- ハルメク365トップ
- ハルトモ倶楽部
- 人生の転機
- 私の仕事は結婚式の披露宴の司会でした(忘れえぬ式)
専業主婦が憧れていたブライダル司会者へ道を切り開く。20年間、現役のブライダル司会者として仕事をし続けてきた過去や、これからのことを語ります。今回は忘れられない結婚式についてです。
せつない結婚式の依頼
お父様を小さい頃亡くされ、母、娘の2人で助け合って生きてきた親子のお話です。たしか旦那様になる方は、お嫁さんより15歳くらい年上だったと記憶しています。
「フィアンセの大切なお母さんが、病気で入院している。娘の花嫁姿をなんとかひと目見せてあげたい」
こんな切ない願いのお客様でした。
新郎となる旦那様からお話を伺ううちに、お母様のご容態はかなり大変な状態だとわかってきました。とにかく準備を早く進めなくてはなりません。病院に確認すると、好きなようにして良い。と快い返事もいただきました。ただ、今までの経験から、病院はたくさんの決まりがあるところがほとんどでしたから、少しびっくりしました。病院のお部屋をお借りして、お嫁さんのお仕度をして、お母様の病室で人前式をすることにしました。
ホスピス病棟
病院に行ってみてわかりました。うまく言えないのですが、私が知っている病院とはだいぶ違う、異次元の空間のようでした。今でこそ「ホスピス」という言葉は定着していますが、その時はまだ耳慣れない言葉でした。そこは死をきちんと受け入れ、残った時間を大切にする病院でした。だから、好きにしてよい、というお返事をいただいたのだと納得もできました。
みなさん、やせ細れ、辛そうでした。
死を受け入れる、とはどんなことでしょう。
私には到底理解はできません。ここまで来るまでの気持ちの葛藤は、想像を絶するものがあったことでしょう。しかし乗り越えたみなさんは、すでに心が天使に生まれ変わっていたのでしょうか? やさしいオ-ラがかもしだされていたのを、今でも覚えています。
結婚指輪の交換を見守り 天国へ
お母様は、お嬢さんの花嫁姿がわかったようでした。寝たきりで、まったく体も動かせない状態でしたが、お嬢さんから目を離すことなく、しっかりと見つめていたように見えました。なぜなら大粒の涙が流れたからです。
看護師さん、患者さんが見守る中、結婚指輪の交換をしました。司式者の私が「お二人が夫婦となったことを、お認めいただけますか?」と、みなさんに投げかけると、あたたかい拍手につつまれました。
お母様は優しい娘婿の新郎に、娘を託したのだと思います。そして娘のきれいな花嫁姿を見て、安心したのだと思います。静かに目をとじ眠るように天国へ旅立たれました。
「おかあさん、死んじゃいやだよ~」
花嫁姿で子どものように、お母様に抱きついて泣く彼女に、新郎は静かに寄り添っていました。結婚式の日と、お母様の命日が同じ日という、あまりにも切ない結婚式でした。
「花嫁姿を見てもらってよかったね」と、彼女に話かける年の離れた優しい新郎の言葉が、今でも心に残っています。そしてこの言葉が25年間、この仕事を続けさせていただく際の心の糧となっていたのかもしれません。みなさまの大切な想いを形にすることの重みを教えていただいた、切ない、切ない、結婚式でした。
次回からは、仕事上で活躍しているキティちゃんグッズについて語ります。
-
子に遺すべき資産は?
「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは -
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?