年と置いておけばいずれ手放す気も起きてくるはずです。

一緒に暮らす夫の物は、片づけよりも本人の気持ちが大切

夫が退職して必要なくなった物

Q.夫が退職して必要なくなった物を処分してくれません。

A.強制的に捨ててはダメ。手放し先を提案しましょう。

スーツやネクタイ、バッグ、また仕事関係の資料などは、ご主人にとってはまだ愛着が残っているのかもしれません。とっておきたいという気持ちがあるなら尊重してあげることも大切です。

ただ収納場所が確保できないということであれば、それをご主人に伝えた上で、リサイクルショップや寄付などの手放し先を提案してみましょう。

「同属嫌悪」という言葉をご存じですか。自分と似た者に対し、嫌悪感を覚えること。あなた自身も着なくなった洋服など不要な物を持っていませんか? ご主人に「片づけて」と言う前に自分の物も見返してみましょう。

夫の気持ちを尊重しつつ、片づけへ誘導するのがコツ

すぐに使わなくなる夫の物

Q.購入してはすぐに使わなくなる夫の物がどんどんたまっています。

A.男性は物を使わなくても持っていることが大切なのです。

男性は物を使うことより保管していることが大事と考える人が多いようです。考え方の違いを理解した上で、具体的にどうしてほしいか伝えることが大切です。

例えば寝室にすでに使わなくなった健康器具が置きっぱなしになっていたとします。邪魔だなと思っていてもそのまま口にしてはいけません。

「寝室に空気清浄機を置いたらもっと快適になると思うのだけど、今の状態だと置けないのよね」と現状を話し、まずは「この器具を他の所に移してもらえると助かるんだけど」と提案を。

最初から「捨てよう」とは言わず、あくまで相手の気持ちを尊重しながら、片づけへ誘導するのがうまくいくコツです。

今回ご紹介したいずれのケースでも、勝手に捨てる・片づけを強要する行為はご法度です。片づけは幸せになるための手段。けんかになるくらいなら、そのままの状態にしておいてもよし! 自分の気持ちを相手に伝えて、理解を促すことが「家族の物」の片づけでは大切です。
 

教えてくれたのは…

佐原美和さん
さはら・みわ 整理収納アドバイザー、心理カウンセラー。整理法の知識だけでは片づけられない人たちに着目し、アドラー心理学をベースにした独自の片づけ法を開発。著書に『片づける勇気』(KKベストセラーズ刊)。


取材・文=三橋桃子(ハルメク編集部)

※この記事は「ハルメク」2019年5月号に掲載された内容を再編集しています。


※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。

雑誌「ハルメク」

創刊22年目、50代以上の女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値がある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど、幅広い情報が満載。年間定期購読誌で自宅に直接配送します。https://magazine.halmek.co.jp/

この記事をマイページに保存

\この記事をみんなに伝えよう/

ページ先頭へ